よみ:うゐろううり
うゐろう売り 歌詞
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- 2017.1.25 リリース
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拙者親方せっしゃおやかたと申もうすは、お立たち会あいの中うちに、
御存知ごぞんじのお方かたも御座ござりましょうが、
御江戸おえどを発たって二十里上方にじゅうりかみがた、
相州小田原一色町そうしゅうおだわらいっしきまちをお過すぎなされて、
青物町あおものちょうを登のぼりへおいでなさるれば、
欄干橋虎屋藤衛門らんかんばしとらやとうえもん、
只今ただいまは剃髪致ていはついたして、円斎えんさいとなのりまする。
元朝がんちょうより大晦日おおつもりまで、
お手てに入いれまする此この薬くすりは、
昔むかしちんの国くにの唐人とうじん、
外郎ういろうという人ひと、我わが朝ちょうへ来きたり、
帝みかどへ参内さんないの折おりから、
この薬くすりを深ふかく籠こめ置おき、用もちゆる時ときは一粒いちりゅうずつ、
冠かんむりのすき間まより取とり出だす。
依よってその名なを帝みかどより 、
とうちんこうと賜たまわる。
即すなわち文字もんじには、
「頂いただき、透すく、香におい」と書かいて
「とうちんこう」と申もうす。
只今ただいまはこの薬くすり、
殊ことの外世上ほかせじょうに弘ひろまり、方々ほうぼうに似看板にかんばんを出だし、
イヤ、小田原おだわらの、灰俵はいだわらの、さん俵だわらの、炭俵すみだわらのと、
色々いろいろに申もうせども、
平仮名ひらがなをもって「ういろう」と記しるせしは、
親方円斎おやかたえんさいばかり。
もしやお立たち会あいの中うちに、熱海あたみか塔とうノ沢さわへ湯治とうじにお出ででなさるるか、
又または伊勢参宮いせさんぐうの折おりからは、必かならず門違かどちがいなされまするな。
お登のぼりならば右みぎの方かた、お下くだりなれば左側ひだりがわ、
八方はっぽうが八棟やつむね、表おもてが三棟玉堂造みつむねぎょくどうづくり、
破風はふには菊きくに桐きりのとうの御紋ごもんを御赦免ごしゃめんあって、
系図正けいずただしき薬くすりでござる。
イヤ最前さいぜんより家名かめいの自慢じまんばかりを申もうしても、
御存知ごぞんじない方かたには、正身しょうしんの胡椒こしょうの丸呑まるのみ、白河夜船しらかわよふね、
さらば一粒食いちりゅうたべかけて、
その気見合きみあいをお目めにかけましょう。
先まずこの薬くすりをかように一粒舌いちりゅうしたの上うえにのせまして、
腹内ふくないへ納おさめますると、
イヤどうも云いえぬは、胃い、心しん、肺はい、肝かんがすこやかになりて、
薫風喉くんぷうのんどより来きたり、口中微涼こうちゅうびりょうを生しょうずるが如ごとし、
魚鳥ぎょちょう、茸きのこ、麺類めんるいの食合くいあわせ、其その他ほか、万病速効まんびょうそっこうある事神ことかみの如ごとし。
さて、この薬くすり、第一だいいちの奇妙きみょうには、
舌したのまわることが、銭ぜにゴマがはだしで逃にげる。
ひょっとしたがまわり出だすと、矢やも盾たてもたまらぬじゃ。
そりゃそら、そらそりゃ、まわってきたわ、まわってくるわ。
アワヤ咽のんど、さたらな舌ぜつにカ牙サ歯音かげさしおん、
ハマの二ふたつは唇くちびるの軽重けいちょう、開合かいごうさわやかに、
あかさたなはまやらわ、おこそとのほもよろを、
一ひとつへぎへぎに、へぎほしはじかみ、
盆ぼんまめ、盆米ぼんべい、盆ぼんごぼう、摘立つみたて、摘豆つみまめ、つみ山椒さんしょう、
書写山しょしゃざんの社僧正しゃそうじょう、
粉米こごめのなまがみ、粉米こごめのなまがみ、こん粉米こごめの小生こなまがみ、
繻子しゅすひじゅす、繻子しゅす、繻珍しゅちん、
親おやも嘉兵衛かへえ、子こも嘉兵衛かへえ、親おやかへい子こかへい、子こかへい親おやかへい、
古栗ふるぐりの木きの古切口ふるきりぐち。
雨合羽あまがっぱか、番合羽ばんかっぱか、貴様きさまのきゃはんも皮脚絆かわきゃはん、我等われらがきゃはん
も皮脚絆かわきゃはん、
しっかわ袴ばかまのしっぽころびを、三針みはりはりなかにちょと縫ぬうて、ぬうて ちょとぶんだせ、
かわら撫子なでしこ、野石竹のせきちく。
のら如来にょらい、のら如来にょらい、三みのら如来にょらいに六むのら如来にょらい。
一寸先いっすんさきのお小仏こぼとけにおけつまずきゃるな、細溝ほそみぞにどじょにょろり。
京きょうのなま鱈奈良だらならなま学鰹まながつお、ちょと四し、五貫目ごかんめ、
お茶立ちゃたちょ、茶立ちゃたちょ、ちゃっと立たちょ、茶立ちゃたちょ、
青竹茶あおだけちゃせんでお茶ちゃちゃと立たちゃ。
来くるは来くるは何なにが来くる、高野こうやの山やまのおこけら小僧こぞう。
狸百匹たぬきひゃくびき、箸百膳はしひゃくぜん、天目百杯てんもくひゃくっぱい、棒八百本ぼうはっぴゃくほん。
武具ぶぐ、馬具ばぐ、ぶぐ、ばぐ、三みぶぐばぐ、合あわせて武具ぶぐ、馬具ばぐ、六むぶぐばぐ。
菊きく、栗くり、きく、くり、三菊栗みきくくり、合あわせて菊栗六菊栗きくくりむきくくり、
麦むぎ、ごみ、むぎ、ごみ、三みむぎごみ、合あわせてむぎ、ごみ、六むむぎごみ。
あの長押なげしの長薙刀ながなぎなたは、誰たが長薙刀ながなぎなたぞ。
向むこうの胡麻ごまがらは、えのごまがらか、あれこそほんの真胡麻殻まごまから。
がらぴい、がらぴい風車かざぐるま、
おきゃがれこぼし、おきゃがれ小坊師こぼうし、ゆんべもこぼして又またこぼした。
たあぷぽぽ、たあぷぽぽ、ちりから、ちりから、つったっぽ、
たっぽたっぽの一丁いっちょうだこ、
落おちたら煮にて食くお、煮にても焼やいても食くわれぬものは、
五徳ごとく、鉄てっきゅう、かな熊童子ぐまどうじに、石熊いしくま、石持いしもち、虎熊とらくま、虎とらきす、
中なかにも、東寺とうじの羅生門らしょうもんには、茨城童子いばらきどうじがうで栗五合ぐりいごうつかんでおむしゃる、
かの頼光らいこうのひざもと去さらず。
鮒ふな、きんかん、椎茸しいたけ、定さだめて後段ごだんな、そば切きり、そうめん、うどんか、愚鈍ぐどんな子新発地こしんほち。
小棚こだなの、小下こしたの、小桶こおけに、こ味噌みそが、こ有あるぞ、
小杓子しょうしゃくし、こ持もって、こすくって、こよこせ、
おっと合点がってんだ、
心得こころえたんぼの川崎かわさき、神奈川かながわ、程ほどヶ谷たに、戸塚とつかは、走はしって行いけば、
やいとを摺すりむく、三里さんりばかりか、藤沢ふじさわ、平塚ひらつか、大磯おおいそがしや、
小磯こいその宿しゅくを七ななつ起おきして、
早天早々そうてんそうそう、相州小田原そうしゅうおだわらとうちん香こう、
隠かくれござらぬ貴賤群衆きせんぐんしゅうの花はなのお江戸えどの花はなういろう。
あれあの花はなを見みてお心こころをおやわらぎやという。
産子うぶご、這子はうこに至いたるまで、
この外郎ういろうのご評判ひょうばん、ご存ぞんじないとは申もうされまいまいつぶり、
角出つのだせ、棒出ぼうだせ、ぼうぼうまゆに、臼うす、杵きね、すりばち、ばちばちぐわ らぐわらぐわらと、
羽目はめをはずして今日きょうお出ででのいずれも様ように、
上あげねばならぬ、売うらねばならぬと息いきせい引ひっぱり、
東方世界とうほうせかいの薬くすりの元締もとじめ、薬師如来やくしにょらいも照覧しょうらんあれと、
ホホ敬うやまって、ういろうは、いらっしゃりませぬか。
御存知ごぞんじのお方かたも御座ござりましょうが、
御江戸おえどを発たって二十里上方にじゅうりかみがた、
相州小田原一色町そうしゅうおだわらいっしきまちをお過すぎなされて、
青物町あおものちょうを登のぼりへおいでなさるれば、
欄干橋虎屋藤衛門らんかんばしとらやとうえもん、
只今ただいまは剃髪致ていはついたして、円斎えんさいとなのりまする。
元朝がんちょうより大晦日おおつもりまで、
お手てに入いれまする此この薬くすりは、
昔むかしちんの国くにの唐人とうじん、
外郎ういろうという人ひと、我わが朝ちょうへ来きたり、
帝みかどへ参内さんないの折おりから、
この薬くすりを深ふかく籠こめ置おき、用もちゆる時ときは一粒いちりゅうずつ、
冠かんむりのすき間まより取とり出だす。
依よってその名なを帝みかどより 、
とうちんこうと賜たまわる。
即すなわち文字もんじには、
「頂いただき、透すく、香におい」と書かいて
「とうちんこう」と申もうす。
只今ただいまはこの薬くすり、
殊ことの外世上ほかせじょうに弘ひろまり、方々ほうぼうに似看板にかんばんを出だし、
イヤ、小田原おだわらの、灰俵はいだわらの、さん俵だわらの、炭俵すみだわらのと、
色々いろいろに申もうせども、
平仮名ひらがなをもって「ういろう」と記しるせしは、
親方円斎おやかたえんさいばかり。
もしやお立たち会あいの中うちに、熱海あたみか塔とうノ沢さわへ湯治とうじにお出ででなさるるか、
又または伊勢参宮いせさんぐうの折おりからは、必かならず門違かどちがいなされまするな。
お登のぼりならば右みぎの方かた、お下くだりなれば左側ひだりがわ、
八方はっぽうが八棟やつむね、表おもてが三棟玉堂造みつむねぎょくどうづくり、
破風はふには菊きくに桐きりのとうの御紋ごもんを御赦免ごしゃめんあって、
系図正けいずただしき薬くすりでござる。
イヤ最前さいぜんより家名かめいの自慢じまんばかりを申もうしても、
御存知ごぞんじない方かたには、正身しょうしんの胡椒こしょうの丸呑まるのみ、白河夜船しらかわよふね、
さらば一粒食いちりゅうたべかけて、
その気見合きみあいをお目めにかけましょう。
先まずこの薬くすりをかように一粒舌いちりゅうしたの上うえにのせまして、
腹内ふくないへ納おさめますると、
イヤどうも云いえぬは、胃い、心しん、肺はい、肝かんがすこやかになりて、
薫風喉くんぷうのんどより来きたり、口中微涼こうちゅうびりょうを生しょうずるが如ごとし、
魚鳥ぎょちょう、茸きのこ、麺類めんるいの食合くいあわせ、其その他ほか、万病速効まんびょうそっこうある事神ことかみの如ごとし。
さて、この薬くすり、第一だいいちの奇妙きみょうには、
舌したのまわることが、銭ぜにゴマがはだしで逃にげる。
ひょっとしたがまわり出だすと、矢やも盾たてもたまらぬじゃ。
そりゃそら、そらそりゃ、まわってきたわ、まわってくるわ。
アワヤ咽のんど、さたらな舌ぜつにカ牙サ歯音かげさしおん、
ハマの二ふたつは唇くちびるの軽重けいちょう、開合かいごうさわやかに、
あかさたなはまやらわ、おこそとのほもよろを、
一ひとつへぎへぎに、へぎほしはじかみ、
盆ぼんまめ、盆米ぼんべい、盆ぼんごぼう、摘立つみたて、摘豆つみまめ、つみ山椒さんしょう、
書写山しょしゃざんの社僧正しゃそうじょう、
粉米こごめのなまがみ、粉米こごめのなまがみ、こん粉米こごめの小生こなまがみ、
繻子しゅすひじゅす、繻子しゅす、繻珍しゅちん、
親おやも嘉兵衛かへえ、子こも嘉兵衛かへえ、親おやかへい子こかへい、子こかへい親おやかへい、
古栗ふるぐりの木きの古切口ふるきりぐち。
雨合羽あまがっぱか、番合羽ばんかっぱか、貴様きさまのきゃはんも皮脚絆かわきゃはん、我等われらがきゃはん
も皮脚絆かわきゃはん、
しっかわ袴ばかまのしっぽころびを、三針みはりはりなかにちょと縫ぬうて、ぬうて ちょとぶんだせ、
かわら撫子なでしこ、野石竹のせきちく。
のら如来にょらい、のら如来にょらい、三みのら如来にょらいに六むのら如来にょらい。
一寸先いっすんさきのお小仏こぼとけにおけつまずきゃるな、細溝ほそみぞにどじょにょろり。
京きょうのなま鱈奈良だらならなま学鰹まながつお、ちょと四し、五貫目ごかんめ、
お茶立ちゃたちょ、茶立ちゃたちょ、ちゃっと立たちょ、茶立ちゃたちょ、
青竹茶あおだけちゃせんでお茶ちゃちゃと立たちゃ。
来くるは来くるは何なにが来くる、高野こうやの山やまのおこけら小僧こぞう。
狸百匹たぬきひゃくびき、箸百膳はしひゃくぜん、天目百杯てんもくひゃくっぱい、棒八百本ぼうはっぴゃくほん。
武具ぶぐ、馬具ばぐ、ぶぐ、ばぐ、三みぶぐばぐ、合あわせて武具ぶぐ、馬具ばぐ、六むぶぐばぐ。
菊きく、栗くり、きく、くり、三菊栗みきくくり、合あわせて菊栗六菊栗きくくりむきくくり、
麦むぎ、ごみ、むぎ、ごみ、三みむぎごみ、合あわせてむぎ、ごみ、六むむぎごみ。
あの長押なげしの長薙刀ながなぎなたは、誰たが長薙刀ながなぎなたぞ。
向むこうの胡麻ごまがらは、えのごまがらか、あれこそほんの真胡麻殻まごまから。
がらぴい、がらぴい風車かざぐるま、
おきゃがれこぼし、おきゃがれ小坊師こぼうし、ゆんべもこぼして又またこぼした。
たあぷぽぽ、たあぷぽぽ、ちりから、ちりから、つったっぽ、
たっぽたっぽの一丁いっちょうだこ、
落おちたら煮にて食くお、煮にても焼やいても食くわれぬものは、
五徳ごとく、鉄てっきゅう、かな熊童子ぐまどうじに、石熊いしくま、石持いしもち、虎熊とらくま、虎とらきす、
中なかにも、東寺とうじの羅生門らしょうもんには、茨城童子いばらきどうじがうで栗五合ぐりいごうつかんでおむしゃる、
かの頼光らいこうのひざもと去さらず。
鮒ふな、きんかん、椎茸しいたけ、定さだめて後段ごだんな、そば切きり、そうめん、うどんか、愚鈍ぐどんな子新発地こしんほち。
小棚こだなの、小下こしたの、小桶こおけに、こ味噌みそが、こ有あるぞ、
小杓子しょうしゃくし、こ持もって、こすくって、こよこせ、
おっと合点がってんだ、
心得こころえたんぼの川崎かわさき、神奈川かながわ、程ほどヶ谷たに、戸塚とつかは、走はしって行いけば、
やいとを摺すりむく、三里さんりばかりか、藤沢ふじさわ、平塚ひらつか、大磯おおいそがしや、
小磯こいその宿しゅくを七ななつ起おきして、
早天早々そうてんそうそう、相州小田原そうしゅうおだわらとうちん香こう、
隠かくれござらぬ貴賤群衆きせんぐんしゅうの花はなのお江戸えどの花はなういろう。
あれあの花はなを見みてお心こころをおやわらぎやという。
産子うぶご、這子はうこに至いたるまで、
この外郎ういろうのご評判ひょうばん、ご存ぞんじないとは申もうされまいまいつぶり、
角出つのだせ、棒出ぼうだせ、ぼうぼうまゆに、臼うす、杵きね、すりばち、ばちばちぐわ らぐわらぐわらと、
羽目はめをはずして今日きょうお出ででのいずれも様ように、
上あげねばならぬ、売うらねばならぬと息いきせい引ひっぱり、
東方世界とうほうせかいの薬くすりの元締もとじめ、薬師如来やくしにょらいも照覧しょうらんあれと、
ホホ敬うやまって、ういろうは、いらっしゃりませぬか。