堅気かたぎ育そだちも 重かさなる旅たびに
いつか外はずれて 無宿者むしゅくもの
知しらぬ他国たこくの 黄昏時たそがれどきは
俺おれも泣なきたい ことばかり
染しまぬ縁談はなしに 故郷こきょうをとんで
娘むすめざかりを 茶屋ちゃやぐらし
茶碗酒ちゃわんざけなら 負まけないけれど
人情にんじょうからめば もろくなる
かたちばかりの 鴛鴦おし姿すがた
ならぶ草鞋わらじに 風かぜが吹ふく
浮世うきよあぶれた やくざな旅たびは
どこで散ちるやら 果はてるやら
泣なくも笑わらうも ふところ次第しだい
資金もとでなくした その時ときは
遠慮えんりょ要いらずの 女房にょうぼうじゃないか
丁ちょうと張はりゃんせ わしが身みを
堅気katagi育sodaちもchimo 重kasaなるnaru旅tabiにni
いつかitsuka外hazuれてrete 無宿者musyukumono
知shiらぬranu他国takokuのno 黄昏時tasogaredokiはha
俺oreもmo泣naきたいkitai ことばかりkotobakari
染shiまぬmanu縁談hanashiにni 故郷kokyouをとんでwotonde
娘musumeざかりをzakariwo 茶屋chayaぐらしgurashi
茶碗酒chawanzakeならnara 負maけないけれどkenaikeredo
人情ninjouからめばkarameba もろくなるmorokunaru
かたちばかりのkatachibakarino 鴛鴦oshi姿sugata
ならぶnarabu草鞋warajiにni 風kazeがga吹fuくku
浮世ukiyoあぶれたabureta やくざなyakuzana旅tabiはha
どこでdokode散chiるやらruyara 果haてるやらteruyara
泣naくもkumo笑waraうもumo ふところfutokoro次第shidai
資金motodeなくしたnakushita そのsono時tokiはha
遠慮enryo要iらずのrazuno 女房nyoubouじゃないかjanaika
丁chouとto張haりゃんせryanse わしがwashiga身miをwo