煙けむりたなびく 山懐やまふところに
湯ゆの香かただよう 奥州おうしゅう路じ
噂うわさを追おえば 切々せつせつと
過すぎた昔むかしが 瞼まぶたに浮うかぶ
一人ひとりみちのく たたずみおれば
肩かたにはらはら 紅べにしぐれ
たどる夢路ゆめじを 茜あかねに染そめて
淡あわい夕日ゆうひが うすれゆく
再ふたたび逢あえぬ 人ひとなのに
夢ゆめの名残なごりが 湯ゆもやにもえる
一人ひとりみちのく 枕まくらの下したで
未練みれんゆすって 風かぜが泣なく
水みずに流ながした 花一輪はないちりんが
ゆれる岸辺きしべの 奥州おうしゅう路じ
ホロホロホロと 山鳩やまばとの
声こえが悲かなしく 心こころにしみる
一人ひとりみちのく 面影おもかげばかり
胸むねに寄よりそう 日暮ひぐれ道みち
煙kemuりたなびくritanabiku 山懐yamafutokoroにni
湯yuのno香kaただようtadayou 奥州ousyuu路ji
噂uwasaをwo追oえばeba 切々setsusetsuとto
過suぎたgita昔mukashiがga 瞼mabutaにni浮uかぶkabu
一人hitoriみちのくmichinoku たたずみおればtatazumioreba
肩kataにはらはらniharahara 紅beniしぐれshigure
たどるtadoru夢路yumejiをwo 茜akaneにni染soめてmete
淡awaいi夕日yuuhiがga うすれゆくusureyuku
再futataびbi逢aえぬenu 人hitoなのにnanoni
夢yumeのno名残nagoりがriga 湯yuもやにもえるmoyanimoeru
一人hitoriみちのくmichinoku 枕makuraのno下shitaでde
未練mirenゆすってyusutte 風kazeがga泣naくku
水mizuにni流nagaしたshita 花一輪hanaichirinがga
ゆれるyureru岸辺kishibeのno 奥州ousyuu路ji
ホロホロホロhorohorohoroとto 山鳩yamabatoのno
声koeがga悲kanaしくshiku 心kokoroにしみるnishimiru
一人hitoriみちのくmichinoku 面影omokageばかりbakari
胸muneにni寄yoりそうrisou 日暮higuれre道michi