2016年いっぱいで解散することを発表したSMAP。「解散しちゃうの！？」と驚きを隠せません。それがきっかけになって彼らの一番のヒット曲『世界に一つだけの花』がオリコン１位になりました。彼らの解散を惜しむ声が上がっているのですね。
ここで、筆者が聞いてほしい曲は、『夜空ノムコウ』です。
この曲も、SMAPの人気曲ランキングでは、必ず上位に入る曲。シングルはミリオンヒットを達成しました。音楽の教科書にも使われたことがあるほどメジャーな曲です。
誰もが知っているこの曲を、今回はさらに掘り下げてご紹介していきたいと思います。
『夜空ノムコウ』の作詞は、あのシンガーソングライターのスガシカオさんです。
ご自身でも音楽活動をされていますが、音楽プロデューサーとしても活躍されています。作詞を依頼され、SMAPに提供をしたというわけです。実はこの曲、スガさんは、自身で初めての作詞だったそうなのです！提出締切当日までこの仕事を忘れてしまっており、慌てて作詞をしたというエピソードも残っています。それでこんなヒット曲を作ってしまうのですから、すごいですね…。
先日、SMAPが解散を発表してから、スガさんは〝夜空ノムコウ封印宣言〟を行いました。１０月２１日のツアー公演が、最後の歌唱になるのだそうです。この曲を制作したことで自身の知名度が上がったと感じているスガさんは、「オレの中でＳＭＡＰさんは大きな存在。人生を変えてくれた存在。大きな感謝を込めて歌いたいと思います」と話しています。
作曲の川村結衣さんは、作曲界で有名な方です。SMAP以外にも、松たか子、鈴木雅之、ナオト・インティライミなどに楽曲提供しています。FUNKY MONKY BABYSの『あとひとつ』も共同で楽曲制作をしており、この曲でレコード大賞作曲賞を受賞しました。
『夜空ノムコウ』も良い和音が使われており、歌詞だけでなく、メロディーを聴いただけでも「良い曲だな」と感じる方は多いと思います。
そんな２人が制作した曲を、SMAP５人がキレイに歌い上げています。
この頃の彼らは、誰よりも歌が上手い！というわけではないのですが、話すような歌い方にグッとくるものがあります。
この曲の魅力は、恋愛、友情、仕事など、そんな場面でも共感できそうな言葉が並べられていることだと思います。
あれからぼくたちは 何かを信じてこれたかなぁ
夜空のむこうには 明日がもう待っている
冒頭の歌詞です。『夜空ノムコウ』と聞いたら、この歌詞を思い出す方が多いのではないでしょうか？
〝あれから〟という表現が、聞く人の過去を思い出させてくれます。生きていれば誰にでも過去は存在するもの。あなたの〝あれから〟を思い出して、ぜひ聞いてみて下さい。
君に話した言葉は どれだけ残っているの？
ぼくの心の一番奥で から回りし続ける
〝あれから〟の場面で言った言葉を、後悔したり不安になったりしてしまうこと、ありますよね。自分の気持ちを代弁してくれているような歌詞に、つい聞き入ってしまいます。
不安に思う気持ちが綴られる中で、最後は〝夜空のむこうにはもう明日が待っている〟とポジティブに終わっています。
過去を振り返っても何も起こらないけど、未来はこれからどうにでもすることができる。落ち込んでいるときに聴くと、頑張ろうと思える一曲でもあります。
あのころの未来に ぼくらは立っているのかなぁ
全てが思うほど うまくいかないみたいだ
報道があった今聞いてしまうと、メンバーのことを思い出して、余計に感動してしまいますね…。〝現在から見た過去〟を書かれている歌詞ですが、まるで今のSMAPにピッタリ…。まさか2016年に解散するなんて思ってもいなかったとは思いますが、まるで未来を言い当てたかのような歌詞。なんだか怖い気もしますね…（笑）
〝あのころ〟に思い描いていたものとは違う未来になってしまっているかもしれないけど、長年活動してきた彼らが、私達に与えてくれたものは大きかったと思います。
この曲は、秋にピッタリな曲です。歌詞にも秋の模様が描かれています。
これからは夜空も綺麗に見える季節ですので、特に今年はSMAPに思いを馳ながら、ぜひ秋の夜長にしっとりと聞いて下さいね。
TEXT：Rei（ https://twitter.com/rei_musiccolumn ）
