君きみにとってはくだらない「仮説ぼく」を語かたり草臥くたびれる影かげ
囃はやす瞳ひとみには映うつらない すり抜ぬけた網状もじょうの鞘さやで
「見みえぬなら踏ふみつけても 誰だれの心こころも痛いたまない!」
抗あらがいもしない人ひとを 捲まくして笑わらったのは誰だれ?
宵よいに惑まどうほどの童子わらべにもなれず、非情ひじょうにも生いきれない。
今いまに手折ておれる城郭じょうかくも彼かれの正義せいぎなら 絶たえずと、貫つらぬくだろう。
月つきを飾かざり知しれた人ひとの敗色はいしょくに 懐なつかしむ面影おもかげを
全すべて奪うばい尽つくした頃ころ 失なくした縁えにしを探さがせど、今いまさらで。
いつの夜よるからかくだらない「仮説ぼく」を語かたる事ことも無なくなり
呼吸こきゅうさえも忘わすれて 思おもい上あがる者ものに刃はを向むけ
我先われさきと沈しずみかけた 脆もろき小舟こぶねを降おりたがり
誇ほこらかに行ゆく往来おうらいで 追想ついそうに憂うれうのは何故なぜ?
誰たそ彼がれに置おき忘わすれていた種々しゅじゅの音ねが、空蝉うつせみに芽吹めぶくように。
過去かこに慰なぐさみを探さがして写うつし絵えを抱だけば 誰だれもが、愚おろかになる。
手てを繋つなぐ迄までで途切とぎれていた記憶きおくは 疵付きずつかない狡ずるさで
何なにひとつ戻もどらないなら 幾重いくえの波折なおりよ残のこらずも、攫さらって。
誰だれしもが本心ことばも無なく 面めんを片手かたてに探さぐり合あい
訝いぶかるも待まち遠どおしと 愛いとしくあろうとした。
…それだけ?
はらり はらり落おちて行ゆこうわくら葉ばに、願ねがい事戯ごとたわむれて。
今いまは辿たどれない大空おおぞらに放はなつ鳥とりとなれ 憧あこがれ、朽くちてゆくなら。
末尾まつびまで切きり取とった場面ばめんには 「僕ぼく」に似にた面影おもかげと
喜劇きげきを許ゆるし寄より添そった影法師かげぼうしふたつ 見果みはてぬ、人ひとの夢たね。
世よの器うつわに 咲さかせて
君kimiにとってはくだらないnitottehakudaranai「仮説boku」をwo語kataりri草臥kutabiれるreru影kage
囃hayaすsu瞳hitomiにはniha映utsuらないranai すりsuri抜nuけたketa網状mojouのno鞘sayaでde
「見miえぬならenunara踏fuみつけてもmitsuketemo 誰dareのno心kokoroもmo痛itaまないmanai!」
抗aragaいもしないimoshinai人hitoをwo 捲makuしてshite笑waraったのはttanoha誰dare?
宵yoiにni惑madoうほどのuhodono童子warabeにもなれずnimonarezu、非情hijouにもnimo生iきれないkirenai。
今imaにni手折teoれるreru城郭joukakuもmo彼kareのno正義seigiならnara 絶taえずとezuto、貫tsuranuくだろうkudarou。
月tsukiをwo飾kazaりri知shiれたreta人hitoのno敗色haisyokuにni 懐natsuかしむkashimu面影omokageをwo
全subeてte奪ubaいi尽tsuくしたkushita頃koro 失naくしたkushita縁enishiをwo探sagaせどsedo、今imaさらでsarade。
いつのitsuno夜yoruからかくだらないkarakakudaranai「仮説boku」をwo語kataるru事kotoもmo無naくなりkunari
呼吸kokyuuさえもsaemo忘wasuれてrete 思omoいi上aがるgaru者monoにni刃haをwo向muけke
我先waresakiとto沈shizuみかけたmikaketa 脆moroきki小舟kobuneをwo降oりたがりritagari
誇hokoらかにrakani行yuくku往来ouraiでde 追想tsuisouにni憂ureうのはunoha何故naze?
誰taそso彼gareにni置oきki忘wasuれていたreteita種々syujuのno音neがga、空蝉utsusemiにni芽吹mebuくようにkuyouni。
過去kakoにni慰nagusaみをmiwo探sagaしてshite写utsuしshi絵eをwo抱daけばkeba 誰dareもがmoga、愚oroかになるkaninaru。
手teをwo繋tsunaぐgu迄madeでde途切togiれていたreteita記憶kiokuはha 疵付kizutsuかないkanai狡zuruさでsade
何naniひとつhitotsu戻modoらないならranainara 幾重ikueのno波折naoりよriyo残nokoらずもrazumo、攫saraってtte。
誰dareしもがshimoga本心kotobaもmo無naくku 面menをwo片手katateにni探saguりri合aいi
訝ibukaるもrumo待maちchi遠dooしとshito 愛itoしくあろうとしたshikuaroutoshita。
…それだけsoredake?
はらりharari はらりharari落oちてchite行yuこうわくらkouwakura葉baにni、願negaいi事戯gototawamuれてrete。
今imaはha辿tadoれないrenai大空oozoraにni放hanaつtsu鳥toriとなれtonare 憧akogaれre、朽kuちてゆくならchiteyukunara。
末尾matsubiまでmade切kiりri取toったtta場面bamenにはniha 「僕boku」にni似niたta面影omokageとto
喜劇kigekiをwo許yuruしshi寄yoりri添soったtta影法師kageboushiふたつfutatsu 見果mihaてぬtenu、人hitoのno夢tane。
世yoのno器utsuwaにni 咲saかせてkasete