After 歌詞 For Tracy Hyde ふりがな付

どうして雨あめは止やんでしまうのかなって、君きみとの雨宿あまやどりのたびに考かんがえてた。
通とおり過すぎたスコール、微熱びねつを奪うばうことなく――　　
そんな日々ひびもいまは昔むかし?

どうしてもかすらない視線しせんの先さきで、君きみは違ちがう誰だれかを想おもい描えがいてるの?
飲のみ干ほしたスコール、べたつく甘あまさと温度おんど。
わたしの白昼夢はくちゅうむはまだ覚さめちゃいないのに。

揃そろいのミサンガはわたしの願ねがいを叶かなえずすり切きれて、
空転くうてんする時間じかんを静しずかに物語ものがたってる。
いまだって手てを伸のばすのに、
君きみが君きみじゃない錯覚さっかくがなに食くわぬふりをさせるの。

教室きょうしつに忘わすれた詩編しへんにも似にた手紙てがみの、フレーズがほつれて注そそぐような、
追憶ついおくのスコール、ひとりきり思おもい出だす――　　
そんな君きみじゃないとわかってる。

はじめて交かわした言葉ことばをいつしか忘わすれていたように、
長ながくて緩ゆるやかな終おわりが続つづいていたのかな。
感傷かんしょうと上手うまく折おり合あえずにいるのはわたしのほうなのに、
すっと笑わらってみせるから、
もどかしいな……。

ねえ?

許ゆるしたふりがたやすいのは、
茜あかね射さす光ひかりの角度かくどが強つよがりも悲哀ひあいも絵えに変かえてしまうから。
許ゆるせないままでいるのはさ、きっと君きみのことだけじゃない。
湿しめった歩道ほどうの風かぜに吹ふかれて、想おもうの。