上州じょうしゅう小町こまちは 昔むかしのことさ
今いまじゃ呼よび名なも 火ひの車くるま
丁ちょうと張はりましょ 若もし半はんでたら
見みせて上あげましょ この肌はだを
(セリフ)
「手前てまえ生国しょうごくと発はっしますは 関東かんとうにござ
んす 関東かんとう関東かんとうと申もうしましても いさ
さか広ひろうござんす
上州じょうしゅうは山田郡やまだぐん赤城あかぎの山やまのふきおろし
天王てんのう村むらにござんす
庄屋しょうやの家いえにおぎゃぁと発はっしました手前てまえ
こそ女おんならしさはみじんも無なく お見みか
け通どおりの白しらむく鉄火てっか 一いち天地てんち六ろくの賽さいの
目めに張はった命いのちは利根川とねがわの深ふかさに勝まさる
不孝者ふこうものにござんす
親おやの意見いけんも空そら吹ふく風かぜとふき流ながし 四六しろく
三年さんねん半目はんもくを売うって長脇差どすを抱だき寝ねの旅たび
がらす 名前なまえ申もうし上あげます失礼しつれいさんに
御座ござんす
通称つうしょう火ひの車くるまお万まんと発はっしまして 稼業かぎょう昨さく
今いま駆かけ出だしもんに御座ござんす」
女おんなだてらに 仁義じんぎを切きって
結むすぶ一いち夜やの かりの宿やど
ぐれたこの身みを くやむじゃないが
夢ゆめで泣なく夜よるも たまにゃある
風かぜに吹ふかれて 旅たびから旅たびへ
やくざ渡世とせいの 七曲ななまがり
胸むねに抱だいてる 故郷こきょうの空そらを
晴はれて見みる日ひは 何時いつじゃやら
上州jousyuu小町komachiはha 昔mukashiのことさnokotosa
今imaじゃja呼yoびbi名naもmo 火hiのno車kuruma
丁chouとto張haりましょrimasyo 若moしshi半hanでたらdetara
見miせてsete上aげましょgemasyo このkono肌hadaをwo
(セリフserifu)
「手前temae生国syougokuとto発haxtuしますはshimasuha 関東kantouにござnigoza
んすnsu 関東kantou関東kantouとto申mouしましてもshimashitemo いさisa
さかsaka広hiroうござんすugozansu
上州jousyuuはha山田郡yamadagun赤城akagiのno山yamaのふきおろしnofukioroshi
天王tennou村muraにござんすnigozansu
庄屋syouyaのno家ieにおぎゃぁとniogyaato発haxtuしましたshimashita手前temae
こそkoso女onnaらしさはみじんもrashisahamijinmo無naくku おo見miかka
けke通dooりのrino白shiraむくmuku鉄火tekka 一ichi天地tenchi六rokuのno賽saiのno
目meにni張haったtta命inochiはha利根川tonegawaのno深fukaさにsani勝maさるsaru
不孝者fukoumonoにござんすnigozansu
親oyaのno意見ikenもmo空sora吹fuくku風kazeとふきtofuki流nagaしshi 四六shiroku
三年sannen半目hanmokuをwo売uってtte長脇差dosuをwo抱daきki寝neのno旅tabi
がらすgarasu 名前namae申mouしshi上aげますgemasu失礼shitsureiさんにsanni
御座gozaんすnsu
通称tsuusyou火hiのno車kurumaおo万manとto発haxtuしましてshimashite 稼業kagyou昨saku
今ima駆kaけke出daしもんにshimonni御座gozaんすnsu」
女onnaだてらにdaterani 仁義jingiをwo切kiってtte
結musuぶbu一ichi夜yaのno かりのkarino宿yado
ぐれたこのguretakono身miをwo くやむじゃないがkuyamujanaiga
夢yumeでde泣naくku夜yoruもmo たまにゃあるtamanyaaru
風kazeにni吹fuかれてkarete 旅tabiからkara旅tabiへhe
やくざyakuza渡世toseiのno 七曲nanamagaりri
胸muneにni抱daいてるiteru 故郷kokyouのno空soraをwo
晴haれてrete見miるru日hiはha 何時itsuじゃやらjayara