山猿が、LGMonkees時代の楽曲も含め活動5年間の想いを集大成させたベストアルバム『超あいことば-THE BEST-』を発売しました。彼がこのアルバムへどんな想いを詰め込んだのか!?深い深い想いの丈をここに紹介します。
山猿 インタビュー
山猿の音楽は90%以上が実体験
――山猿の楽曲の数々を聴いてて感じるのが、その相手が恋人でも家族であれ、つねに「あなた」という相手を強く想う気持ちを歌にしていることなんです。
山猿:日々の生活で「ありがとう」と想うことが沢山ありすぎて、その気持ちを曲にしていくと自然にそうなっていくんじゃないかな!?。
昔は本当に人見知りで、人と話すことが苦手な少年時代を過ごしてきました。でも大人になり、周りにいる人たちが僕に沢山の愛をくれました。大きく変わったのが、東日本大震災を体験して以降。あの経験をきっかけに、僕の中でいろんな意識が大きく変わりました。
――山猿さんが、宮城県に拠を構えていた頃だ。
山猿:そう。あの時期は、いろんな見えない愛情を地元の人たちを含め、いろんな人たちから感じることが出来ましたし、改めてその大切さに気づかされました。
「人は幸せになるために生まれてきた」じゃないけど、そう思っていいんだと気づいたというか。そのときの経験をきっかけに、自分もそう。あの経験をした人たちみんなが、家族や友達、恋人をより大切にするようになったんじゃないかな!?
――父親への想いを歌った『3090~愛のうた~』もそうですが、山猿さんの歌を聴くことで、当たり前に感じている愛の大切さへ改めて気づかされることが多いんですよね。
山猿:山猿の音楽は90%以上が実体験。実際に体験していることを歌詞に書いているように、そこへ記した言葉たちはみんなと何も変わらない。痛みもあれば、時に泣いたりもする。上手くいかないことで壁にぶち当たるときだってあれば、大切な人と一緒にいることで笑顔になれたり幸せをもらったり。そういう当たり前の感情を僕は楽曲にしているので、そう感じてもらえたんじゃないかな。
――実体験ということは、『朝7:30ちょうどにすれ違ったマドンナに恋をした』経験もそうなんですか??
山猿:あの歌は、仕事に行くときの朝7時30分にすれ違う見ず知らずの女性に恋をした歌なんですけど、あれも実体験ですね。そういう経験ってみんなあると思うんですよ。学校や職場へ行くときに、何時も寄るコンビニの店員さんを好きになった経験など、誰もが日常の中で当たり前に感じていることを飾ることなく歌にしている。だからみんな「山猿の歌詞って僕や私のことを書いてくれてるみたい」と言ってくれるんだろうし、人ってみんな同じことをしたり同じように感じているから、シチュエーションは異なれど同じ気持ちになってしまうんじゃないかなと僕は思っています。
――まさに、日々の生活で感じている想いが山猿さんの歌には溢れています。
山猿:どの歌も、日々の生活を歌詞にした日記みたいな曲たちだからね。僕は、イントロからアウトロまでの流れを含め1本の映画を作る感覚で楽曲を作ってゆく。何よりも、情景が浮かぶストーリーを作ることを大切にしている。だから、余計にそう感じるのかも知れません。
僕が心がけているのは、押しつけない音楽。今、頑張って夢に向かっていたり、恋をしていたり。「そういう人たちの背中を押したい」と思って楽曲を作っていくことが本当に多いんです。
男ってみんな恥ずかしがり屋
――山猿さんの歌に登場する人たちは、みなさんとても山猿さんに愛されてるなぁと感じます。新曲として収録した『Happy Birthday』に出てくる家族の模様も、そう。明日になれば魔法も解けるからこそ、その日を最高の記念日に彩ってゆく。同じ環境云々ではなく、家族の愛情がすごく温かく伝わってきたことに、とても感動を覚えました。
山猿:『Happy Birthday』って、今まで作ってこなかったタイプの楽曲。僕の少年時代は、兄弟がめっちゃ多かったからバースデーパーティを家族でやったことがないんですよ。兄弟が多いから、誕生日ごとに子供一人一人にプレゼントを買ってたらきりがないし、うちは誕生日にケーキさえ出なかった。その頃の僕は、何も祝ってもらうことのない誕生日って嫌いでした。
でも、大人になっていろんな人たちから誕生日を祝ってもらう経験も増え、その幸せや楽しさを感じていく中、誕生日がこんなにも素敵なものなんだと意識が変わりました。自分が生まれた日をこんなにもお祝いしてもらえるなんて、すごく幸せなこと。だから僕も、その幸せを曲にして祝ってあげたい。『Happy Birthday』を聴きながら「生まれてきて良かったな」と自分自身を褒めて欲しい。だって、生まれてきたって奇跡のようなことだからね。
――歌詞にも書いているように、誕生日当日って幸せの魔法を受け止められる日ですもんね。
山猿:一年に一回、かならず誰しもに訪れる奇跡の日。だからこそ自分の命を大切に思って欲しい。自分が親からもらった命の意味を再確認して欲しい一日だなと僕は思っています。
――『赤い実ハジケタ恋空の下』『赤い実ハジケタ恋空の下..part2』に描いたカップルの関係性も素敵です。
山猿:『赤い実ハジケタ恋空の下』は世界中の恋人たちに向けた歌。『赤い実ハジケタ恋空の下』を作ったのがもう4年前のこと。『赤い実ハジケタ恋空の下』を全国各地いろんなところで歌うと、「この曲をきっかけに好きな人と付き合えました」「この曲のおかげで大切な人と結ばれました」という声をたくさんいただくようになりました。しかもこの曲を通した出逢いや告白をきっかけに、その人と結ばれ結婚し、子供が生まれて家族が出来たりと、数えきれないくらい沢山の幸せの報告も受けてきました。それもあって「これはパート2を作るしかない」「結婚してくださいという歌にしよう」という想いから、後に『赤い実ハジケタ恋空の下..part2』が生まれました。
ということは、何時かその続きとなるパート3が生まれるかも知れないですよね(笑)。
――そこ、期待しちゃいます。
山猿:幸せは続いてくじゃないけど、結婚をして家族が生まれるのと同じように、その幸せがどんどん続いて欲しいなと僕は思ってて。そんな願いも『赤い実ハジケタ恋空の下』シリーズには込めています。
――『赤い実ハジケタ恋空の下..』に描かれた、自宅に灯がついてて安心感を覚える心模様はほんとわかるなぁと思います。『赤い実ハジケタ恋空の下..part2』では、恋人のために一緒にダイエットに励んでゆく。その優しさが山猿さんらしさなんでしょうね。
山猿:男って、女の人には頭が上がらないじゃない。それに男だったら、女の人を泣かせちゃ駄目だと思う。男ってみんな恥ずかしがり屋。「愛してる」と、そんな口にすることもない。でも、心の中ではそう思ってるんだぞ。それを女の人にもわかって欲しい。そんな気持ちを『赤い実ハジケタ恋空の下』シリーズには込めています。
どんな痛みの先にだって出口はある
――ベストアルバム『超あいことば-THE BEST-』には、本当にたくさんの「愛」が詰め込まれているなぁと感じています。
山猿:このベスト盤は、沢山の愛の言葉が詰まったアルバム。だから「超あいことば」とタイトルを付けました。
愛にも、いろんな種類があります。「友情愛」「家族愛」「人間愛」「地元愛」などなど、そういう愛を普段の生活の中で見つけて欲しいなと思って作ったのが、このベスト盤。1曲目から16曲目まで全部自分で選び、1枚の中へ想いを詰め込んだように、大切な人や大好きな人と一緒にこのアルバムを聴いて欲しいなと思います。
――収録した16曲は、どんな基準で選んだのでしょうか??
山猿:よく「集大成」という言葉を使うじゃないですか。その言葉通り、この作品を聴けば山猿のことを知れる。むしろ、知ってください、覚えて欲しい。そういう作品になりました。
同時に、山猿の作る音楽に出会ってくれて本当にありがとうという気持ちもすごく強いこと。今回のベスト盤を出すに当たっても、僕はデビューから5周年を記念してというよりも、こうやって5周年を迎えられたことを奇跡と感じている。だからこそ、感謝の想いを込めてベスト盤を出す気持ちをとても強く持っています。
自分が下を向いてたときは、人のことをわかろうとしていなかった。でも、しっかりと前を向いて相手と会話をしていくと、「あっ、人間って温もりを持った手と同じように、自らちゃんと触れ合っていけば、同じように温もりで返してくれるんだ」ということに気づけるようになった。そのやり取りを感じ続けた中で生まれた曲たちが、ここには生きています。
――『きき手』に記した想いのようにね。
山猿:親指は誰かを褒めるとき、人指し指は未来を照らしていけば、小指はあなたとの結びつきを示していたりと、『きき手』に書いたように、5本の指にはいろんな心のサインが込められているなと僕は思ってて。それって当たり前の認識かも知れない。でも、その当たり前を僕は真っ直ぐに伝えたい。
――言葉にしないと気づかないことってたくさんあります。それを山猿さんの歌を通して再確認していけるのも嬉しいこと。
山猿:本当に思っているなら、その想いを相手に伝えるのは大事なこと。好きな人に「好き」と言えない人って多いと思うんですけど。そういうときに、山猿の楽曲を介して相手に想いを伝えるのも一つの方法だなと思います。
事実、とあるファンの子が、父親への感謝の想いを恥ずかしくて口には出せないからと『3090~愛のうた~』をお父さんに渡したそうなんです。その歌を通し、その子の「ありがとう」の想いが父親にも伝わったらしく、感謝の想いを僕に報告してくれたんですね。想いの伝え方っていろいろあるように、どんなやり方でもいい、「ありがとうという感謝の言葉は伝えられたらいいよね」と僕は思います。
――確かにそうですよね。
山猿:「人は"嫌い"という言葉以外は人に伝えてもいい」と僕は思ってる。「嫌い」は人を傷つける言葉。それ以外なら何を伝えてもいいけど、僕は「嫌い」だけは使わない。
もちろん山猿の楽曲には切ない歌もあるけど、僕自身が「It's Positive」な性格なんで、どんな痛みの先にだって出口はあると思っていれば、切ない歌にだって前向きな気持ちを示していきたいなと思ってる。
――新曲の『DREAMER』は、まさに超ポジティブな姿勢を打ち出した楽曲です。
山猿:聴いた瞬間に笑顔やハッピーになれるEDMナンバーを作りたくて生まれたのが『DREAMER』。頑張っていない人なんて、この世の中にはいない。もちろん、みんなが夢に向かっているか!?と言えば、けっしてそんなことはない。求めたい夢が見つかってない人だって実際にいると思う。でも、それはまだ見つかってないだけのこと。みんな生きていれば、かならず何かしら何処かしらで頑張っている。そういう人たちの背中を『DREAMER』で押してあげたいなと思って。
よく「人生はつらい」という言葉を聴くんですけど。僕からしたら、人生ってやることがいっぱいあるから楽しいなというか、自分次第で明日や未来は変えていけるもの。たとえそれが何かから逃げて別のことを始めるでも、良い。その気づき方は人それぞれ。きっと僕らミュージジャンの役割というのは、その気づきを与えてゆくことかな!?と思ってて。僕自身も、そうやって音楽に救われた人間の一人。音楽は一番隣にいてくれる存在。そういう魔法のようなものだからこそ、そういう力を山猿の歌を通して届けられたらなと思ってる。
ぜひライブにも触れてください
――完成した『超あいことば-THE BEST-』、山猿さんにとってどんな1枚になりましたか??
山猿:本当の愛に気づいて欲しい。そんな1枚ですね。しかも、春夏秋冬何時の季節にも聴ける、いろんなテーマを持った曲たちが詰め込まれている。だからこそ、いろんな場所で楽しみながら聴いて欲しい。その人が大事な人でも友達や家族、恋人、飼っているペットでもいい、何よりも、大切な人と一緒に聴いて欲しいアルバムになりました。
――ジャケットに映し出された山猿さんの全身金ぴかの姿も、かなりインパクトがありました。
山猿:今、がむしゃらに頑張ってる人に聴いて欲しいなという想いを形にしようと全身を金色に染めました(笑)。この姿って皮膚呼吸出来なくなるから、撮影の限界が2時間半なんですよ。でも、その恰好で想いを伝えたいからこそ身体を張ってやりました。実際、撮影中のスタッフチームみんなも笑顔でいたように、楽しい想いってみんなに伝わるんだなということを改めて感じた撮影でしたからね。
――今回ベスト盤には新曲として『Happy Birthday』と『DREAMER』を収録。2曲とも心をグッとつかむMVを制作しています。
山猿:『Happy Birthday』は自分で台本を書き、自分で監督もやりました。撮影をしたのは地元の福島県。おじいちゃんおばあちゃんまでも含め、あのMVに出てくるキャストも撮影クルーも全員福島県在住の人たち。この映像を通して地元東北の良さが伝わればなと思います。僕は『Happy Birthday』にかぶりもの姿でも出ていれば、『DREAMER』にも用務員の人としても登場。その辺も楽しんでもらえたら嬉しいですね。
――12月23日には「山猿だョ!! 今年も勝手に紅白猿合戦2016~あの夢への第二歩~」と題し、地元である會津風雅堂 大ホールでライブを行います
山猿:地元福島で音楽活動を始めた頃からズッと夢見てた會津風雅堂でライブを行うことが決まりました。じつは地元でライブを演るのは初めてのこと。もちろん、地元以外のところからも沢山の人たちに会いに来て欲しいけど、地元に「ありがとう」という想いを返せることが何よりも嬉しくって。『カジカ』の歌じゃないけど、ちょうど季節の上でも粉雪が舞っている季節。ぜひライブにも触れてください。
――最後に、ひと言お願い出来ますか?
山猿:僕は地元LOVEな人間なんで、来年も地元東北から大好きな音楽を届け続けていきます。
TEXT:長澤智典
Photo by 片山拓
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リリース情報
「DREAMER」2016年9月12日 着うた®先行配信・レコチョク
http://recochoku.com/s0/dreamer/
・iTunes
http://u0u0.net/yfUT
※上記URLは9/12から有効となります。
「超あいことば –THE BEST- 」2016年10月26日RELEASE
【初回生産限定盤(CD+DVD)】\3,900(税込)
★ジャケット絵柄違い三方背GOLDEN BOX仕様
★Music video収録DVD
★豪華16種GOLDENロゴステッカー封入
★購入者スペシャルプレゼント応募券付きチラシ封入
【通常盤 (CD)】\3,000(税込)
収録楽曲
1. DREAMER
2. Happy Days feat. 華原朋美
3. イマアイ
4. 3090〜愛のうた〜
5. 朝7:30ちょうどにすれ違ったマドンナに恋をした
6. 風
7. カジカ
8. 赤い実ハジケタ恋空の下
9. 宝島
10. Happy Birthday
11. 180°
12. 未来列車
13. NAGISA
14. きき手
15. 赤い実ハジケタ恋空の下..part2
16. 無口な明日を嫌わないで
山猿情報
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“山猿”プロフィール
10代前半に音楽と出会い、引っ込み思案だった自分を変えるためラップという武器を手にして音楽活動をスタート。その後様々な人と出会い、愛を知り、自分は決して孤独ではないことを知り、それを多くの人に伝えたいと立ち上がって、2010年に“LGMonkees”としてメジャーデビューした。
2010年の1st miniアルバム『LGMonkees』からは、Dragon Ash feat ZEEBRA & ACOのリアレンジカバー「Grateful Days feat. Noa」が話題を呼び、レコチョク「クラブうた」2010年度年間ランキング1位や、有線放送キャンシステム7月度お問合わせチャート1位を獲得。同様に「Life feat.Noa」も、各チャートを席巻し注目を集め、JOYSOUNDの歌詞検索サイトでも1位を獲得した。
2011年3月16日には2nd miniアルバム『前回のLGMonkeesこと山猿です』をリリース。その直前には東日本大震災で自ら被災し、家が津波の被害を受け避難所生活を送るという経験もあり、
それはLGMonkeesにとって大きな糧となった。温かい声援や人々の支援に感銘を受け、音楽を通じて「愛」「絆」「勇気」をたくさん伝えたいという想いで「3090~愛のうた~」を同年10月にシングルとしてリリースするや、泣ける歌として話題になり、「NEWS ZERO」「ミヤネ屋」など全国ネットのTV番組でも大きく取り上げられ、配信は累計150万DLを突破、動画サイトでは1000万PVを超えている。
2014年8月、突如、LGMonkees解散を発表し、10月6日には東京にて「 LGMonkees解散LIVE みんなありがとう!! ~でも寂しいからサヨナラは言わないよ~」の公演を即完売させ、そのステージで「山猿」として再始動することを発表する。2015年2月から2年ぶりのツアーも発表し、本格的に山猿の活動を始動した。
直後から「山猿」としてアーティスト活動を再開させ12週連続新曲を配信し、その中でも「カジカ」は配信サイトランキングにてウィークリーチャート1位にランクインし、有線放送でのオンエアと同時に問い合わせも殺到!話題が高まる中、約2年半ぶりとなるオリジナルアルバムを4月にリリースし、オリコンデイリー9位にランクイン。
地元東北に在住しながら日本全国へ「愛」を「うた」にのせて 発信している 「今」最注目のアーティストである。