世界的に活躍!スカパラ!!
東京スカパラダイスオーケストラ、通称スカパラ。ベテランのスカバンドとして有名。1990年にデビューし、2015年には25周年をむかえました。国内だけではなく海外公演も多く重ね、世界的に評価されているバンドです。男らしさが堪らない一曲『めくれたオレンジ』
そんなスカパラの男らしいボーカル曲『めくれたオレンジ』。2001年発売のシングルであり、この『めくれたオレンジ』はゲストボーカリストをむかえるシリーズの第1弾作品。今作では、ORIGINAL LOVEの田島貴男をむかえました。
田島貴男は昨今ではなかなか見ない、男らしい魅力をそなえたボーカリストであるため、スカパラとの相性もバッチリなんです。
誰もが惚れる大人のオトコの色気
大人の男の色気を放つこの曲。歌詞は意味深で様々な解釈が可能です。例えば、親しかった友人との別れを描いた歌、という解釈も可能。
「揺さぶる“声”」「必ず聞く」「弾き出す」といったフレーズが音楽に関係しているように見えます。
スカパラは長年活動しているグループ。仲間の脱退を何度も経験しているグループでもあります。そんな背景を、踏まえるとこの曲『めくれたオレンジ』は、親しかった仲間が去って行っても、寂しい気持ちをおさえて、なお前を向いて進む…という曲のようにも捉えられます。
さらには男女の別れを描いている…ようにも見えるんです。
2015年にスカパラは、クリープハイプの尾崎世界観をゲストボーカルにむかえた『爆音ラブソング』をリリースしています。このシングルには『めくったオレンジ』という『めくれたオレンジ』のアンサーソングも収録されているんです。
今回は先にこの『めくったオレンジ』の歌詞を見てみましょう。
アンサーソング『めくったオレンジ』
この『めくったオレンジ』は女性目線で、男性への別れを告げる歌詞。「長い間」連れ添った関係が終わることを表現しています。
「めくったオレンジ」という歌詞も明確に登場。ここでは古いアルバムをめくる行為が描かれます。オレンジは「瑞々しい記憶」の象徴。
かつての瑞々しい思い出を振り返る行為を、「めくったオレンジ」として表現しています。
このアンサーソングから、もとの『めくれたオレンジ』が男性目線で女性への別れを描いた歌詞だと分かります。
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呼び出された日 落ち着かないと
肩を震わせじっとしてた
次に逢う時 必ず聞くよ
帰る時だけ 笑顔だった
流れる光見てた 打ち明けられた夜
言葉が通りすぎていく
瞬きも出来ない
≪めくれたオレンジ 歌詞より抜粋≫
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たとえば、このフレーズは「呼び出された」「打ち明けられた」のフレーズから呼び出されて、別れ話を打ち明けられたような情景を連想できます。
「帰る時だけ 笑顔だった」のフレーズも、帰る瞬間までは笑顔ではない=うまくいっていない関係であると考えることができます。
「言葉が通りすぎていく」「瞬きも出来ない」もショックを受けている様子が伝わるフレーズ。別れた寂しさを埋める為に、仲間と夜を明かす。そんな情景が連想できる歌詞。
----------------このフレーズに「めくれて」という単語が登場。「めくれて見えた優しさ」というフレーズから、相手の本当の顔がめくれて見えて、その優しさを知ったと解釈できます。
めくれて見えた優しさと目を伏せた弱さのため
遊び切れずに傷ついて笑い出す朝のために
≪めくれたオレンジ 歌詞より抜粋≫
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「めくれたオレンジ」とは、隠していた本音が見える様子の象徴。断片的なフレーズが物語を想像させますよね。
----------------終盤の英語のフレーズで「オレンジ」が登場。孤独から抜け出してオレンジの皮を投げつけろ、というような意味合い。
Break out your loneliness
and throw your orange peel
≪めくれたオレンジ 歌詞より抜粋≫
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孤独を超えて、一皮むけて成長し、そして前に進め、という曲。
スカパラと田島貴男が描く素敵な世界
友であれ恋人であれ、人生とは別れの連続。その別れの寂しさを乗り越える曲です。別れや涙といった言葉を使わずに、それをさりげなく表現する手腕。スカパラと田島貴男だからこそ生まれた世界なんですね。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)
ジャマイカ生まれのスカという音楽を、自ら演奏する楽曲は"トーキョースカ"と称して独自のジャンルを築き上げ、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、南米と世界を股にかけ活躍する大所帯スカバンド。 アメリカ最大のフェスティバル”Coachella Music Festival”では日本人バンド初となるメインステージ···