稗搗之歌 歌詞
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平家へいけの末路まつろ 又また憐あわれむに堪たえたり
残党ざんとう隠遁いんとんす 上かみ椎葉かみしいば
山岳さんがく深ぶかき処ところ 炊煙すいえんを見みる
庭にわの山椒さんしゅうの木き
鳴なる鈴すずかけて ヨオホイ
鈴すずの鳴なる時ときや 出でておじゃれヨー
哀話あいわ綿綿めんめん 栄華えいがの夢ゆめ
稗ひえ搗ひえつきの俚謡りよう 今いまに至いたる迄まで伝つとう
馬骨
2022/06/24 15:09
平家の落人の話は各所にあるが石原詢子自身の作詞とあって興味深く聞いた・・詩吟の素養があるので、落人が山岳深い宮城上椎葉にひっそりと夕餉の煙を忍ばせている辺り・・一般の人では地名すら追えないかなり難解な歌である・・庭の山椒の樹なる鈴懸かけて敵将との恋を織り交ぜて・・哀話綿々栄華の夢稗搗の郷歌哀調を帯びた民謡を排した技量は歌手とも思えぬ驚愕の才能である・・歌は何処とも知れなくても平家の栄華の末路、奢れるもの久しからずと唄っている・・