日本の歴史を歌うアーティスト!?
レキシは日本の歴史をブラックミュージックにのせて歌うアーティストです。池田貴史によるソロプロジェクト。
持ち歌は『参勤交代』『万葉集』『トロピカル源氏』『レキシブランニューデイ』など日本の歴史にちなんだユニークなタイトルの曲ばかり。しかも見た目はグラサンにアフロというスタイル!インパクトは絶大です。
2014年8月20日には「ハニワの日」と称してなんと武道館ワンマン公演も実現。このレキシこと池田貴史は映画「海街diary」にも出演しています。本当にキテいますね。
アドリブ連続のライブで会場を沸かす
レキシの代表作『狩りから稲作へ』。この曲では「縄文土器 弥生土器 どっちが好き?どっちもドキ。」と歌いながら日本の太古の歴史を分かりやすく説明しています。
レキシのライブはアドリブの連続です。曲の間にとにかくたくさんしゃべり、手品までやる!観客を飽きさせない工夫が満載なんですね。さすが武道館アーティスト。
この曲では「タカユカシキ ネズミガエシ」の箇所で、観客が目の上の部分に手をあてて一緒に高床式とネズミ返しの振付をやります。さらに劇団四季~♪と歌い「キャッツ!」とさけぶところまでセットになっている凝りよう。
狩りから稲作へ
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縄文土器 弥生土器
どっちが好き?
縄文土器 弥生土器
どっちが好き?
どっちもドキ。
≪狩りから稲作へ feat. 足軽先生・東インド貿易会社マン 歌詞より抜粋≫
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この曲はそんなインパクトが印象に残りますが、実は歌詞も優れています。作詞は作家でもあるいとうせいこう。
曲の最初のほうでは、
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どんぐりひろって食べてた
あの頃の夕陽赤かった
貝は食べすて貝塚
海沿い移動するいつしか
≪狩りから稲作へ feat. 足軽先生・東インド貿易会社マン 歌詞より抜粋≫
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(しっかりと韻をふんでいます)という縄文式の生活をしていた主人公。
「場所にあきたらすぐに立ち去る」狩りの生活をしていた主人公は「君も連れてく はずで鹿肉 干したやつもって LOVEのテクニック」とあるとおり、干した鹿肉をもって「君」にアプローチをかけます。
すると「貴方と此処にいたいから 私の想いはもう 揺れない どこへもいかないで ずっとここにいて 私の願いは今日から稲作中心」と「君」から言われます。「稲作中心」の定住をすすめられるわけですね。
そして、ラストのほうで主人公は「涙ぬぐって狩りから稲作へ 君の未来へつながる稲作中心」「ともに暮らそう 屋根の下 稲作定住」という、ともに定住する生活を選ぶのです。
稲作を通じて歌う、壮大なラブソング
実は歌詞全体を通して、一人の人間の人生を追った壮大なラブソングになっているんですね。狩り中心で縄文式の生活をしていた主人公が、恋をして稲作中心の弥生式の結婚生活を選ぶ展開になるのです。
縄文時代から弥生時代への日本史の流れが分かると同時に、一人の人間のストーリーも想像させる構成。面白いですね。
「縄文土器」「弥生土器」と繰り返し「どっちもドキ。」と表現していることから、恋愛における心の「ドキドキ」とかけていることも分かります。
ちなみに、feat.の足軽先生はいとうせいこう、東インド貿易会社マンはボーカリストのグローバー義和を指します。レキシのサポートミュージシャンは「レキシネーム」がつくんですね。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)