ハンバートハンバート「笑ったり転んだり」は朝ドラ「ばけばけ」主題歌
ハンバートハンバートの『笑ったり転んだり』は、2025年10月1日に配信限定でリリースされた楽曲です。NHK連続テレビ小説、通称・朝ドラ『ばけばけ』の主題歌としてヒットしました。
ドラマのために書き下ろされた楽曲は、主人公トキとヘブンの紡ぎ出す世界観をそのまま閉じこめたような優しい仕上がり。
日々の苦悩や希望を描いた歌詞が、聴く人の心にそっと寄り添ってくれるように感じられます。
『笑ったり転んだり』で、ハンバートハンバートを知った人も多いのではないでしょうか。
ハンバートハンバートは、1998年結成、2001年インディーズデビュー、2003年にメジャーデビューしたキャリアの長い男女デュオです。
当初はバンド編成でスタートしたものの、メンバーの脱退を経て現在の2人体制となりました。
メンバーの佐藤良成と佐野遊穂は後に結婚し、現在は3人の男の子を育てる夫婦でもあります。
一方、朝ドラ『ばけばけ』もまた、夫婦の物語。
実生活でも夫婦であるハンバート ハンバートだからこそ醸し出せる温かく優しい雰囲気が、ドラマの世界観と見事に調和しています。
ここからは、『笑ったり転んだり』の歌詞の意味を詳しく考察していきます。
人生は笑ったり転んだりの繰り返し
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毎日難儀なことばかり
泣き疲れ眠るだけ
そんなじゃダメだと怒ったり
これでもいいかと思ったり
風が吹けば消えそうで
おちおち夢も見られない
≪笑ったり転んだり 歌詞より抜粋≫
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タイトルが示す通り、この楽曲のテーマは「笑う日もあれば、転ぶ(つまづく)日もある」ということ。
日々繰り返される喜びや悲しみ、あるいはちょっとした失敗といった人生の営みが丁寧に描かれています。
毎日を懸命に生きる中での葛藤や苦悩は、『ばけばけ』の舞台である明治時代も、私たちが生きる現代もきっと変わりません。
だからこそ試行錯誤しながら泥臭く生きるその姿に、うまくいかない日と「まあ、いいか」と思える日を繰り返す私たちの日常が重なり、心動かされるのではないでしょうか。
そして楽曲は、自分の存在や夢のちっぽけさに揺れ、時代の風に吹き飛ばされそうになる不安や心細さを繊細に表現します。

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何があるのかどこに行くのか
わからぬまま家を出て
帰る場所などとうに忘れた
君とふたり歩くだけ
≪笑ったり転んだり 歌詞より抜粋≫
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続いて『ばけばけ』の主人公・トキとヘブンの関係を彷彿とさせる、2人の深い絆が描かれています。
この先にいったい何が待っているのか、どこへ向かえばよいのかもわからない。それでも、2人は互いに寄り添いながら歩き出します。
「帰る場所などとうに忘れた」という言葉からは、2人がこれまで歩んできた道のりや、その中で抱えてきた苦悩が感じられ、『ばけばけ』を知らない人にも響くフレーズとなっているのではないでしょうか。
自分が生きる意味や目的を考えるとき、誰もが自分を見失いそうになり、不安を覚えることがあるはずです。
そんな先の見えない人生という旅について、改めて考えさせられる歌詞でもあります。
どこへ進めばよいのかわからないときでも、隣に寄り添ってくれる誰かがいるだけで、少し強くなれる。
そんな人と人とのつながりの尊さが伝わってきます。
朝ドラ「ばけばけ」とリンクする夫婦の物語

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日に日に世界が悪くなる
気のせいかそうじゃない
そんなじゃダメだと焦ったり
生活しなきゃと坐ったり
夕日がとても綺麗だね
野垂れ死ぬかもしれないね
≪笑ったり転んだり 歌詞より抜粋≫
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明治時代の日本の混乱や、戦争の予感などからくる日々への不安をにおわせるような歌詞が『ばけばけ』の世界とリンクします。
日に日に世界が悪くなっていくことを、気のせいにしたり、いや、気のせいじゃないと思ったり。
不安が押し寄せてくると、答えをどうにか探そうと心が揺らいでしまう。
現代社会にも世界情勢や物価高、環境問題など、先の見えない不安は数多くあります。
だからこそ様々な不安の中で揺れ動く心を描いたこの歌詞は、今を生きる私たちにも深く響くのではないでしょうか。
その一方で、どれほど不安を抱えていても、目の前に広がる夕日の美しさに心を動かされる自分がいます。
しかし、美しい光景に見入った次の瞬間には、その先に待つ死へと思いが及び、「この先、自分はどうなってしまうのだろう」という不安や恐怖が押し寄せます。
夕日の美しさに感動する心と、いつか訪れる死を恐れる心。
相反するような二つの感情を描くことで、人や生き物が常に死と隣り合わせにあることを、改めて考えさせられます。
また、やがて沈んでいく夕日を描くことによって、限りある生の美しさと、その先にある死を対比させているのかもしれません。

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黄昏の街西向きの部屋
壊さぬよう戸を閉めて
落ち込まないで諦めないで
君のとなり歩くから
今夜も散歩しましょうか
≪笑ったり転んだり 歌詞より抜粋≫
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それでも2人は生きていきます。
夕暮れが街を黄昏色に包み、西陽が優しく家を照らす。
2人は夜の散歩へと出かけるようです。
「壊さぬよう戸を閉めて」という歌詞には、実際に家の扉を閉めるだけでなく、不安に満ちた世の中から一時的に距離を置くという意味も込められているのかもしれません。
そう考えると、2番に登場する「日に日に世界が悪くなる」という歌詞ともつながります。
混沌とした世界の中で、日々さまざまな不安を抱えているからこそ、今だけはそれらを忘れ、2人きりの穏やかな時間を大切にしたい。
そんな切実で温かな思いが、この歌詞からあふれているように感じられます。
さらに、夕暮れや黄昏、夕日は1日の終わりを表すことから、人生の晩年や終焉を象徴しているとも考えられます。人生の終わりに差しかかった2人が、互いをいたわりながら静かに寄り添う、仲睦まじい姿が目に浮かぶようです。
どれほど困難なことや、つらく悲しい出来事が待ち受けていても、「私があなたのそばにいるから大丈夫」と優しく語りかけているのでしょう。
大切な人が隣にいてくれるだけで、不安に揺れる心はどれほど救われるのか。
そんな寄り添うことの尊さと、温かく心強いメッセージが伝わってきます。
「笑ったり転んだり」聴く人みんなへの応援歌

『笑ったり転んだり』は、トキ、ヘブン夫婦の物語を描いた、朝ドラ『ばけばけ』の主題歌です。
歌詞は、ドラマとリンクするような夫婦愛が感じられます。
歌詞を紐解くと、挫折や困難を経験し、それでも希望を失わず、2人が共に歩いてきた様子を感じることができます。
自分たちの問題だけでなく、個人がどうすることもできない、世の中の変化。
そんな中でも、日々の生活に立ち向かっていく様子は、現代社会に生きる私たちとも重ね合わせることができるのではないでしょうか。
「落ち込まないで諦めないで 君のとなり歩くから 今夜も散歩しましょうか」という歌詞は、聴く人誰をも包み込んでくれるメッセージです。
夫婦の物語としてだけでなく、日々を頑張って生きている人たちすべてへの応援歌とも言えそうです。
歌詞に登場する「君」は、夫や妻だけでなく、恋人、家族、友だち、自分自身など、多岐に渡って置き換えることができます。
そして、ハンバートハンバートが、聴き手の「私」に語りかけてくれているようにも感じるのです。
『笑ったり転んだり』は、普遍的なメッセージが心に響く楽曲。
ちょっと疲れたら、夕日を見ながら散歩してみませんか?
ハンバートハンバート「笑ったり転んだり」明日への希望をくれる曲

ハンバートハンバートの『笑ったり転んだり』は、人生の困難を描きながら、希望を忘れずに生きる夫婦の物語です。
これは、朝ドラ『ばけばけ』の主題歌として、ドラマの世界とリンクしています。
しかし、それだけではなく、現代を生きるすべての人への応援歌としても、心に響く楽曲です。
人生は、いいことも悪いことも繰り返していくもの。
「落ち込まないで諦めないで」という優しいメッセージが、聴く人の心を包み込んでくれます。
ゆったり散歩する・・・そんなゆとりを持ちたいものですね。
1998年結成、佐藤良成と佐野遊穂によるデュオ。2人ともがメインボーカルを担当し、フォーク、カントリーな どをルーツにした楽曲と、別れやコンプレックスをテーマにした独自の詞の世界は幅広い年齢層から支持を集める。 芥川賞を受賞したお笑い芸人・又吉直樹氏がファンであることを公言するな···
