燕 歌詞 teto ふりがな付

君きみがその黒くろ髪かみを束たばねようと
ゴムを口くちに咥くわえるそんな仕草しぐさや
寝ねぼけたすっぴんによく似合にあってる
少すこしダサめな銀縁ぎんぶちの眼鏡めがね
初はじめから無なかったらこんなに愛いとおしくはならないのだろう
何処どこにも出でかけられない僕ぼくらの何処どこへだっていける部屋へや

ダイヤモンドもエメラルドも そうサファイアも
どれも似合にあわない人ひとだって美うつくしいのに

ふたりはまだ何なにも知しらないまま
次第しだいに遠とおざかっていく
行いき場ばを無なくしたあの愛あいの行方ゆくえは
誰だれもが見みつけられずにそっと消きえていく

あなたのそのシャツのシワすらも伸のばさない
面倒めんどうくさがり屋やで割わりに変へんなトコで繊細せんさい
大事だいじな書類しょるいすらも無なくす プライドばっか高たかい内弁慶うちべんけい
すぐ態度たいどに出だす 思おもってなくても謝あやまるとこ
初はじめから知しってたらこんなに愛いとおしくはならなかったわ
でもそれがあなたじゃなければ 待まつことも無なかったわ

心こころから優やさしい人ひとは言いい換かえれば
人ひとを傷きずつける言葉ことばを知しっているのね

ふたりはまだ何なにも知しらないまま
次第しだいに遠とおざかっていく
行いき場ばを無なくしたあの愛あいの行方ゆくえは
誰だれもが見みつけられずにそっと消きえていく

園児えんじたちの声こえがないと不安ふあんだし
田たんぼ道みちが続つづいてないと不安ふあんだし
友ともが近ちかくに居いないと不安ふあんだし
変かわることが何なにより不安ふあんです
それでも小ちいさくとも燕つばめとして
羽はねや爪つめが惨みじめに朽くちようとも
人ひとやビルの隙間すきまを掻かき分わけて
いつか春はるを伝つたえよう

ひとりはまだ何なにも見みつからず
あの部屋へやを思おもい出だしている
壊こわれた鍵かぎや揺ゆれの強つよいエレベーター
湿しめった空気くうき 沁しみる目め いや全すべて

ひとりはもう何なにかを見みつけて
新あらたに歩あるき出だしている
ふたりが並ならぶことはもう二に度どと無ない
燕つばめは空そらを割わり 舞まう 雨あめが降ふる