ここは御国おくにを何百里なんびゃくり
離はなれて遠とおき満洲まんしゅうの
赤あかい夕日ゆうひに照てらされて
友ともは野末のずえの石いしの下した
思おもえば悲かなし昨日きのうまで
真先まっさきかけて突進とっしんし
敵てきを散々懲さんざんこらしたる
勇士ゆうしはここに眠ねむれるか
ああ戦いくさの最中さなかに
隣となりに居おりし此この友ともの
俄にわかにはたと倒たおれしを
我われはおもわず駈かけ寄よりて
軍律ぐんりつきびしい中なかなれど
これが見捨みすてて置おかりょうか
「しっかりせよ」と抱だき起おこし
仮繃帯かりほうたいも弾丸だんがんの中なか
空むなしく冷ひえて魂たましいは
くにへ帰かえったポケットに
時計とけいばかりがコチコチと
動うごいて居いるも情じょうなや
思おもいもよらず我一人われひとり
不思議ふしぎに命いのちながらえて
赤あかい夕日ゆうひの満洲まんしゅうに
友ともの塚穴掘つかあなほろうとは
ここはkokoha御国okuniをwo何百里nanbyakuri
離hanaれてrete遠tooきki満洲mansyuuのno
赤akaいi夕日yuuhiにni照teらされてrasarete
友tomoはha野末nozueのno石ishiのno下shita
思omoえばeba悲kanaしshi昨日kinouまでmade
真先massakiかけてkakete突進tosshinしshi
敵tekiをwo散々懲sanzankoらしたるrashitaru
勇士yuushiはここにhakokoni眠nemuれるかreruka
ああaa戦ikusaのno最中sanakaにni
隣tonariにni居oりしrishi此koのno友tomoのno
俄niwaかにはたとkanihatato倒taoれしをreshiwo
我wareはおもわずhaomowazu駈kaけke寄yoりてrite
軍律gunritsuきびしいkibishii中nakaなれどnaredo
これがkorega見捨misuててtete置oかりょうかkaryouka
「しっかりせよshikkariseyo」とto抱daきki起okoしshi
仮繃帯karihoutaiもmo弾丸danganのno中naka
空munaしくshiku冷hiえてete魂tamashiiはha
くにへkunihe帰kaeったttaポケットpokettoにni
時計tokeiばかりがbakarigaコチコチkochikochiとto
動ugoいてite居iるもrumo情jouなやnaya
思omoいもよらずimoyorazu我一人warehitori
不思議fushigiにni命inochiながらえてnagaraete
赤akaいi夕日yuuhiのno満洲mansyuuにni
友tomoのno塚穴掘tsukaanahoろうとはroutoha