すべてが映像に関わるタイアップ作品
大好評のベスト・アルバム『大銀幕』 が、初回盤特典にMusic Video 3曲を収録したDVDを付属して、再発売する。【歌詞コラム】中島みゆき『糸』。幸せではなく「仕合わせ」と歌詞に書かれている理由とは?
これまでに42作のオリジナル・アルバムをリリースしている中島みゆきだが、ベスト・アルバムは1996年に発売された『大吟醸』、1998年に発売された『大銀幕』、そして2016年に発売された『中島みゆき・21世紀ベストセレクション「前途」』の3作のみ。
今回再発売となる『大銀幕』には名曲『糸』のほか、『命の別名』『世情』など、テレビドラマの主題歌・挿入歌や、映画主題歌などが収録されているが、そのすべてが映像に関わるタイアップ作品になっている。
1曲目に収録されている『糸』は、2000年に入りBank Bandをはじめとする多くのアーティストによってカバーされたが、そのことで中島みゆきの存在を改めて知ったという人も多いだろう。そんな中島みゆき初心者にも、入門アルバムとしてオススメの1枚である。
『大銀幕』全曲試聴可能トレーラー
中島みゆきの代表曲2曲を含む、全10曲が収録された完全必聴盤ともいえる今作には、1998年TBS系ドラマ『聖者の行進』の主題歌としてシングル・カット、そしてその後2004年のBank Bandのカバーから話題となり、これまで数多くのアーティストによってカバーされ、誰もが知る中島みゆきの名曲となった『糸』。また1981年に放送されたTBS系ドラマ「3年B組金八先生」第2シリーズの名場面で、校内暴力をテーマにした回の挿入歌として流れ、お茶の間に衝撃を与えた『世情』に加え、90年代後半の人気ドラマ「はみだし刑事情熱系 PART1、2」の主題歌『たかが愛』『愛情物語』、
そして、巨匠山田洋次監督の映画「息子」のイメージソング『with』などが収録されているが、公開となった『大銀幕』トレーラー動画で全曲試聴が出来るので、ぜひ1度そちらもチェックしてみてほしい。
初回盤特典DVDには未発売のMusic Video 3曲を収録!
初回盤特典DVDには、アルバム・コンセプトに沿った形で3曲のMusic Videoが収録されている。犬堂一心監督作品、映画松本清張生誕100周年記念「ゼロの焦点」主題歌『愛だけを残せ』、木村拓哉主演TBS開局60周年記念ドラマ 日曜劇場「南極大陸」主題歌『荒野より』、武井咲主演の日本テレビ系ドラマ「東京全力少女」主題歌『恩知らず』の3曲を収録。
すべてのMusic Videoの監督を務めるのは、中島みゆきのライブ、「夜会」、そして「夜会工場」のすべての映像作品の監督も務めている翁長裕。
ドラマ仕立てあり、空撮バンド演奏シーンありと見所満載の内容となっているが、これらはすべて未発売の映像作品である。
90年代を懐かしみながら楽しみたい方はもちろん、『糸』をきっかけに中島みゆきの歌に興味をもった方々に、もう一歩踏み込んで中島みゆきワールドを堪能できるベスト盤『大銀幕』を、ぜひこの機会に味わってみてはいかがだろうか。
なお、先日放送されたNHK「SONGS」での話題が記憶に新しいが、ライフワークである『夜会』の5年ぶりとなる新作、『夜会VOL.20 「リトル・トーキョー」』がスタートするので、こちらも見逃せない。
大ヒットとなった名曲『糸』と『世情』
『糸』は、1992年10月に発売された20枚目のアルバム『EAST ASIA』の最後に収録された曲。1998年TBS系ドラマ『聖者の行進』の主題歌としてシングルカット。そして2004年のBank Bandのカバーから話題となり、これまでAimer、EXILE ATSUSHI、クリス・ハート、JUJU、福山雅治、平原綾香、他、数多くのアーティストによってカバーされ、誰もが知る中島みゆきの代表曲のひとつとなった。ロングヒットにより2017年には、JASRAC金賞を受賞。
『世情』は、時代と対峙する意思を歌った、中島みゆきのもうひとつの側面ともいえる、メッセージ性を色濃く出す楽曲。
1981年に放送されたTBS系ドラマ「3年B組金八先生」第2シリーズの名場面、校内暴力をテーマにした回の挿入歌として流れ、お茶の間に衝撃を与えたのは有名。揺れ動く日本の「現代(いま)」と自分自身を改めて考えさせられる1曲。
両曲とも昨年12月発売『中島みゆき ライブ リクエスト ‐歌旅・縁会・一会‐』にライブバージョンでも収録。ぜひ聴き比べてほしい。
●中島みゆき『大銀幕』トレーラー動画