二にすじに 道みちもわかれて 去さり行いく人ひとの
姿すがたも淋さびし 吹ふく風かぜに
赤あかい椿つばきが ホロリ散ちる
心こころに秘ひめた 折鶴おりづるも
翼つばさ破やぶれて 片羽かたばね鳥とり
「鶴つるさん!下田しもだの浜はまで、
心こころも身体からだも一緒いっしょに育そだったあなたとあたし、
別わかれ別わかれになったとて悲かなしい時ときはお互たがいに、
見みえない遠とおいところからでも、
夢ゆめの中なかでも手てを取とり合あって、生いきて行いこうね……
さようなら……」
冴さえかえる 月つきのしずくが 冷つめたく濡ぬらす
磯いそ馴なれの松まつの うしろかげ
呼よんではならぬ 人ひとの名なを
心こころに抱だいて 夜よもすがら
月つきも泣ないたか 明烏あけがらす
二niすじにsujini 道michiもわかれてmowakarete 去saりri行iくku人hitoのno
姿sugataもmo淋sabiしshi 吹fuくku風kazeにni
赤akaいi椿tsubakiがga ホロリhorori散chiるru
心kokoroにni秘hiめたmeta 折鶴oriduruもmo
翼tsubasa破yabuれてrete 片羽katabane鳥tori
「鶴tsuruさんsan!下田shimodaのno浜hamaでde、
心kokoroもmo身体karadaもmo一緒issyoにni育sodaったあなたとあたしttaanatatoatashi、
別wakaれre別wakaれになったとてreninattatote悲kanaしいshii時tokiはおhao互tagaいにini、
見miえないenai遠tooいところからでもitokorokarademo、
夢yumeのno中nakaでもdemo手teをwo取toりri合aってtte、生iきてkite行iこうねkoune……
さようならsayounara……」
冴saえかえるekaeru 月tsukiのしずくがnoshizukuga 冷tsumeたくtaku濡nuらすrasu
磯iso馴naれのreno松matsuのno うしろかげushirokage
呼yoんではならぬndehanaranu 人hitoのno名naをwo
心kokoroにni抱daいてite 夜yoもすがらmosugara
月tsukiもmo泣naいたかitaka 明烏akegarasu