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ファンキーでグルーヴィ浪速のソウルバンド、ザ・たこさん

パンチの聞いたビジュアルのボーカル安藤が率いる浪速のソウルバンド「ザ・たこさん」
パンチの聞いたビジュアルのボーカル安藤が率いる浪速のソウルバンド「ザ・たこさん」
ネタくさいその見た目からは想像出来ないくらいグルーヴィなソウルを聞かせてくれるバンドだ。バンド結成からすでに20年が過ぎているベテランバンドでフジロックや幾つもの野外フェスにも出演しておりソウルファンからは高い評価を得ている。

ボーカルの安藤は元芸人でありNSCの8期生(千原兄弟、FUJIWARA、バッファロー吾郎達と同期)で見た目はかなり個性的で強烈だ。大のプロレスファンでもあることからライブには覆面をかぶって登場することも多々ある。さすが元芸人というビジュアルとパフォーマンスできっと一度見ると簡単には忘れられないだろう。

他のメンバーは結成当初から在籍しているギターの山口、後に加入したドラムのマサ☆吉永とベースのオカウチポテトの4人からなるバンドがこの「ザ・たこさん」だ。

しかし、彼らの本質はビジュアルやパフォーマンスよりも昔ながらのグルーヴ溢れるソウルミュージックと安藤の書く「いなたい」歌詞にある。※いなたいとは、ミュージシャンやジャズ奏者の間で使われる言葉で「土臭い」「へたうま」といったニュアンスの褒め言葉である。

安藤の書く歌詞の多くに共通していえることがある、それはキーワードが「おっさん」であるということだ。

おもろいおっさん、エロいおっさん、働くおっさん、時には真面目なおっさん、悲しいおっさんなど彼の書く様々な「おっさん像」に共感を覚えるおっさんも少なくないだろう。どこにでもいるおっさんなのに、どこか魅力のある「いなたい」おっさん歌うのがザ・タコさんの魅力だと思う。

結成から20年ということもあり音楽的に成長している面もあるが根本にある「おっさん像」はいつまでもブレずに残っている。いつ聴いても変わらぬ味のある泥臭い汗だくのバンド、それが「ザ・たこさん」だ。

今月は彼等の廃盤となっていた3作目のアルバム「ナイスミドル」が発売から10周年目ということで5日に再発されたがこのアルバムはタイトルからも分かる通り彼等の「おっさん像」が色濃く反映された「ナイスミドル」な内容となっている。

中でも「ダニエルさんはペンキ塗り」という作品は主人公のダニエルさんの生活を単調に歌っているだけなのだが非常に深い歌詞でおっさんになればなるほど共感してしまう内容となっている。毎日の単調な生活の中で何を見出だせばいいのか・・・と、迷ってしまった時には是非この曲を聴いてほしい。きっと毎日ペンキを塗り続けるダニエルさんから答えをもらえるはずだろう。

そしてこの曲を聴いて気付く人も多いかと思うがこの曲はまるまる「The Five Stairsteps - OOH Child」である。

子供達への愛を綴った名曲「OOH Child」が彼等の手にかかればダニエルさんというおっさんの歌に調理されてしまうのだから驚きだ。
ここらへんの変化球もザ・たこさんといったところで実に楽しめる曲となっている。

廃盤となっていたナイスミドル、10年たった今こそ多くの人に聴いてもらいたい

TEXT:おおはた

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