男同士おとこどうしの 約束やくそくごとは
髪かみに書かかずに 腹はらに書かく
ご恩おんある身みの 大石おおいし様ようの
隠かくしことなら 頼たのみなら
口くちが裂さけても 漏もらしゃせぬ
天野あまの屋や利兵衛りへえは 男おとこでござる
ここで一言ひとこと 漏もらしたならば
赤穂あこう浪士ろうしの皆々様みなみなさまの
長ながの苦労くろうが 水みずの泡あわ
吉良きらの屋敷やしきへ 討入うちいり道具どうぐ
妻子さいしに類るいが 及およぼとままよ
知しらぬ存ぞんぜぬ 押おし通とおす
命いのち 命いのち捨すて身みの 天野あまの屋や利兵衛りへえ
(セリフ)「えゝ! 去さる十五日じゅうごにち未明みめい 大石内蔵助おおいしくらのすけ様ようを始はじめ赤穂あこう浪士ろうしの方々かたがたが
吉良きら様ようのお屋敷やしきに討入うちいり。見事みごとにご本懐ほんかいを遂とげられた…と。
ご奉行ぶぎょう様よう、それは真実しんじつにござりまするか…。
ああ 有ゆう難なんや これで天野あまの屋やの浮うき世よの義理ぎりと男おとこの意地いじが立たちました。
今いまとなれば隠かくしごとの何なにもかも 何なにもかも包つつみ隠かくさず申もうし上あげます。」
受うけた情なさけは この世よで返かえす
借かりちゃおけない あの世よまで
儲もうけご破算はさん 算盤そろばん捨すてた
刀かたな 差ささない 商人あきんどの
これがせめての お助太刀すけだち
天野あまの屋や利兵衛りへえは 男おとこでござる
(セリフ)「見込みこんだりやな内蔵助くらのすけ 見込みこまれたりや天野あまの屋や利兵衛りへえ」
男同士otokodoushiのno 約束yakusokuごとはgotoha
髪kamiにni書kaかずにkazuni 腹haraにni書kaくku
ごgo恩onあるaru身miのno 大石ooishi様youのno
隠kakuしことならshikotonara 頼tanoみならminara
口kuchiがga裂saけてもketemo 漏moらしゃせぬrasyasenu
天野amano屋ya利兵衛riheeはha 男otokoでござるdegozaru
ここでkokode一言hitokoto 漏moらしたならばrashitanaraba
赤穂akou浪士roushiのno皆々様minaminasamaのno
長nagaのno苦労kurouがga 水mizuのno泡awa
吉良kiraのno屋敷yashikiへhe 討入uchiiりri道具dougu
妻子saishiにni類ruiがga 及oyoぼとままよbotomamayo
知shiらぬranu存zonぜぬzenu 押oしshi通tooすsu
命inochi 命inochi捨suてte身miのno 天野amano屋ya利兵衛rihee
(セリフserifu)「えeゝ! 去saるru十五日juugonichi未明mimei 大石内蔵助ooishikuranosuke様youをwo始hajiめme赤穂akou浪士roushiのno方々katagataがga
吉良kira様youのおnoo屋敷yashikiにni討入uchiiりri。見事migotoにごnigo本懐honkaiをwo遂toげられたgerareta…とto。
ごgo奉行bugyou様you、それはsoreha真実shinjitsuにござりまするかnigozarimasuruka…。
ああaa 有yuu難nanやya これでkorede天野amano屋yaのno浮uきki世yoのno義理giriとto男otokoのno意地ijiがga立taちましたchimashita。
今imaとなればtonareba隠kakuしごとのshigotono何naniもかもmokamo 何naniもかもmokamo包tsutsuみmi隠kakuさずsazu申mouしshi上aげますgemasu。」
受uけたketa情nasaけはkeha このkono世yoでde返kaeすsu
借kaりちゃおけないrichaokenai あのano世yoまでmade
儲mouけごkego破算hasan 算盤soroban捨suてたteta
刀katana 差saさないsanai 商人akindoのno
これがせめてのkoregasemeteno おo助太刀sukedachi
天野amano屋ya利兵衛riheeはha 男otokoでござるdegozaru
(セリフserifu)「見込mikoんだりやなndariyana内蔵助kuranosuke 見込mikoまれたりやmaretariya天野amano屋ya利兵衛rihee」