月あかり 歌詞 村下孝蔵 ふりがな付

朧月夜おぼろづきよに障子しょうじを開あけて
注さしつ注さされつほろ酔よい加減かげん
小川おがわの流ながれに耳みみを澄すまし
君きみはほんのり頬ほほを染そめていた
君きみが誘さそった最後さいごの旅たびに
何なにも把たばめず迎むかえた夜よるは
交かわす言葉ことばも空むなしく

「もうこれ以上いじょう飲のんだらだめよ」
「もうこれ以上いじょう飲のんだらだめ」と
何故なぜかいつもと違ちがってた君きみの言葉ことばが優やさしくて

夜風よかぜ吹ふきぬけ障子しょうじを閉しめて
向むかい合あわせの旅たびの宿やど
夜よるも深ふかまり二人ふたりの声こえも
川かわの流ながれに溶とけ込こんで
傷きずつけ合あって暮くらせぬ事ことに
二人ふたり気付きづいて頬ほおづえついた
夜よるのしじまに時ときは消きえていた

「もうこれ以上いじょう飲のんだらだめよ」
「もうこれ以上いじょう飲のんだらだめ」と
こんな夜よるは寂さびしすぎて一人ひとり飲のむ程ほど想おもい出だす

「もうこれ以上いじょう飲のんだらだめよ」
「もうこれ以上いじょう飲のんだらだめ」と
今いまも聞きこえてくるような君きみのつぶやき悲かなしくて