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BUCK-TICK、2021年初・自身2度目の無観客配信ライヴ 「魅世物小屋が暮れてから〜SHOW AFTER DARK〜」をリポート!


一夜限りのスペシャルライヴ 「魅世物小屋が暮れてから〜SHOW AFTER DARK〜」リポート!

2021年7月17日21:00から配信されたBUCK-TICKの無観客配信ライヴ「魅世物小屋が暮れてから~SHOW AFTER DARK~」をリポートする。



BUCK-TICKにとって2021年初ライヴであり、2度目の配信ライヴである。
昨年9月21日に行なった初の無観客生配信ライヴ「ABRACADABRA LIVE ON THE NET」は、アルバム『ABRACADABRA』の発売日にアルバムの曲順通りに演奏するという記念ライヴだったが、今回の「魅世物小屋が暮れてから〜SHOW AFTER DARK〜」は作品を伴わない一夜限りのスペシャルライヴ。

数多ある楽曲の中からこの日のためにセレクトされたスペシャルメニューを、2部構成で魅せた。
大胆なアレンジによりガラリと印象を変えたナンバーもあり、いつものBUCK-TICKとは少し手触りの違う特別なライヴ・セッションとなった。



なお、本公演のアーカイヴ配信は2021年7月23日(金・祝) 23:59まで。新たなステージへ向かっているBUCK-TICKの最高なライヴをお見逃しなく! 詳しくは、特設サイトを要チェック!

本公演の配信に先立ち、ニューシングル「Go-Go B-T TRAIN」を9月22日(水)にリリース、そして10月より開催される念願の全国ツアー「TOUR2021 Go-Go B-T TRAIN」も発表となった。

8月18日(水)には、2020年に行われたフィルムコンサートと配信ライヴの模様を2 in 1にした映像作品『TOUR2020 ABRACADABRA ON SCREEN / ABRACADABRA LIVE ON THE NET』のリリースも決定している。

加速度を増すBUCK-TICKの活動から目を離すな!

ライヴレポート

BUCK-TICKが7月17日21時、Streaming Live「魅世物小屋が暮れてから〜SHOW AFTER DARK〜」を配信した。

本公演はBUCK-TICKにとって2021年初のライヴであり、無観客状態での2度目の配信ライヴ。昨年9月に行なった「ABRACADABRA LIVE ON THE NET」は、アルバム『ABRACADABRA』の発売日に曲順通りに演奏し、バンドの熱量をストレートに届ける生配信ライヴだったが、今回はタイトルが表わす通り、観客を甘美な毒で淫美な世界へと誘うコンセプチュアルなステージを展開した。

21時といえば、本来ならば一公演終えた頃だろう。
20時以降は“闇営業”などと揶揄されるこのご時世に、ひっそりと明かりを灯す小屋がある。

BUCK-TICK Streaming Live「魅世物小屋が暮れてから〜SHOW AFTER DARK〜」の始まりだ。

背徳感を弄ぶようなイントロダクションに誘われて、幕の奥深くへと突き進んだ先に現れたのは電飾で飾られた円形のステージ。

“魅世物小屋”一座よろしく強烈な個性を放つ衣装に身を包んだメンバーが、まだこちらの心が整わないうちに、音を鳴らし始めるのだ。

それは、よく知っているはずのメロディなのにまったく違うグルーヴで、その新しい感触に、異世界へと足を踏み入れてしまったことを自覚する。

今回の公演は、一部はアコースティックセット、二部はバンドセットの二部構成。一部のアコースティックセットでは、既存のアコースティックナンバーだけでなく、本公演のために新たにアコースティックバージョンにアレンジしたナンバーも加えた。

中でも、ガレージロックからシャッフルへと変貌した「唄」や、清涼感のあるミディアムナンバーに変わった「JUST ONE MORE KISS」は必聴もの。

シンプルなアンサンブルゆえに、より一層歌が際立ち、それぞれの楽曲がもつ“匂い”が画面を通して伝わってくる。

さらに、ステージ横に作られた場末のキャバレーのボックス席、ステージを囲う炎、照明やカメラワークなど、大舞台の大掛かりな演出とはまた違う、細やかな演出が楽曲のストーリー性を鮮やかに映し出していた。

二部のバンドセットは従来通りのライヴセットだが、こちらでもニューアレンジされたナンバーが盛り込まれているので油断ならない。

そもそもこの公演のメニューは、“魅世物小屋”のような佇まいをもつ今回の会場の雰囲気に合わせてセレクトしたそうで、特に二部の方のメニューは倒錯と夢幻の世界が色濃い。

疲弊するような情報ばかりが飛び交う毎日の中で、この瞬間だけはそんな現実を忘れさせてくれる。

目の覚めるような、もしくは、心安らぐような夢を見させてくれる。
それこそがエンターテインメントの真価であると思う。

観客が夢から醒めてしまわないように、一度も言葉を発することなく、魅せる歌と演奏でコンセプトを貫いたところも印象的だった。

しかしながら、そんな中でも彼らが伝えたいメッセージは、本編の中でしっかりと伝えられていたのだ。

一部二部を通して櫻井敦司(vo)が何度か送っていたのが、人差し指と中指をクロスする“Good Luck”のハンドサイン。
これからアーカイブをお楽しみになる方々には、ぜひこのポイントにも着目していただきたい。

幕が閉じても何度も覗きに行きたくなるようなショータイム。
この配信ライヴのアーカイブは7月23日(金)23時59分まで。
きっと新しいBUCK-TICKに出会えるだろう。

昨日、配信終了後、BUCK-TICKは9月22日(水)にニューシングル「Go-Go B-T TRAIN」のリリースと、10月3日(月)よりスタートする全国ツアーの日程を発表した。

これまでのBUCK-TICKのイメージを打ち壊すかのような破壊力のあるシングルタイトルに、“魅世物小屋”の余韻に浸っていた観客たちもざわついているのではないだろうか。

来年の2022年にはメジャーデビュー35周年を迎えるBUCK-TICKが、未だ攻め続けていることに感服する。

どんな新しいBUCK-TICKの世界を見せてくれるのか、今から期待に胸が膨らむ。

Text:大窪由香

撮影クレジット:田中聖太郎・渡邊玲奈(田中聖太郎写真事務所)

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