ことほぎ 歌詞 Tele ふりがな付

夜更よふけに目めが覚さめて、湯気ゆげを手繰たぐり寄よせた。
浅あさ煎いりの珈琲こーひーじゃ、雨音あまおとはかき消けせないか。
ソプラノ歌手かしゅのように咽むせび泣なくやかんを、
僕ぼくはいつか捨すてる。
ゴミ出だしのルール、
守まもって。

正ただしくはないけど、間違まちがっちゃないだろう。
生簀いけすの中なかで海うみを待まってる。
幸福こうふくをいつでも恐おそれる僕ぼくらは、穏おだやかな不幸ふこうに溺おぼれている。

さよならだけを抱だき寄よせないで。
愛あいされる権利けんりは君きみにある!
もう全部ぜんぶがくだらなくて、裸足はだしのまま街まちを歩あるいている。
拙つたない言葉ことばで祝いわうからさ、たまに笑わらってくれ。

争あらそわずとも、別わかれは芽吹めぶく。
町まちの裾すそから、朝あさがほどける。

飛とび乗のった路線ろせん、向むかう先さき。
僕ぼくはこっからわかんなくっていいよ。
窓まどを2分割ぶんかつしている海うみ、篩ふるう風かぜ。
花弁かべんが散ちった方途ほうと。
錆さびた無人むじん駅えき、割さいた試金石しきんせき。
片付かたづけあってショートしようよ。
サレンダーだけはしないさ。
ねえ、君きみ一体全体いったいぜんたいどうしちゃったんだ?

もう、間違まちがっていいんだよ。
理屈りくつの外そとで僕ぼくは待まってる。
幸福こうふくであること恐おそれるな。
僕ぼくらは瞬まばたきすら惜おしんでる。
転ころがってく!

さよならだけを抱だき寄よせないで、
愛あいされる権利けんりは君きみにある!
もう全部ぜんぶがくだらなくて、裸足はだしのまま街まちを進すすんでゆく。
ああ僕ぼくらは呪のろいじゃなくて、
馬鹿ばかげている祝福しゅくふくでいたいや!
さあ、ことほぎよ。
だから声こえ澄すませ。
もう今いまは、ばいばい。

拝啓はいけい、僕ぼくらきっと忘わすれていいよ。
思おもい出でを美化びかはしないぜ。
だって素晴すばらしかった。美うつくしかった。
だからもう、次つぎの未来みらいへ。