高田屋嘉兵衛～北前船一代記～ 歌詞 善光寺広志 ふりがな付

生うまれは淡路あわじで 貧まずしいながら
夢ゆめを叶かなえた 船頭せんどう稼業かぎょう
荒波あらなみ相手あいてに 操あやつる腕前うでは
暴あばれる船ふねを 思おもいのままに
面舵おもかじいっぱい 大おおきな声こえで
高田屋たかだや嘉兵衛かへえ 北前きたまえ船せんだ

おふさ なにもそんな心配しんぱいそうな顔かおをするんじゃねぇ
沖おき船頭せんどうのうでを見込みこまれた江戸えど行ゆき早舟はやふねは
この嘉兵衛かへえが請うけ負おったんだ なぁ～に
数かぞえ十一じゅういちからの苦労くろうはだてじゃねぇ
網元あみもとのこいさんだったおまえが お遍路へんろ姿すがたに身みを変かえてまで
こんな俺おれを追おって来きてくれたんだ
腹はらのやや子ごの為ためにもお前まえを悲かなしませはしねぇよ
でぇいち俺おれの夢ゆめは江戸えどなんかじゃねぇ
蝦夷地えぞち 松前まつまえ函館はこだての 北国きたぐに航路こうろ北前きたまえ船せんだ そして その先さきはなぁ～

きたぐに函館はこだて 夢見ゆめみる新地しんち
蝦夷地えぞちつなげる 航路こうろを拓ひらく
目指めざすは国後くなしり 択捉島えとろふまでも
十七じゅうしち漁港ぎょこう 築きずき上あげ
港みなとの賑にぎわい 生活くらしを助たすけ
高田屋たかだや嘉兵衛かへえ 慈愛なさけに熱あつく

たかだか五尺ごしゃくの体からだを荒波あらなみに乗のせて 人生じんせい五ご十年じゅうねんとは
よく云いったものだなぁ～
俺おれもひとかどの商人あきんど 北前きたまえ船せんと云いやぁ
高田屋たかだや嘉兵衛かへえとまで云いわれるようになったが
それも家族かぞくや他人様ひとさまの助たすけ、情なさけをかりての事ことさな…
さぁて これからは命いのちある限かぎり ご恩返おんがえしをさせて貰もらおうか

もらった恩義おんぎは 返かえさにゃならぬ
富とみはまるごと 人世ひとよのために
民みんなの幸しあわせ 心こころから願ねがい
ふるさと愛あいは 誰だれにも負まけぬ
明日あしたを背負せおった 若者わかもの育そだて
高田屋たかだや嘉兵衛かへえ 今いまなお生いきる