死よりうるわし 歌詞 月詠み ふりがな付

嗚呼ああ 微睡まどろみの先さきに映うつる悪夢ゆめ
また一ひとつ、現実げんじつに変かわる
ただの夢ゆめで終おわれば

誰だれだっていつか死しぬけれど
どこか他人事ひとごとでいたんだ
たかだか数千すうせんの歴史れきしのほんの一瞬いっしゅんの出来でき事ごと

パラペットの上うえに立たちながら
乱みだれた息いきを整ととのえる
遠とおいアスファルトの先さきに待まつのはどんな自由じゆう?

どう足掻あがいても同おなじ結末けつまつが待まつとして
どんな明日あすを選えらぶだろう
それすらも手てのひらの上うえ?

今日きょう死しんだっていいとさえ言いえる
後悔こうかいばかりだって生いきている
明日あすは何なにか変かわるだろうかと

もう死しんだっていいとさえ言いえる
充足じゅうそくが欲ほしかった
生いきたこと全すべて有意ゆういに変かわるものを

いつもと変かわらない今日きょうも
どこかで何なにかが途切とぎれる
僕ぼくと君きみだけでも、なんて言いいかけて口くちを噤つぐんだ

死しんだらどうなるのかだとか
行いき先さきはどこになるとか
そんなのどうでもいいけれど
夕陽ゆうひが綺麗きれいだね

無慈悲むじひな筋書すじがきの下した 僕ぼくらは余あまりに無力むりょくだ
死しより麗うるわしいものを 知しらずにいられたら

枯かれない変かわらない永遠とわの命いのちを得えたって
惜おしまれない花はなが人ひとに愛あいされるのか

果はてない壊こわれない永遠とわの命いのちを得えたって
いつの日ひか独ひとりになって終おわりを願ねがう

嗚呼ああ 確たしかに近ちかづいている最期さいご
きっともう解わかっている
奇跡きせきは起おきないんだから奇跡きせきなんだと

どう生いきたっていつか消きえる
一生いっしょうの意味いみなんて些事さじなものを僕ぼくらは問とうの
どう生いきたっていつか消きえる
二人ふたりの今いまも 明日あしたすら

今日きょう死しんだっていいとさえ言いえる
地獄じごくを辿たどって生いきてきた
そして君きみを見みつけたんだよ

もう死しんだっていいとさえ言いえる
未来みらいも幸こうも愛あいも
二人ふたりなら一ひとつくらいは見みつけられるから

もしも生うまれ変かわったら──なんて言いわないで
煌きらめいていてもそこに君きみはいないんだ

もしも出逢であわなかったら──なんて言いわないで
僕ぼくらが生いきる、変かわらぬ明日あすをどうか