朝ドラ『ブラッサム』主題歌はYOASOBIが担当!
2026年度後期の連続テレビ小説『ブラッサム』の主題歌を、YOASOBIが担当します。タイトルは「咲き誇れ」。
9月28日の初回放送で初オンエアされました。
"小説を音楽にするユニット"として活動するYOASOBIらしく、今回も楽曲には原作小説があります。
手がけたのは、『蹴りたい背中』『私をくいとめて』などで知られる小説家・綿矢りさ。
ドラマの主人公のモデルである宇野千代を敬愛する綿矢が、宇野の尽きない生命力を桜の木に重ね合わせて書き下ろしたのが、原作小説『桜(はな)の命は不滅なり』です。
コンポーザーのAyaseは制作にあたって宇野千代の自伝『生きて行く私』を読み、宇野の出身地・山口県岩国市も訪れたといいます。
ボーカルのikuraは、主人公・葉野珠の姿に思いを重ねながら歌唱したとコメントしています。
参考:https://www.yoasobi-music.jp/news/587191
朝ドラ『ブラッサム』は作家・宇野千代をモデルに描く、葉野珠の一代記
『ブラッサム』は、激動の明治・大正・昭和を生き抜いた作家・宇野千代をモデルにした物語です。山口県岩国市に生まれた主人公・葉野珠(はの・たま)が、幾多の困難に向き合いながら、作家として、ひとりの女性として才能を開花させていきます。
苦しい状況にあっても「幸せのかけら」を見つけ、前を向いて歩み続けた珠。
その生き方を通して、多くの人の背中を押していく生涯が描かれます。
主人公・珠を演じるのは石橋静河。
晩年の珠は加賀まりこが演じます。
タイトルの「ブラッサム」は、英語で「花が咲く」「開花」を意味する言葉。
主題歌「咲き誇れ」は、まさにこのタイトルと呼応する一曲です。
YOASOBIが手がける主題歌「咲き誇れ」の歌詞の一部が明らかに
YOASOBIが手がける主題歌「咲き誇れ」の歌詞の一部が、9月28日放送の『ブラッサム』で明らかになりました。ここからは歌詞の意味を考察していきます。
<<歌詞>>
夢中で生きるそこに
たちまち花が咲く
楽曲は、夢中で生きていればそこにすぐ花が咲く、という宣言から始まります。
ここで大事なのは順番です。
花を咲かせるために頑張るのではありません。
まず全力で生きる。
花はその結果として、あとからついてくる、そう歌っています。
主人公・珠のモデルである宇野千代は、小説家のほかに着物デザイナーや雑誌編集者としても活躍しました。
計画を立てて花を咲かせたというより、目の前のことに夢中になっているうちに、いくつもの花が咲いていた人生です。
冒頭のわずか2行は、そんな生き方をまっすぐに言い表しているように読めます。
<<歌詞>>
幾重に重ねた願いもいじらしい恋も
行く末は誰も知らないでしょ
ただ歩いてくの
その先にどんな明日が待ち受けていようとも
あそこにあるんだ
あそこに私の答えがあるんだ
あそこが未来だ
きっとそこが私の未来なんだ
おかしなことなんて1つもないわ
枯れかけた木にも花が咲く
このパートは、積み重ねてきた願いも恋も、どこへ行き着くかは誰にもわからない、という言葉から始まります。
それでも主人公は、どんな明日が待っていても、ただ歩いていくと決めています。
印象的なのは、「あそこ」という言葉の繰り返しです。
遠くを指さすように、答えはあそこにある、あそこが未来だ、と何度も自分に言い聞かせています。
先が見えないからこそ、行き先を自分で決めて、声に出す。
不安を打ち消すのではなく、不安を抱えたまま前を向く。
そんな強さが感じられるパートです。
さらに、枯れかけた木にも花は咲くのだから、というフレーズが続きます。
この「木」のイメージは、原作小説『桜の命は不滅なり』と深く結びついています。
綿矢りさは、宇野千代の生命力を桜の木になぞらえて小説を書きました。
楽曲でも木は人生そのものの比喩として登場しているのでしょう。
<<歌詞>>
私よ咲き誇れもっと
春風が吹く日を待つよりずっと先をゆくんだ
つまはじかれるような別れもいつか
心はずむ出会いにつながって
だからね寂しくないわ
そうやって生きてゆくんだ
涙の中にさえ見つけてるんだ幸せをきっと
何一つ見逃さないでいたいの
ずっと
そうずっと
今を生きている
サビでは、タイトルどおり「咲き誇れ」と自分自身に呼びかけます。
注目したいのは、春風が吹く日を待つよりもずっと先へ行く、という表現です。
花はふつう、春が来るのを待ってから咲きます。
けれどこの歌の主人公は、季節が巡ってくるのを待ちません。
自分から咲きに行きます。
女性が自由に生きることが難しかった時代に、自分の意思で作家の道へ飛び込んでいった珠の姿とも重なります。
続いて歌われるのは、はじき出されるような別れも、いつかは心がはずむ出会いにつながっていく、ということです。
漢字では「爪弾く」と「弾む」と書き表すことができますよね。
同じ「弾」の字を、正反対の場面で使っている言葉選びにも注目です。
さらに、涙の中にさえ幸せを見つけている、と続きます。
困難や悲しみがあっても、幸せは見つけられる。
それがこの楽曲の核にある思いなのでしょう。
最後は、何ひとつ見逃したくない、ずっと今を生きている、という言葉で締めくくられます。
過去を悔やむことも、未来を不安がることもせず、「今」をまるごと味わい尽くす。
約100年を生き抜いた宇野千代の人生観が、そのまま歌になったような結びです。
YOASOBI「咲き誇れ」が、毎朝の背中を押してくれる
YOASOBI「咲き誇れ」は、夢中で生きれば花が咲き、枯れかけた木にもまた花が咲くと歌う、力強い人生賛歌です。毎朝この曲を聴くたびに、珠と一緒に、私たちの背中もそっと押されていくはず。
フルサイズでどんな言葉が紡がれるのか、リリースが待ち遠しいですね。
原作小説もあわせて、ぜひ楽しんでください。
