利根とねのしぐれか 瞼まぶたが濡ぬれる
夢ゆめはどこかへ 落おとし差ざし
武士ぶしのこころは 忘わすれはせぬが
風かぜにまかせた 枯かれ落葉おちば
浮世うきよ流転るてんの 浮世うきよ流転るてんの
平手ひらて造酒ぞうしゅ
「江戸えどは神田かんだ
お玉たまヶが池いけの千葉ちば道場どうじょうで
昔むかし、磨みがいたこの腕うでを
買かわれてなった用心棒ようじんぼう―
これが平手ひらての…なれの果はてだ」
受うけた恩義おんぎは 白刃しらはで返かえす
野暮やぼな渡世とせいの かえし業わざ
喧嘩けんか沙汰ざたなら 命いのちもままよ
賭かけて裏目うらめが 出でようとも
義理ぎりにゃ勝かてない 義理ぎりにゃ勝かてない
平手ひらて造酒ぞうしゅ
「無器用ぶきっちょに生いきた平手ひらて造酒ぞうしゅ
痩やせても枯かれても 武士ぶしは武士ぶし
小ちいさな誇ほこりと脇差わきざし抱だいて
どこかへ消きえて行いくだけさ」
酒さけに溺おぼれた 男おとこの明日あすを
空そらの徳利とっくりが 知しるものか
どうせこの道みちァ あの世よとやらへ
啼なくな葦切よしきり 灯ひのかげで
影かげもやつれた 影かげもやつれた
平手ひらて造酒ぞうしゅ
利根toneのしぐれかnoshigureka 瞼mabutaがga濡nuれるreru
夢yumeはどこかへhadokokahe 落otoしshi差zaしshi
武士bushiのこころはnokokoroha 忘wasuれはせぬがrehasenuga
風kazeにまかせたnimakaseta 枯kaれre落葉ochiba
浮世ukiyo流転rutenのno 浮世ukiyo流転rutenのno
平手hirate造酒zousyu
「江戸edoはha神田kanda
おo玉tamaヶga池ikeのno千葉chiba道場doujouでde
昔mukashi、磨migaいたこのitakono腕udeをwo
買kaわれてなったwaretenatta用心棒youjinbou―
これがkorega平手hirateのno…なれのnareno果haてだteda」
受uけたketa恩義ongiはha 白刃shirahaでde返kaeすsu
野暮yaboなna渡世toseiのno かえしkaeshi業waza
喧嘩kenka沙汰zataならnara 命inochiもままよmomamayo
賭kaけてkete裏目urameがga 出deようともyoutomo
義理giriにゃnya勝kaてないtenai 義理giriにゃnya勝kaてないtenai
平手hirate造酒zousyu
「無器用bukitchoにni生iきたkita平手hirate造酒zousyu
痩yaせてもsetemo枯kaれてもretemo 武士bushiはha武士bushi
小chiiさなsana誇hokoりとrito脇差wakizaしshi抱daいてite
どこかへdokokahe消kiえてete行iくだけさkudakesa」
酒sakeにni溺oboれたreta 男otokoのno明日asuをwo
空soraのno徳利tokkuriがga 知shiるものかrumonoka
どうせこのdousekono道michiァa あのano世yoとやらへtoyarahe
啼naくなkuna葦切yoshikiri 灯hiのかげでnokagede
影kageもやつれたmoyatsureta 影kageもやつれたmoyatsureta
平手hirate造酒zousyu