水に恋をする 歌詞 熊木杏里 ふりがな付

自分じぶんとむき合あえる 人ひとになりたくて
心こころいっぱいぼくは 演えんじていたのかもしれない

裸はだかになることを 望のぞんでいるのに
正直しょうじきになることが できないでどうするのだろう

頭あたまではフォークとナイフで 感情かんじょうをきりとれるけれど
左胸ひだりむねは 右みぎを見みたり 空そらを見みたり 足あしを見みたり

ぼんやりして見みえるのは
ぼく自身じしんなのに
形かたちをなさないものが
好すきで見みとれてしまう なぜなんだろう
流ながれてゆく先々さきざきで
色いろや姿すがたまで
変かわってゆく 水みずのように
ぼくは ぼくは生いきたいのかもしれない

自分じぶんの顔かおがいつも 気きになっているけど
人ひとから見みた自分じぶんを 気きにしているのだと気きづいた

心こころだけで生いきたい 自慢じまんできなくても
神様かみさまではなくぼくが いいと思おもう自分じぶんでいよう

洗あらい流ながす水みずではなくて 混まざり合あう水みずに恋こいをして
さっきまで ぼくだけれど 風かぜになったり 雲くもになったり

次つぎの約束やくそくでぼくは
雨あめに流ながされて
土つちやどろにまみれよう
涙なみだよりも心こころを 落おとしこんで
帰かえり道みちがなくなっても
ただいまって言いえば
そこがぼくの居場所いばしょになる
きっと ずっと そうやっていければいい

顔かおは水みずに溶とかしてしまって
乾かわいた布ぬのに心こころ映うつして
口くちを閉とざした鳥とりになって
言葉ことばを探さがそう

ぼんやりして見みえるのは
ぼく自身じしんだけど
形かたちをなさないものに
糸いとが見みえる気きがして 手てを伸のばしてる
流ながれてゆく先々さきざきで
何なにかになって
それがわからないままでも
ぼくは ぼくは 生いきたいのだと思おもった