秦 基博のライブの魅力とは
このたびオンエアされる「秦 基博 LIVE SPECIAL」は、秦 基博のライブの魅力を存分に体感できる好プログラムだ。大ヒットした「ひまわりの約束」、それに「鱗(うろこ)」、「アイ」など、よく知られている名曲たちは、どれも繊細なバラード系の歌である。
ライブで響きわたるその叙情的な歌声は、また格別の素晴らしさがある。
しかしライブでの秦の魅力はそれだけにとどまらない。
彼は現在の音楽シーンにおいて、とくに高いレベルでライブ・パフォーマンスを行うことができる優れたアーティストなのである。
「まずは、自分の中で、いいライブへの道筋が見えることが大事というか、そこから始めます。」
言葉を探しながら、誠実に語る秦。
ステージでも、こうした平常時でも、彼は感情の起伏をあまり見せない。
言い換えれば、その喜怒哀楽の大部分は音楽そのものに注ぎ込まれている。
秦の歌には、それだけエモーションの振り幅が込められているのだ。
「ライブの中では、いろんな振り幅を持ちたいと思っています。
みんなで盛り上がる、みんなと一緒にアガっていく場面もあれば、ほとんど音がなくなった弾き語りでお客さんも固唾を飲む、みたいな空間がある。
ライブという表現の中で、その両方ともすごい瞬間だと思うんです。
それを作りたいですね。」
今回オンエアされる中で、その「振り幅」が最もはっきりと表れているのは「秦 基博10th Anniversary LIVE AT 横浜スタジアム」だろう。
デビュー10周年を記念して行われたこのライブは、バンドやストリングスを従えて盛り上がる第1部と、
広大な舞台にひとりで立って弾き語る第2部とで構成されている。
野球場ならではの演出、プロジェクションマッピングなどの映像・照明の効果も秀逸だ。
また、2013年に行われた「秦 基博スペシャルライブ in パシフィコ横浜 ~Visionarylive -historia-~」は、映像作家の島田大介とともに作り上げた特別な公演。
ストーリー仕立ての映像演出、役者やダンサーも登場するステージは、秦のライブ歴においてもとりわけ印象深いものとなった。
さらに「秦 基博 GREEN MIND 2010 ~at 河口湖ステラシアター~」は、アコースティックライブのシリーズ「GREEN MIND」の3年目に敢行した野外公演。
富士山を背後にしたロケーションは最高で、そこでバンド、そして弾き語りと展開されるライブはじつに開放的。
オーディエンスの笑顔もたくさん見えるし、何より秦本人も楽しそうだ。
「ライブはやっぱりお客さんあってのもので、そこでお互いがどうキャッチボールをして作っていくかだと思うんですよ。
セットリストにしても、もちろん自分が表現したいことは大切にしながらも、お客さんが聴きたい曲もあると思うんですよね。
ツアーだと、何年に1回しか行けないような場所もありますからね。
そのバランスは考えたりはしますね。」
そう言って朗らかに笑う秦は現在、弾き語りアルバム『evergreen2』の制作と、新曲作りに没頭中。
10月からは最新アルバム『コペルニクス』に伴うツアーが、延期を経て、ようやく始まる予定だ。
それまでの間、今回の「秦 基博 LIVE SPECIAL」をきっかけに、ライブ・アーティストとしての彼の姿をあらためて認識してほしい。
WOWOW番組情報
秦 基博 LIVE SPECIAL 放送ラインナップ秦 基博 10th Anniversary LIVE AT 横浜スタジアム
7月30日(木)夜7:00 [WOWOWライブ]
秦 基博スペシャルライブ in パシフィコ横浜 ~Visionary live -historia-~
7月30日(木)夜9:30 [WOWOWライブ]
秦 基博 GREEN MIND 2010 ~at 河口湖ステラシアター~
7月30日(木)深夜0:00 [WOWOWライブ]
▷番組公式サイト