旅たびの烏からすで 三年さんねん三月さんがつ
影かげもやつれた やくざ髷まげ
ドスを抱だき寝ねの 今宵こよいの夢ゆめも
風かぜに流転るてんの 三度笠さんどがさ
(セリフ)
「あれから三年さんねん―おふくろさん、
今頃いまごろァ何どうして居いなさるか、会あいてえ、
一目ひとめでもいいから会あいてえ、
あゝああ、見みえる、生うまれ故郷こきょうの山川やまかわが
――聞きこえる俺おれを呼よんでる
おふくろさんのアノ声こえが――」
男おとこなりゃこそ 忘わすれて居いたに
思おもい出ださせて 又また泣なかす
アレは宵宮よいみやの 太鼓たいこか笛ふえか
知しらぬ他国たこくの 祭まつり唄うた
翼つばさあろうが なかろがまゝよ
鳥とりと名前なまえが つくからにゃ
行いかざなるまい やくざの果はてと
泣ないて浮世うきよを 渡わたり鳥どり
旅tabiのno烏karasuでde 三年sannen三月sangatsu
影kageもやつれたmoyatsureta やくざyakuza髷mage
ドスdosuをwo抱daきki寝neのno 今宵koyoiのno夢yumeもmo
風kazeにni流転rutenのno 三度笠sandogasa
(セリフserifu)
「あれからarekara三年sannen―おふくろさんofukurosan、
今頃imagoroァa何doうしてushite居iなさるかnasaruka、会aいてえitee、
一目hitomeでもいいからdemoiikara会aいてえitee、
あゝaa、見miえるeru、生uまれmare故郷kokyouのno山川yamakawaがga
――聞kikoえるeru俺oreをwo呼yoんでるnderu
おふくろさんのofukurosannoアノano声koeがga――」
男otokoなりゃこそnaryakoso 忘wasuれてrete居iたにtani
思omoいi出daさせてsasete 又mata泣naかすkasu
アレareはha宵宮yoimiyaのno 太鼓taikoかka笛fueかka
知shiらぬranu他国takokuのno 祭matsuりri唄uta
翼tsubasaあろうがarouga なかろがまnakarogamaゝよyo
鳥toriとto名前namaeがga つくからにゃtsukukaranya
行iかざなるまいkazanarumai やくざのyakuzano果haてとteto
泣naいてite浮世ukiyoをwo 渡wataりri鳥dori