家族写真 歌詞 森山良子 ふりがな付

庭にわを埋うめた紫陽花あじさい
つかのまの陽ひが注そそぐ
父ちちの膝ひざはまだ
幼おさない妹いもうとのもの

母ははよりも背せが伸のびた
兄あにが少すこしはにかむ
傾かたむいたカメラ
笑わらい声ごえも写うつした

明日あすへ向むかうほど
近ちかくなる昨日きのうがある
忘わすれないで思おもい出では
どこにもいかない

猫ねこが眠ねむる縁側えんがわ
風かぜの音おとが戯たわむれる
母ははが手てをいれた
わたしの髪かみが可笑おかしい

ひとつの屋根やねの下したで
喧嘩けんかしたり泣ないたり
それでも最後さいごは
夕御飯ゆうごはんを囲かこんだ

変かわらないところに
帰かえってゆける場所ばしょがある
忘わすれないで ぬくもりは
どこにもいかない

一枚いちまいの写真しゃしんから
季節きせつは数かずを重かさね
新あたらしい家族かぞく
もうすぐ生うまれてきます

だけど父ちちの匂においも
母ははのあたたかい手ても
大事だいじなすべては
あの時代じだいに覚おぼえた

明日あすへ向むかうほど
近ちかくなる昨日きのうがある
忘わすれないで 思おもい出では
どこにもいかない

忘わすれないで ぬくもりは
どこにもいかない