におい 歌詞 松本明人 ふりがな付

突然とつぜんの夕立ゆうだちに
焦あせってベランダへ出でた
台無だいなしになった洗濯せんたくと
代かわる代がわる空そら

少すこしだけ涙なみだ溢あふれ 伝つたう頬ほお なぞる
気きまぐれな雲くもは
まるで日々ひびのようだ

柔やわらかい匂においに抱だかれて
わがまま言いってたあの頃ころ
あなたがそれさえ忘わすれても
わがままに育そだててくれたから
匂においまかせの記憶きおく辿たどり
いつまでも子供こどものまま

長ながくなった夕暮ゆうぐれを
ぼーっと眺ながめてた
箪笥だんすにしまった選択肢せんたくし
替がえの利きかない想おもい

冷ひえきってしまった身体からだ 癒いやすのは
デリバリーのピザじゃ
敵かないやしない
水みずたまり はしゃぐ 子供こども達たちの声こえ
遠とおくで聴きこえるあなたの声こえ
香かおる幸しあわせ

あたたかい匂においに包つつまれ
ただただ生いきてたあの頃ころ
あなたの愛あいにも気付きづかずに
わがままに育そだってごめんね
僕ぼくは僕ぼくが叱しかっておくよ
…何なんて言いえばいいかな?

新あたらしい匂においと暮くらして
まだまだ子供こどものままだと
あなたの優やさしさに気付きづいて
あなたの温ぬくもりに気付きづかされて
過去かこに置おいてけぼりの言葉ことば
いつか伝つたえなくちゃ
洗濯せんたくも涙なみだも乾かわいたら
何なにか伝つたえなくちゃ

心こころにおいついて はなせないまま