よみ:あゝまつのろうか
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「吉良殿きらどの 吉良殿きらどの
勅使ちょくしに対たいし奉たてまつり
この浅野長矩あさのながのりがお出迎でむかえする場所ばしょは
お玄関式台下げんかんしきだいしたにござりましょうか、
それとも上うえにござりましょうか、
今一度いまいちど お教おしえ下くだされましょう」
「何度言なんどいうたら解わかるのじゃ
さてさて頭あたまの悪わるい田舎大名いなかだいみょう
それでも饗応役きょうおうやくか
お主ぬしの様ような人間にんげんを鮒侍ふなさむらいと申もうすのじゃ
ウフフフ
えっ!
そこを退のかっしゃれ!」
「余あまりと言いえば
己おのれ!上野覚悟こうずけかくご!!」
武士もののふが
刃やいばを一度ひとたび抜ぬく時ときは
死しぬも生いきるも命いのちがけ
千代田ちよだの城しろの奥深おくぶかき
ああ 松まつの廊下ろうか
花はなに恨うらみの風かぜが吹ふく
(セリフ)
「放はなして下くだされ梶川殿かじかわどの
五万三千石ごまんさんぜんごく
家いえをも身みをも省かえりみず
上野介こうずけのすけを討うつは、
将軍家しょうぐんけの御威光ごいこうと
役職やくしょくを笠かさに着きて
私利私欲しりしよくに走はしる人非人にんぴにんを斬きる為ためじゃ
その手てを放はなしてくだされ梶川殿かじかわどの!」
武士もののふの情なさけを
貴殿あなたが知しるならば
止とめて呉くれるな
手てを放はなせ
男おとこの怒いかり 燃もゆる時とき
ああ 松まつの廊下ろうか
床ゆかに流ながした血ちの涙なみだ
武士もののふの厳けわしき運命さだめが恨うらめしや
明日あすの命いのちはすでになく
無念むねんが残のこる千代田城ちよだじょう
ああ 松まつの廊下ろうか
忠臣蔵ちゅうしんぐらの幕まくが開あく
(セリフ)
役儀やくぎに依よって言葉ことばを改あらためる
拙者せっしゃ 御目付当番おめつけとうばん
多門伝八郎おかどでんぱちろう
さて朝散ちょうさんの太夫たいふ
浅野内匠長矩其方儀あさのたくみのかみながのりそのほうのぎ
御大法だいほうをも辨わきまえず今日きょう
松まつの廊下ろうかに於おいて
争あらそいに及およばれたるは
如何いかなる
御所存ごしょぞんあっての事ことか」
「恐おそれ入いりました」
上かみへ対たいし奉たてまつりては
聊いささかのお恨うらみもござりませぬが
私わたくしの怨うらみ持もって前後ぜんごを忘わすれ
刀傷にんじょうに及およびました」
「其方そのほう 上野介こうずけのすけを討うち果はたす心こころであったか?
又また、私わたくしごとの怨うらみとは?」
「も早此はやこの場ばに於おいは
何事なにごとも、何事なにごとも
ただ無念むねんなは上野介こうずけのすけを打うち損そんじたる事こと
この身みの未熟みじゅく
お恥はずかしく存ぞんじまする
この上うえは御定法通ごじょうほうつう
御仕置賜おしおきたまわるよう、
お願ねがい申もうし上あげまする」
両手りょうてをついた長矩ながのりの
顔かおの白しろさが痛いたましや
さすがに彼かれも武士もののふよ
覚悟かくごの程ほども潔いさぎよし
噫噫ああ
外様大名とざまだいみょうの悲かなしさか
天下てんかの法ほうを振ふりかざし
将軍綱吉直しょうぐんつなよしじきじきに
厳きびしく下くだる裁断さいだんは
家名断絶かめいだんぜつ 身みは切腹せっぷく
今朝けさの晴はれ着きと
打うち変かわり
網乗物あみのりものにて
芝愛宕下しばあたごしたの田村邸たむらてい
泣なくに泣なけない
家臣かしんの一人ひとり
片岡源五かたおかげんごは殊ことの外ほか
おそば近ちかくにつかえたが
せめてはひと目め
御主君ごしゅくんの最後さいごのお姿見届すがたみとどけん
又また、二ふたつには御遺言ごゆいごん
お聞ききせねばと田村邸たむらてい
検死役けんしやくなる伝八郎でんはちろうに
願ねがい出いでたるその時ときに
逢あわしてやるぞ片岡かたおかよ
法ほうに照てらせば この儂わしも
後あとでおとがめ受うけよが
儂わしの知行ちぎょうの七百石ななひゃっこくなど惜おしくはないぞ
武士ぶしの心こころは
武士ぶしの心こころは
武士ぶしが知しる
勅使ちょくしに対たいし奉たてまつり
この浅野長矩あさのながのりがお出迎でむかえする場所ばしょは
お玄関式台下げんかんしきだいしたにござりましょうか、
それとも上うえにござりましょうか、
今一度いまいちど お教おしえ下くだされましょう」
「何度言なんどいうたら解わかるのじゃ
さてさて頭あたまの悪わるい田舎大名いなかだいみょう
それでも饗応役きょうおうやくか
お主ぬしの様ような人間にんげんを鮒侍ふなさむらいと申もうすのじゃ
ウフフフ
えっ!
そこを退のかっしゃれ!」
「余あまりと言いえば
己おのれ!上野覚悟こうずけかくご!!」
武士もののふが
刃やいばを一度ひとたび抜ぬく時ときは
死しぬも生いきるも命いのちがけ
千代田ちよだの城しろの奥深おくぶかき
ああ 松まつの廊下ろうか
花はなに恨うらみの風かぜが吹ふく
(セリフ)
「放はなして下くだされ梶川殿かじかわどの
五万三千石ごまんさんぜんごく
家いえをも身みをも省かえりみず
上野介こうずけのすけを討うつは、
将軍家しょうぐんけの御威光ごいこうと
役職やくしょくを笠かさに着きて
私利私欲しりしよくに走はしる人非人にんぴにんを斬きる為ためじゃ
その手てを放はなしてくだされ梶川殿かじかわどの!」
武士もののふの情なさけを
貴殿あなたが知しるならば
止とめて呉くれるな
手てを放はなせ
男おとこの怒いかり 燃もゆる時とき
ああ 松まつの廊下ろうか
床ゆかに流ながした血ちの涙なみだ
武士もののふの厳けわしき運命さだめが恨うらめしや
明日あすの命いのちはすでになく
無念むねんが残のこる千代田城ちよだじょう
ああ 松まつの廊下ろうか
忠臣蔵ちゅうしんぐらの幕まくが開あく
(セリフ)
役儀やくぎに依よって言葉ことばを改あらためる
拙者せっしゃ 御目付当番おめつけとうばん
多門伝八郎おかどでんぱちろう
さて朝散ちょうさんの太夫たいふ
浅野内匠長矩其方儀あさのたくみのかみながのりそのほうのぎ
御大法だいほうをも辨わきまえず今日きょう
松まつの廊下ろうかに於おいて
争あらそいに及およばれたるは
如何いかなる
御所存ごしょぞんあっての事ことか」
「恐おそれ入いりました」
上かみへ対たいし奉たてまつりては
聊いささかのお恨うらみもござりませぬが
私わたくしの怨うらみ持もって前後ぜんごを忘わすれ
刀傷にんじょうに及およびました」
「其方そのほう 上野介こうずけのすけを討うち果はたす心こころであったか?
又また、私わたくしごとの怨うらみとは?」
「も早此はやこの場ばに於おいは
何事なにごとも、何事なにごとも
ただ無念むねんなは上野介こうずけのすけを打うち損そんじたる事こと
この身みの未熟みじゅく
お恥はずかしく存ぞんじまする
この上うえは御定法通ごじょうほうつう
御仕置賜おしおきたまわるよう、
お願ねがい申もうし上あげまする」
両手りょうてをついた長矩ながのりの
顔かおの白しろさが痛いたましや
さすがに彼かれも武士もののふよ
覚悟かくごの程ほども潔いさぎよし
噫噫ああ
外様大名とざまだいみょうの悲かなしさか
天下てんかの法ほうを振ふりかざし
将軍綱吉直しょうぐんつなよしじきじきに
厳きびしく下くだる裁断さいだんは
家名断絶かめいだんぜつ 身みは切腹せっぷく
今朝けさの晴はれ着きと
打うち変かわり
網乗物あみのりものにて
芝愛宕下しばあたごしたの田村邸たむらてい
泣なくに泣なけない
家臣かしんの一人ひとり
片岡源五かたおかげんごは殊ことの外ほか
おそば近ちかくにつかえたが
せめてはひと目め
御主君ごしゅくんの最後さいごのお姿見届すがたみとどけん
又また、二ふたつには御遺言ごゆいごん
お聞ききせねばと田村邸たむらてい
検死役けんしやくなる伝八郎でんはちろうに
願ねがい出いでたるその時ときに
逢あわしてやるぞ片岡かたおかよ
法ほうに照てらせば この儂わしも
後あとでおとがめ受うけよが
儂わしの知行ちぎょうの七百石ななひゃっこくなど惜おしくはないぞ
武士ぶしの心こころは
武士ぶしの心こころは
武士ぶしが知しる