夜よるがしらじら 明あける頃ころ
姉あねさんかぶりで 浜はま仕事しごと
投なげ捨すてられた イワシを拾ひろい
背中せなか丸まるめて 指ゆびで割さく
『小こイワシは いらんかね
七日なのか経たったら 鯛たいになるよ』
夢ゆめで母かあちゃんの 声こえが聞きこえるよ
色いろ足袋たび脱ぬいで 横座よこずわり
手拭てぬぐいはずした 母かあちゃんの
汗あせびっしょりの 横顔よこがお見みつめ
チクリ痛いたんだ 胸むねの奥おく
『小こイワシは いらんかね
七日なのか経たったら 鯛たいになるよ』
今いまも母かあちゃんの 声こえが聞きこえるよ
今いまじゃ俺おいらも いっぱしの
魚河岸いちばの仲卸なかおろし人おろしさ 魚さかな売うり
真水まみずで洗あらった イワシを並ならべ
思おもい出だすのさ あの唄うたを
『小こイワシは いらんかね
七日なのか経たったら 鯛たいになるよ』
俺おれの母かあちゃんの 浜唄うたが聞きこえるよ
夜yoruがしらじらgashirajira 明aけるkeru頃koro
姉aneさんかぶりでsankaburide 浜hama仕事shigoto
投naげge捨suてられたterareta イワシiwashiをwo拾hiroいi
背中senaka丸maruめてmete 指yubiでde割saくku
『小koイワシiwashiはha いらんかねirankane
七日nanoka経taったらttara 鯛taiになるよninaruyo』
夢yumeでde母kaaちゃんのchanno 声koeがga聞kiこえるよkoeruyo
色iro足袋tabi脱nuいでide 横座yokozuwaりri
手拭tenuguいはずしたihazushita 母kaaちゃんのchanno
汗aseびっしょりのbissyorino 横顔yokogao見miつめtsume
チクリchikuri痛itaんだnda 胸muneのno奥oku
『小koイワシiwashiはha いらんかねirankane
七日nanoka経taったらttara 鯛taiになるよninaruyo』
今imaもmo母kaaちゃんのchanno 声koeがga聞kiこえるよkoeruyo
今imaじゃja俺oiらもramo いっぱしのippashino
魚河岸ichibaのno仲卸nakaoroshi人oroshiさsa 魚sakana売uりri
真水mamizuでde洗araったtta イワシiwashiをwo並naraべbe
思omoいi出daすのさsunosa あのano唄utaをwo
『小koイワシiwashiはha いらんかねirankane
七日nanoka経taったらttara 鯛taiになるよninaruyo』
俺oreのno母kaaちゃんのchanno 浜唄utaがga聞kiこえるよkoeruyo