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【歌詞コラム】井上苑子の『線香花火』は、なぜ何度も「長い」を繰り返すのか

井上苑子はシンガーソングライター。『線香花火』は代表曲のひとつで、井上苑子が現役女子高生だった2014年に出している曲です。作詞作曲は、柳沢亮太。

公開日:2016年6月28日 更新日:2017年5月30日


この記事の目次
  1. ・井上苑子 最新情報
  2. ・リリース情報
  3. ・ライブ情報
  4. ・井上苑子 Profile


井上苑子はシンガーソングライター。『線香花火』は代表曲のひとつで、井上苑子が現役女子高生だった2014年に出している曲です。作詞作曲は、柳沢亮太。



“昨日の土砂降りが濡らした アスファルトが放つ匂いを
大きく吸い込んだ途端に 寂しくなったの
真夏の夜空に打ち上がる 花火をみんなで見に行こうって
君に会うための約束は 雨に流されたの”


最初の歌いだしの歌詞で、花火大会が雨で中止になったことが分かります。「昨日の土砂降りが濡らした アスファルトが放つ匂いを 大きく吸い込んだ途端に 寂しくなったの」この歌詞の視点の動き。まず土砂降りの雨という天気を聴く者にイメージさせ、次にその雨が濡らしたアスファルトの地面という場所を想像させます。そして、そのアスファルトの匂いを吸い込んだ歌詞の主人公に視点があたる。天気→場所→人物と、大きいものから小さいものへ視点が動いていくことで、歌詞で描かれている情景が想像しやすくなるんですね。

「真夏の夜空に打ちあがる 花火をみんなで見に行こうって」というフレーズ。ここで、さっそく「花火」という単語が登場。しかし、ここで歌われる花火は、タイトルの「線香花火」ではありません。打ち上げ花火です。打ち上げ花火をみんなで見に行く、というシチュエーションが、この後の伏線になっています。

「君に会うための約束は 雨に流されたの」という歌詞も良いですね。約束が流れる、雨で地面が流れる、そして心の中で涙が流れる、という心境までもがこのフレーズで分かります。

“長い 長い 長い 君に会えない日々が長いの
何が無くても「おはよう」「また明日」って言えた日常が愛しい”


「長い 長い 長い」と歌う、この曲の印象的なサビのフレーズ。この「長い 長い 長い」という繰り返しで、歌詞の主人公のはやる気持ちが分かります。夏休みに入ってしまった為、「君」と会えなくなっている。そんな期間が長く感じる。『線香花火』というタイトルの曲のサビで繰り返されるフレーズがなぜ「長い」なのか。それも後半で分かります。

“近い 近い 近い はずだったのに 遠く 遠く 遠くのほうで
日に焼けた顔で笑う君の 横顔見ちゃって また寂しくなって”


2番の歌詞では「長い」に続いて今度は、「近い 近い 近い はずだったのに」「遠く 遠く 遠くのほうで」の対比が登場。この曲は多くの対比構造で作られている曲。打ち上げ花火と線香花火、近い日常と遠い夏休み、「土砂降りで濡れた心の自分」と「日に焼けた顔で笑う君」。この対比構造が最も分かりやすく表現されるのが、このあたりのフレーズですね。「君」は、グラウンドで声を出しているので、おそらく運動部なのでしょう。歌詞の主人公は、フェンス越しに眺めることしかできない。その憤りが伝わってきます。井上苑子の歌声で、歌詞が聴きとりやすいのもいいですね。

“長い 長い 長い 言葉じゃなくてきっとシンプルに
多分2文字やそれくらいでも 言えることがあるの”


「長い 言葉」に対して「多分2文字やそれぐらいでも 言えること」という表現。2文字なら「好き」なんだろうな、と曲を聴くほうは想像できます。しかし、そこをあえて「好き」と歌詞にしない。あえて「多分2文字やそれぐらいでも 言えること」という長いフレーズで表現する。長い!と聴くほうも感じるわけです。長い!もっとシンプルに言えよ、と感じるわけです。リスナーと歌詞の主人公の気持ちがシンクロしました。

“長い 長い 長い 夏の終わりがやってくる前に
君とあたしの 二人だけで 例えば線香花火とかしたいなあ”


ラストでやっとタイトルの「線香花火」が登場しました。冒頭の打ち上げ花火の伏線の回収。みんなで見に行く打ち上げ花火に対して、「君とあたし二人だけ」の線香花火。線香花火は、君との親密さの象徴であり、「多分2文字やそれぐらいでも 言える」気持ちの象徴。

線香花火は、あっという間に消える短く小さい花火。でもそんな短い、ささやかな幸せである線香花火を実現させたい。だから、それが実現しないうちは「長い 長い 長い」!この曲が何度も「長い」を繰り返すのは、対比される「短い」線香花火がそれほど大切だからなんですね。

曲の中では、君との線香花火は実現していません。しかし、疾走感と明るさを保ったまま、もしかしたらこの先の未来で線香花火が実現するんじゃないか?と想像させて、この曲は終わります。井上苑子自身の勢い、歌声の明るさが曲を魅力的にしているんですね。



TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)

井上苑子(いのうえ そのこ)は、1997年12月11日生まれ、兵庫県神戸市出身 のシンガーソングライター。母親の影響から小学校6年時より作詞作曲に加え、路上ライブを始める。インディーズ活動を経て、2015年7月1日、EMI RECORDよりミニアルバム『#17』をリリースしメジャーデビュー。11月4日には、メ···

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井上苑子 最新情報

リリース情報

●2019年5月29日(水) Release
3rdフルアルバム『白と色イロ』


★初回限定盤
価格:3,900円(税込)
品番:UPCH-29326
内容:CD+DVD

★通常盤
価格:3,000円(税込)
品番:UPCH-20512
内容:CD

※初回限定盤は、『ファンタジック』『コトノハノオモイ』メイキング映像、「Inoue Sonoko Winter Tour ~ファンタジック~」ドキュメント(2018.12.11&2019.3.6)収録 井上苑子 手描き全曲コード譜付きブックレット

◎初回生産分
※プレイバス(R)対応 
※抽選で井上苑子とLINEビデオ通話できる応募チラシ封入

【収録内容】※初回限定盤・通常盤同内容
01. はじまり
02. コトノハノオモイ
03. 踏み出す一歩が僕になる
04. My Friend
05. くれたもの
06. 何でもない

07. 点描の唄(井上苑子ソロver.)
08. はなたば
09. キミマミレ
10. ファンタジック
11. リメンバー
12. わっしょしょいしょい

ライブ情報

●いのうえ夏祭り2019
7月24日(水) 梅田・CLUB QUATTRO
7月26日(金) 名古屋・ReNY limited
8月10日(土9 新木場・Studio Coast
▷詳細はコチラ

井上苑子 Profile

神戸出身の21歳シンガーソングライター。小6より作詞作曲と路上ライブを始め、高校入学と共に 上京。

動画配信サービスのツイキャスで人気を集め、視聴者数が200万人を突破しメジャーデビュ ー。

1stシングル「だいすき。」はYouTubeで2,000万再生を超え、女子中高生を中心にスマッシュ ヒット。

これまでのミュージックビデオの総再生回数6,500万回を突破。LINE MUSICなどの定額 制音楽聞き放題サービスでは毎回の1位を獲得するなど、SNS新世代のアーティストならではのヒ ットを生み出している。

5月29日はフルアルバム「白と色イロ」をリリース。また、歌手としてだけでなく 、映画・ドラマ・CMなどへもマルチに出演する次世代のシンガーソングライター。


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