朝霧あさぎりは こらえ切きれない 女おんなの吐息といき
昨夜ゆうべの名残なごりか 燗かんざまし
何なにも言いわずに 目めで詫わびて
背中せなかで別わかれ 告つげるひと あゝああ
せゝらぎの すゝり泣なくよな 風かぜの宿やど
窓まどを打うつ みぞれ凍しばれて 小雪こゆきにかわり
あなたを包つつんで どこへゆく
障子しょうじほそめに 耳みみを寄よせ
消きえゆく靴くつの 音おとに泣なく あゝああ
むらさきの 恋こいは幻まぼろし 風かぜの宿やど
人ひとなみの 明日あすを下ください こぼれた花はなに
ひとりが淋さびしい しのび酒ざけ
箸はしの袋ふくろが 鶴つるになる
一生いっしょうぶんを 愛あいされて あゝああ
しめ直なおす 帯おびをきりゝと 風かぜの宿やど
朝霧asagiriはha こらえkorae切kiれないrenai 女onnaのno吐息toiki
昨夜yuubeのno名残nagoりかrika 燗kanざましzamashi
何naniもmo言iわずにwazuni 目meでde詫waびてbite
背中senakaでde別wakaれre 告tsuげるひとgeruhito あゝaa
せseゝらぎのragino すsuゝりri泣naくよなkuyona 風kazeのno宿yado
窓madoをwo打uつtsu みぞれmizore凍shiばれてbarete 小雪koyukiにかわりnikawari
あなたをanatawo包tsutsuんでnde どこへゆくdokoheyuku
障子syoujiほそめにhosomeni 耳mimiをwo寄yoせse
消kiえゆくeyuku靴kutsuのno 音otoにni泣naくku あゝaa
むらさきのmurasakino 恋koiはha幻maboroshi 風kazeのno宿yado
人hitoなみのnamino 明日asuをwo下kudaさいsai こぼれたkoboreta花hanaにni
ひとりがhitoriga淋sabiしいshii しのびshinobi酒zake
箸hashiのno袋fukuroがga 鶴tsuruになるninaru
一生issyouぶんをbunwo 愛aiされてsarete あゝaa
しめshime直naoすsu 帯obiをきりwokiriゝとto 風kazeのno宿yado