津軽つがる恋こいしや――
捨すてた故郷ふるさと 帰かえってみれば
砂すなに埋うもれた 磯舟いそぶねひとつ
風かぜもヒュルヒュル 十三湊とさみなと
お父どうの十八番おはこ 砂山すなやま節ぶしが
今いまも聞きこえてヨー 懐なつかしい
七里しちり長浜ながはま――
波なみのうねりか 海鳴うみなり哭ないて
胸むねで詫わびてる 不孝ふこうの数かずを
風かぜもヒュルヒュル 十三湊とさみなと
昔むかしのままの 茅葺かやぶき屋根やねを
見みれば目頭めがしらヨー 熱あつくなる
西にしの空ぞらみりゃ――
遠とおく雪雲ゆきぐも 流ながれて飛とんで
誰だれを待まつやら 冬鳥ふゆどり一羽いちわ
風かぜもヒュルヒュル 十三湊とさみなと
やさしい母ははの 微笑ほほえむ顔かおが
けむる焚たき火びにヨー また浮うかぶ
津軽tsugaru恋koiしやshiya――
捨suてたteta故郷furusato 帰kaeってみればttemireba
砂sunaにni埋uもれたmoreta 磯舟isobuneひとつhitotsu
風kazeもmoヒュルヒュルhyuruhyuru 十三湊tosaminato
おo父douのno十八番ohako 砂山sunayama節bushiがga
今imaもmo聞kiこえてkoeteヨyoー 懐natsuかしいkashii
七里shichiri長浜nagahama――
波namiのうねりかnounerika 海鳴uminaりri哭naいてite
胸muneでde詫waびてるbiteru 不孝fukouのno数kazuをwo
風kazeもmoヒュルヒュルhyuruhyuru 十三湊tosaminato
昔mukashiのままのnomamano 茅葺kayabuきki屋根yaneをwo
見miればreba目頭megashiraヨyoー 熱atsuくなるkunaru
西nishiのno空zoraみりゃmirya――
遠tooくku雪雲yukigumo 流nagaれてrete飛toんでnde
誰dareをwo待maつやらtsuyara 冬鳥fuyudori一羽ichiwa
風kazeもmoヒュルヒュルhyuruhyuru 十三湊tosaminato
やさしいyasashii母hahaのno 微笑hohoeむmu顔kaoがga
けむるkemuru焚taきki火biにniヨyoー またmata浮uかぶkabu