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平沢進は『ロタティオン(LOTUS-2)』で輪廻を歌う

平沢進は独自の路線を歩んできたアーティスト。動画配信が一般的になる前からネット視聴者が参加できるインタラクティブライブを実施してきました。

2016年10月10日




平沢進は独自の路線を歩んできたアーティスト。動画配信が一般的になる前からネット視聴者が参加できるインタラクティブライブを実施してきました。観たこともない電子楽器を操り、壮大な音楽を作っています。かつては、P-MODELというバンドを組んでいた平沢。大ヒットアニメ『けいおん!』のキャラ名の元ネタであり、平沢進本人が「私は平沢進だぞ。平沢唯じゃない。」とTwitter上でつぶやいたことも話題になったミュージシャンです。

そんな平沢進は『ベルセルク』の主題歌や今敏監督のアニメ映画主題歌を作っていることもあり、アニメ好きや映画・音楽好きによく知られています。『ロタティオン(LOTUS-2)』はアニメ映画『千年女優』主題歌。

( )でLOTUS-2とあるように、1が存在します。ロータスとは蓮のこと。人の生まれ変わり、輪廻を表しています。


“黄金の月草の露に幾万も昇り
唯一に来る夜の牢で打たれるキミの夢に咲く”


歌いだしからヒラサワワールド全開。この人にしか書けない歌詞です。「幾万も昇り」と「唯一に来る」で対比させて、スケール感を表現しています。「黄金の月」とは、空に浮かぶ美しい月の表現。また、月日の意味も込めてあります。「草の露」は、はかないものの象徴。「唯一に来る夜の牢で打たれる」とは、夜の牢でムチ打ちにあうような、唯一自分だけにくるような苦しみのこと。そんな苦しい夜でも美しい月は空に何万回も昇っている。苦しみの中でも、夢でそのような美しい月を見ている。

“瞬く間にも数千の朝よ訪れよ
パラレルに行く船団に全てのキミの日を乗せて
ランダムに行く雲のように生まれてたはずと
千年を知るキミの声が全ての月に木霊する”


「瞬く間」「数千の朝」でまた対比を作っています。「パラレルに行く船団」とはパラレルワールドという言葉でも表現される並行世界を行く人生のこと。「全てのキミの日を乗せて」という不思議なフレーズは、並行世界にも全てキミはいるのだ、ということを表します。

続いて「ランダムに行く」という表現で、直前の「パラレルに行く」と似た響きを作ります。ランダムは法則性や作為性がないこと。人はランダムに生まれる雲のように誕生するんですね。「千年を知るキミ」という表現が出てきます。この曲は輪廻転生を歌った曲。唯一だと思っている自分は、千年にわたって何度も生まれ変わっている自分である。ゆえに、普段は意識していなくとも生まれ変わってきた千年という時を「キミ」は知っているのだという歌詞。そしてそんな「千年を知るキミの声」は、全ての月日にきざまれている。空に浮かぶ月にも反響して響く。冒頭の「黄金の月」につながっていく構成となっています。

黄金の月が幾万回も昇る→夜の牢でその月を見るキミ→キミが瞬く間にも数千回の朝がくる→朝がきたことで船団が出航し生まれ変わったキミが乗る→船団から雲が見える→雲を見たキミの声は黄金の月に響いている

こうやって夜、朝、雲といった自然の「時」と「キミ」を交互に出して視点を移しながらつなげています。さらに最後の歌詞が最初の歌詞につながっていき、歌詞も輪廻のようにつながる構造になっているんですね。

「数千の朝」「千年を知るキミ」で『千年女優』の内容ともかかっています。『千年女優』は、千年前の人物から未来人に至るまでの様々な役を演じてきた女優が、役をとおして大切な人を探し求める、現実と虚構が入り混じった物語。様々な役を演じることは、何度も生まれ変わることなんですね。

壮大な輪廻の歌であり、平沢進にしか歌えない世界。こういう曲は貴重ですね。

TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)

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