男おとこまさりのモエギがリュックを片かた肩かたにしょい
行方ゆくえ知しれない妹いもうとアサギを探さがして
イカダの形かたちの船ふねにトンと乗のったのは
西暦せいれき2000年ねんの朝あさ
軌道きどうの彼方かなたに不気味ぶきみに燃もえる彗星すいせい
サイエンティストの計算けいさんではあと何日なんにちかで
青あおいまぶしい美うつくしい地球ちきゅうに
ドスンと衝突しょうとつをする
屋根裏やねうらにかくれてみつけた
謎なぞめいた古地図こちず
消きえかかる文字もじのジュモンは
「ベルを鳴ならせ」
SALABA SALABA 遠とおざかる家いえよ SALABA
いちどだけ もう一度いちどだけ 子供こどもの海うみへ
いくつもの夜よるを過すぎて
チャネルをベイを越こえて
アーチェリーのような島しまに上陸じょうりくすれば
ストリートゆく人ひとの瞳ひとみはうつろ
言葉ことばもない唄うたもない
ハローハローこれがアサギの写真しゃしんです
けれども誰だれもふり向むかない答こたえてくれない
月つきをかすって頭上ずじょうに迫せまるホーキの粉こなが
鼓膜こまくを塞ふさいでる
にび色いろの雲くもが膨ふくらんだ
うす暗ぐらくなった
ポケットの中なかで囁ささやくよ
「ベルを鳴ならせ」
SALABA SALABA あこがれの街まちよ SALABA
いちどだけ もう一度いちどだけ 子供こどもの海うみへ
とうとう閃光せんこうと轟音ごうおんが世界せかいを混まぜて
人類じんるいの故郷こきょうにソードが突つき刺ささる
大陸たいりくは上下じょうげに揺ゆれて大波おおなみにのまれ
バラもカエデも絶たえてゆく
細こまかいチリとガスが大気圏たいきけんに入はいりこみ
お日様ひさまの顔かおも見みえない地軸ちじくもいざった
ガリレオもコぺルニクスももうわからない
モエギは何なにもできない
ケモノたちが泣なきわめき スピードで逃にげる
体からだのどこかが叫さけんでる「ベルを鳴ならせ」
SALABA SALABA なつかしい星ほしよ SALABA
いちどだけ もう一度いちどだけ 子供こどもの海うみへ
イカダの形かたちの船ふねは古地図こちずに示しめされた
不思議ふしぎな曲線きょくせんの海溝かいこうにたどり着つき
モエギは何なにかに曳ひかれるように
ビリジアン色いろの 地図ちずを泡あわの中なかに揺ゆらす
海うみと絵えの具ぐと嵐あらしがとけあって
やがて小ちいさな ベル が浮ういてくる
そしてそのまわりには渦うずが巻まきあがり
アサギがあらわれる
ずっとずっと待まっていました愛いとしい姉ねえさん
あなたは私わたしの幾度いくど目めかのお誕生日たんじょうびに
折おり紙がみでこしらえたかわいいベルを
私わたしの胸むねにリボンでかけて
昔むかしの本ほんの箱舟はこぶねのページをめくり
きっとこんなに悲かなしいことが起おこるから
必かならずあなたを護まもってみせるから
このベルを鳴ならすのよ
そう約束やくそくして私わたしを抱だきしめて
冬ふゆの空気くうきに蒸気じょうきが入はいるように
春はるの風かぜがおでこに入はいるように
あなたの中なかに私わたしを入いれた
綺麗きれいな時間じかんが盗ぬすまれたら大変たいへんだから
その日ひの日記にっきを一枚いちまいきりとって
海うみの色いろの絵えの具ぐで塗ぬりつぶし
屋根裏やねうらの奥おくにかくした
ずっとずっと呼よんでいました優やさしい姉ねえさん
あなたの ベル をこの気流きりゅうに飛とばしたら
きらめく音おとが大気たいきをふるわせて
素晴すばらしいことが起おこるでしょう
山やまは枯かれて森もりは沈しずみ大河たいがは暴あばれ
動物どうぶつの足音あしおとももう聞きこえない
鳥とりの羽音はおとも魚さかなが水みずを通とおった跡あとも
暗闇くらやみの果はてなのか
今いま モエギの想おもいが透明とうめいになり
あの日ひの熱あつい記憶きおくによみがえる
幼おさない頃ころにしかできない超能力ちょうのうりょくを
とりかえしているように
モエギはアサギの胸むねからリボンを解といて
特別とくべつなときに零こぼれる涙なみだのしずくを
小ちいさな ベル にひと粒つぶしめらせて
空そらに向むかって投なげる
RINGLONG RINGLONG
鐘かねノネ響ひびキテ RINGLONG
いちどだけ もう一度いちどだけ 子供こどもの海うみへ
空そらから空そらへと連つらなった きらめくベルの音おと
山やまに森もりに鳥とりに魚さかなに 光ひかりが差さした
RINGLONG RINGLONG
鐘かねノネ響ひびキテ RINGLONG
いちどだけ もう一度いちどだけ 子供こどもの海うみへ
人ひとと人ひととは離はなれても ひとつのものだから
心こころの星ほしが痛いたんだら「ベルを鳴ならせ」
SALABA SALABA きずついた時ときよ SALABA
いちどだけ もう一度いちどだけ 新あたらしい海うみへ
いちどだけ もう一度いちどだけ 子供こどもの海うみへ
男otokoまさりのmasarinoモエギmoegiがgaリュックryukkuをwo片kata肩kataにしょいnisyoi
行方yukue知shiれないrenai妹imoutoアサギasagiをwo探sagaしてshite
イカダikadaのno形katachiのno船funeにniトンtonとto乗noったのはttanoha
西暦seireki2000年nenのno朝asa
軌道kidouのno彼方kanataにni不気味bukimiにni燃moえるeru彗星suisei
サイエンティストsaientisutoのno計算keisanではあとdehaato何日nannichiかでkade
青aoいまぶしいimabushii美utsukuしいshii地球chikyuuにni
ドスンdosunとto衝突syoutotsuをするwosuru
屋根裏yaneuraにかくれてみつけたnikakuretemitsuketa
謎nazoめいたmeita古地図kochizu
消kiえかかるekakaru文字mojiのnoジュモンjumonはha
「ベルberuをwo鳴naらせrase」
SALABA SALABA 遠tooざかるzakaru家ieよyo SALABA
いちどだけichidodake もうmou一度ichidoだけdake 子供kodomoのno海umiへhe
いくつものikutsumono夜yoruをwo過suぎてgite
チャネルchaneruをwoベイbeiをwo越koえてete
アaーチェリcheriーのようなnoyouna島shimaにni上陸jourikuすればsureba
ストリsutoriートtoゆくyuku人hitoのno瞳hitomiはうつろhautsuro
言葉kotobaもないmonai唄utaもないmonai
ハロharoーハロharoーこれがkoregaアサギasagiのno写真syashinですdesu
けれどもkeredomo誰dareもふりmofuri向muかないkanai答kotaえてくれないetekurenai
月tsukiをかすってwokasutte頭上zujouにni迫semaるruホhoーキkiのno粉konaがga
鼓膜komakuをwo塞fusaいでるideru
にびnibi色iroのno雲kumoがga膨fukuらんだranda
うすusu暗guraくなったkunatta
ポケットpokettoのno中nakaでde囁sasayaくよkuyo
「ベルberuをwo鳴naらせrase」
SALABA SALABA あこがれのakogareno街machiよyo SALABA
いちどだけichidodake もうmou一度ichidoだけdake 子供kodomoのno海umiへhe
とうとうtoutou閃光senkouとto轟音gouonがga世界sekaiをwo混maぜてzete
人類jinruiのno故郷kokyouにniソsoードdoがga突tsuきki刺saさるsaru
大陸tairikuはha上下jougeにni揺yuれてrete大波oonamiにのまれninomare
バラbaraもmoカエデkaedeもmo絶taえてゆくeteyuku
細komaかいkaiチリchiriとtoガスgasuがga大気圏taikikenにni入haiりこみrikomi
おo日様hisamaのno顔kaoもmo見miえないenai地軸chijikuもいざったmoizatta
ガリレオgarireoもmoコkoぺpeルニクスrunikusuももうわからないmomouwakaranai
モエギmoegiはha何naniもできないmodekinai
ケモノkemonoたちがtachiga泣naきわめきkiwameki スピsupiードdoでde逃niげるgeru
体karadaのどこかがnodokokaga叫sakeんでるnderu「ベルberuをwo鳴naらせrase」
SALABA SALABA なつかしいnatsukashii星hoshiよyo SALABA
いちどだけichidodake もうmou一度ichidoだけdake 子供kodomoのno海umiへhe
イカダikadaのno形katachiのno船funeはha古地図kochizuにni示shimeされたsareta
不思議fushigiなna曲線kyokusenのno海溝kaikouにたどりnitadori着tsuきki
モエギmoegiはha何naniかにkani曳hiかれるようにkareruyouni
ビリジアンbirijian色iroのno 地図chizuをwo泡awaのno中nakaにni揺yuらすrasu
海umiとto絵eのno具guとto嵐arashiがとけあってgatokeatte
やがてyagate小chiiさなsana ベルberu がga浮uいてくるitekuru
そしてそのまわりにはsoshitesonomawariniha渦uzuがga巻maきあがりkiagari
アサギasagiがあらわれるgaarawareru
ずっとずっとzuttozutto待maっていましたtteimashita愛itoしいshii姉neeさんsan
あなたはanataha私watashiのno幾度ikudo目meかのおkanoo誕生日tanjoubiにni
折oりri紙gamiでこしらえたかわいいdekoshiraetakawaiiベルberuをwo
私watashiのno胸muneにniリボンribonでかけてdekakete
昔mukashiのno本honのno箱舟hakobuneのnoペpeージjiをめくりwomekuri
きっとこんなにkittokonnani悲kanaしいことがshiikotoga起oこるからkorukara
必kanaraずあなたをzuanatawo護mamoってみせるからttemiserukara
このkonoベルberuをwo鳴naらすのよrasunoyo
そうsou約束yakusokuしてshite私watashiをwo抱daきしめてkishimete
冬fuyuのno空気kuukiにni蒸気joukiがga入haiるようにruyouni
春haruのno風kazeがおでこにgaodekoni入haiるようにruyouni
あなたのanatano中nakaにni私watashiをwo入iれたreta
綺麗kireiなna時間jikanがga盗nusuまれたらmaretara大変taihenだからdakara
そのsono日hiのno日記nikkiをwo一枚ichimaiきりとってkiritotte
海umiのno色iroのno絵eのno具guでde塗nuりつぶしritsubushi
屋根裏yaneuraのno奥okuにかくしたnikakushita
ずっとずっとzuttozutto呼yoんでいましたndeimashita優yasaしいshii姉neeさんsan
あなたのanatano ベルberu をこのwokono気流kiryuuにni飛toばしたらbashitara
きらめくkirameku音otoがga大気taikiをふるわせてwofuruwasete
素晴subaらしいことがrashiikotoga起oこるでしょうkorudesyou
山yamaはha枯kaれてrete森moriはha沈shizuみmi大河taigaはha暴abaれre
動物doubutsuのno足音ashiotoももうmomou聞kiこえないkoenai
鳥toriのno羽音haotoもmo魚sakanaがga水mizuをwo通tooったtta跡atoもmo
暗闇kurayamiのno果haてなのかtenanoka
今ima モエギmoegiのno想omoいがiga透明toumeiになりninari
あのano日hiのno熱atsuいi記憶kiokuによみがえるniyomigaeru
幼osanaいi頃koroにしかできないnishikadekinai超能力chounouryokuをwo
とりかえしているようにtorikaeshiteiruyouni
モエギmoegiはhaアサギasagiのno胸muneからkaraリボンribonをwo解toいてite
特別tokubetsuなときにnatokini零koboれるreru涙namidaのしずくをnoshizukuwo
小chiiさなsana ベルberu にひとnihito粒tsubuしめらせてshimerasete
空soraにni向muかってkatte投naげるgeru
RINGLONG RINGLONG
鐘kaneノネnone響hibiキテkite RINGLONG
いちどだけichidodake もうmou一度ichidoだけdake 子供kodomoのno海umiへhe
空soraからkara空soraへとheto連tsuraなったnatta きらめくkiramekuベルberuのno音oto
山yamaにni森moriにni鳥toriにni魚sakanaにni 光hikariがga差saしたshita
RINGLONG RINGLONG
鐘kaneノネnone響hibiキテkite RINGLONG
いちどだけichidodake もうmou一度ichidoだけdake 子供kodomoのno海umiへhe
人hitoとto人hitoとはtoha離hanaれてもretemo ひとつのものだからhitotsunomonodakara
心kokoroのno星hoshiがga痛itaんだらndara「ベルberuをwo鳴naらせrase」
SALABA SALABA きずついたkizutsuita時tokiよyo SALABA
いちどだけichidodake もうmou一度ichidoだけdake 新ataraしいshii海umiへhe
いちどだけichidodake もうmou一度ichidoだけdake 子供kodomoのno海umiへhe