耳で感じる、HiGH & LOWの重厚な世界観。「HiGH & LOW ORIGINAL BEST ALBUM」レビュー

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2015年より2期に渡って放送された連続ドラマ、まもなく公開される映画、そしてそれらに付随したライブ公演、漫画など、次元と常識を超えて展開されるEXILE TRIBEの総合エンターテイメントプロジェクト「HiGH & LOW」。

7月16日(土)の映画「HiGH & LOW THE MOVIE」公開に先駆け、ドラマや映画で使用されているEXILE TRIBEアーティストの楽曲が収録されたアルバム「HiGH & LOW ORIGINAL BEST ALBUM」が先日発売になった。全体を通してHiGH & LOWの世界観を存分に耳で楽しめる仕上がりとなっているが、ここではそのうち3曲を見ていきたい。


DISC1 M1: MUGEN ROAD / 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE


重厚かつ疾走感あるロックサウンドを主体としたこの曲から、このアルバムは幕を開ける。大きくリズムを取ったドラムからギター、ベースが次いで重なっていくショートなイントロ。それらが生み出す重いサウンドについにボーカルが乗り、いよいよこの物語が始まったのだと感じさせられる。

楽曲や歌詞の密度と、歌い手の歌唱力が強く絡まり、迫力ある楽曲に仕上がっている。

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(Hey) フルスロットル 鳴響(ひび)く轟音
ど派手に上げろ狼煙
(Yeah) 限りなく続く
一本道(みち)を進む無限の旅路
一瞬の命燃やせ Burn up
その未来(さき) 憂うな Burn out
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全体を通し、攻撃的に畳みかけるごとく歌われるが、その歌い方や歌詞には時折、ある種の儚さも漂う。迫力あるアクションシーンの裏に、絆や友情、青春の物語を描く映画の世界観が、見事に表現されているチューンだ。



DISC1 M6: STRAWBERRY サディスティック / E-girls


タイトルにもあるSTRAWBERRY、すなわちイチゴをモチーフにした、明るくも不器用なラブソングだ。

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本当は可愛い女でいたいの ララララーラ
だから言わせて “イチゴミルク”
あなたの前だけでね
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映画にはE-girlsのメンバーからは楓と佐藤晴美の2人が出演しているが、劇中で彼女らが所属する「苺美瑠狂」（イチゴミルク）と絡めた歌詞も織り込まれている。

サウンドは、ロックのエッセンスも感じられるダンスミュージック仕立てで、E-girlsらしい元気さを纏う。しかし素直になれない女子の本音を少し強気な口調で綴った詞、クールを主としつつも少し可憐さがにじむ歌など、今回の映画とのコラボレーションでしか生まれ得ない、新しい彼女らの側面が見出せる1曲となっている。



DISC2 M1: HIGHER GROUND feat. Dimitri Vegas & Like Mike / EXILE TRIBE


アルバム唯一の「EXILE TRIBE」名義で、映画の主題歌として名を背負う楽曲。EDMユニットとして有名なDimitri Vegas & Like Mikeも参加しており、主題歌に相応しい豪華な面々が揃っている。

仕上がりは完全なダンスチューンだ。この手の楽曲としては王道的な、いかにも近年のEDMらしい方向で制作されており、EXILE TRIBEのクールな歌唱と非常にマッチしている。詞も「起ち上がれ」と、一切の恐れなしに聴き手を鼓舞するような力強い内容だ。

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壁破って起ち上がれ
翔け上がる like a phoenix rising
自分次第で すべて変わる
呼び覚ませ gonna make it louder
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途中のラップも非常にタイトで格好良く完成されている。楽曲全体を通して、EXILE TRIBEの力を総結集したものとなっている、そう言っても過言ではないだろう。それと同時に、ライブでは一体どのようなパフォーマンスとなるのか。願わくば見てみたいものだと思わされてしまった。


豪華なコラボレーションも多数含まれたこの1枚。ドラマや映画のファン、EXILE TRIBEアーティストのファンはもちろん、良質な、ボリュームのある音楽を探し求めている人にもお勧めできる内容だ。是非チェックしてみてほしい。