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バンドサウンド全開!ロックなphatmans after schoolのニューアルバム「過去現在未来進行形」がリリース!【インタビュー】

現代に悩めるすべての人の心のパートナー、phatmans after school(略:pas)が新体制になってニューアルバム『過去現在未来進行形』をリリース!


現代に悩めるすべての人の心のパートナー、phatmans after school(略:pas)が新体制になってニューアルバム『過去現在未来進行形』をリリース!
バンドサウンドを押し出してロックにキメた今作も、曲を聴いて歌詞を読むほど引き込まれる楽曲たちが詰め込まれている。新体制になっての今後の展望や、もちろん楽曲や歌詞についても詳しくインタビューしてまいりましたので是非最後までご覧ください!

phatmans after school インタビュー

phatmans after schoolの変化

——今回のリリースまでにドラムのホンマさんの脱退、皆さんの顔出し解禁、ジャケ写がpasくんではなくなるなどたくさんの変化が。

ヨシダタクミ(以下、ヨシダ):前の作品をリリースした段階でドラムの脱退は決定事項だったので、脱退が原因でというわけではなく、今回の作品からシルエットも出していこうっていう話も内々で進めていたんです。
pasくんが前にいる状態だと、どうしてもロックバンドとしての認識がされないというか、実像が見えないというのがジレンマだったんです。それでクマではない自分たちの実像を出してみたいっていうことで今回に至ったわけです。


——アルバムのタイトルも、今までカタカナ7文字のこだわりを持っていらっしゃいましたけど、どうされたんですか?!

ヨシダ:本当は今回もカタカナ7文字のものも含めて3つ候補があったんですけど、ミニアルバムだし、表題曲のタイトルをアルバムタイトルにしたことがないから、そうしようってなりました。


——意外とあっさりやめちゃうんだ…って思っちゃいました。

ヨシダ:楽曲を聴いてもらうことが音楽をやる上で再優先事項じゃないですか、タイトルが直結していた方が手に取りやすいだろうし、色んなところで進めやすいんじゃないかと思って。


——今後またジャケットにpasくんが出てきたり、タイトルがカタカナ7文字に戻ることは?

ヨシダ:あんまり僕は考えてないですね。ただ、今回はアルバムだけどミニなので、気持ち的にはシングルのつもりで作った感覚もありますね。フルアルバムだとまた変わるかもしれないです。


——今回のミニアルバムは6曲ともそれぞれまさにシングルで出していいくらいの出来というか。pasさんの楽曲はフルアルバムにしてもそうなんですけど、本当に妥協がないですよね。

ヨシダ:ハハハッ、ありがとうございます。


——このミニアルバムの制作にはドラムのホンマさんはもう携わっていないんですか?

ヨシダ:そうですね、今回は新しいサポートドラマーが叩いています。


——8ヶ月の制作期間はヨシダさんにとってどんな時間でしたか?

ヨシダ:早かったですね。ドラマーとして一緒に進んでくれる仲間を見つけて、9月頃から新体制でライブもやりながら、楽曲制作もしている毎日だったんで、何かを考える暇がなかったです。


ミニアルバムについて



——ではタイトルについて伺いたいんですが、『過去現在未来進行形』というタイトルに込められた意味は?

ヨシダ:僕は普段から浮かんだワードをメモするんですけど、その中にあんまり漢字を並べるものがなかったので“面白いな”っていうのと、過去現在未来って並べてみたときの字面が面白かったんですよ、もちろん曲にする上でストーリーがなきゃいけないので、“今も過去も未来も一貫しているもの”ってなんだろうって考えたら自分たちに共通するのは“夢”だったんです。僕らは音楽で夢を見続けているから、だったら進行形じゃないかってことで。


——では、先にタイトルを決めてから歌詞を書かれたんですか?

ヨシダ:そうですね、この曲はそうやって作りました。


——前作『アンクロニクル』の取材の際に、収録曲の全てに「今日」とか「明日」とか、時制が入っていることを教えていただきましたよね。今回の作品と何か関係が?

“明日に向かって希望を見ることは、未来を知ることができない分、人間に許された唯一の特権”phatmans after school ニューアルバムの魅力【インタビュー】

ヨシダ:僕の癖というか、特色でもあると思うんです。そこは意識せずに書いているうちにストーリーとして入れているんですよね。
それと僕ネガティヴな漫画とか映画って好きじゃないんです。バッドエンドが多いやつ。映画とか漫画を読む人って、ある程度主人公に自分を投影すると思うんですけど、そうした時に辛いじゃないですか(笑)。だから僕は曲のストーリーも最終的にグッドエンドに持っていけるような流れにしたがります。


——今回のミニアルバムの曲順についてこだわりを教えてください。

ヨシダ:僕が全部決めたんですけど、1曲目の『形而上パラドクス』っていう曲が結構速い曲なんですね、新体制になってロックバンドとして再認識してもらおうっっていうコンセプトだったんで、1曲目でぶつけよう!ってことで入れました。
『形而上パラドクス』の次に聴きたくなるのは今回の曲の中のどれかなってなった時にその答えが『過去現在未来進行形』だったんですよね。
この2曲の流れに従って、気持ち良く聞いてもらえるビート感っていうのを意識して決めました。


——今回の収録曲はどの曲も割とアップテンポで、ゆったりした曲がないですよね。まさにロックな。

ヨシダ:はい、今回は平行して作っているスローな楽曲もいっぱいあったんですけど、全部排除しました。ロックバンドということを重視してセレクトしました。


——そしてライブウケがよさそうな曲が詰め込まれているような。

ヨシダ:ちょうど今ライブで育てている最中ですけど、お客さんとやっていって曲が変わっていっているなっていう実感はあります。


『過去現在未来進行形』



——前作『アンクロニクル』に収録されている『シリアル』は通勤通学時に、『過去現在未来進行形』は帰路で聴きたいような元気の出る曲ですよね。メロディーやアレンジに関してこだわったところを教えてください。

ヨシダ:心地いいテンポ感ってどのくらいだろうって思ってまずビートを決めたんです。スピード感のあるリード曲って久しく出してないのもあったし、BPM200前後にしようって決めたんですけど、そうすると僕の曲は基本的に音数が多いんで、いらないものを落としていかないといけないなってなったんで、ギターも僕とユタニの2本分だけだし、シンセとかも抜いてロックでシャープになるようにしました。
そしたら聴くものが少ないんで歌詞がより入ってくるようにもなったんですよね。


——私は、pasさんの歌詞は1回聴いただけで何て言っているかわかる歌詞というか、聞き取りやすいとは前作から思っていたんですけど、『過去現在未来進行形』で言うと「滑走路」と書いて“ルート”と読むこととか、「失敗」と書いて“キズ”と読むことは言葉を詰め込みすぎず聞きやすくすることも意識してのことなんですか?

ヨシダ:歌う時はもちろん歌詞感を優先して録るんですけど、歌詞カードをわざわざ見た時に“アァッ!”ってなるのが好きなんですよね、人の曲でも。こう言う楽しみってCDを買わないとわからないっていうのがあるし、自分がそうやって育ったからわざとそうしてます。


——なるほど。2番のサビ頭「(未来)」っていう部分も特徴的で、やっぱり歌詞を見るまでわからないですけど、ここにはどういう意味を込められたんですか?

ヨシダ:「過去 未来」とかけているんですけど、“仮想”っていう意味もあるんです。“夢”とか“未来”って漠然としてると思うんですよ、だから仮っていう意味でカッコをつけました。


——「夢の中で死にたい」とか「志ある限りは ing」っていう歌詞から、pasさんは音楽で食っていけている成功者だと言えるはずなのにまだ夢を追っている立場にいるという意識があるように思いました。

ヨシダ:ちょっと語弊がある言い方をしますけど、僕らってキャリアは長いけどまともなアーティスト活動をほぼしてないんですよ。メジャー行っても2年CD出さないとか。特殊な環境下でやっていた分、バンドとしてちゃんと動き出したのがここ1,2年の話なんですよ。そう考えるとまだ自分の中でバンドというものをちゃんとやりきれてないので、やりきりたいっていう気持ちがあるのかもしれないですね。


——バンドとして理想のカタチがあると?

ヨシダ:音楽に関してはなかなかないことですけど、ここまでやったからとか、こういうものがあったから、っていう経験を僕らはしていないんで。大きなステージでやりたい、ネクストステージに行きたいっていう気持ちもありながら、音楽でもっと勝負していきたいっていうのが率直な気持ちですね。


——だからまだpasさんも夢を追っている立場の人間だと。

ヨシダ:うん、だから偉そうなことも言えないし、歌詞の中でも「頑張れよ!」みたいなのって好きじゃなくて、僕自身夢の途中にいて、一緒に進んで行くのが基本スタンスです。


——イントロの話になりますが、

ヨシダ:ここは僕も悩んだんです。バンドサウンドってなんだろうって考えた時に、ロックの中にも色々ありますけど、僕らが主に得意としているフィールドってギターが鳴るものだったのに、あまりギターをかき鳴らして始まる曲がなかったんですよ。コードストロークかっこいいし、ストーリー的にも始まりが見えるってことで僕自身の中ではトライしてみたイントロですね。


『MR.CRAZY』について



——この曲はpasさん的には遊んでいる曲?

ヨシダ:そうですね、『FRIDAY NIGHT』に近いです。ギターがずっとフレーズを弾いているんですけど、最近ギターボーカルのギターを軽視している人が多いように感じて。聞き手も弾き手も。ギターボーカルって名乗っててギター下手なのも嫌だし、この曲自体のコンセプトはギターを弾き倒して、歌も歌い倒すっていう本来のパートを全うするっていうのがあります。バンド全員に「本気出せ」って言うような。


——曲中ギターは本当に忙しそうなイメージです。

ヨシダ:忙しいです(笑)。余裕なわけじゃないけどプロとして、やっぱりこういうことやれちゃうんだっていう感じを出すためのトレーニングをしています。
同業者から見られても“やっぱあの人上手いんだ”って思われないとダメだと思うんで。正直とって代われる存在がいたらいらないし。


——ギターにそれだけこだわられているのに、歌詞とは少しギャップがあるように感じます。

ヨシダ:これはもともとうちのギターに対して歌おうと思って書いた曲だったんですけど、さすがにダメですって言われて(笑)。だったら、クレイジーな要素だけ残そうってことで今の歌詞になりました。だから根底にあるのは僕とユタニの生活感っていうか(笑)。


——気になった歌詞がありまして。「満たされない心が andante!!」。これはどう言った…

ヨシダ:(爆笑)。これは絶対伝わらない部分だと思います(笑)。矢井田瞳さんの『andante』って僕の大好きな曲を聴いていて、自分のフラストレーションみたいなものをぶつけた仮歌詞だったんですけそ、良かったのでそのまま入れました。
あまり仮歌詞のまま行くことがないんですけど、この部分はハマりが良かったんであえて残しました。


『形而上パラドクス』について



——『形而上パラドクス』っていうタイトルの由来を教えてください。

ヨシダ:形而上って、形がない、実在しているかどうかが危ういみたいな意味があるんですけど、僕が好きな漫画家さんが描いてる哲学漫画のタイトルに「形而上」って使われていて、その響きが昔から好きだったんです(笑)。
「パラドクス」は矛盾するっていう意味なんですけど、パラドクスっていう言葉も好きで、好きな言葉を繋げた造語が『形而上パラドクス』です。


——では、その造語の意味を教えてください!

ヨシダ: “夢”とか“希望”って、形がないもので、約束でもないじゃないですか。そのおぼろげなものを持って世間に出ても、語ることってできないことが多いですよね。夢を目指す自分はいるけど、本心を隠すことって矛盾だし。もう一つは、夢もやりたいこともなく、死ぬ気があるわけでもない人とか、社会を斜に構えてる人でも他人に対して嫉妬はするじゃないですか。本当に無関心だったらそんな感情も持たないはずなのに。そういう形がないものに対する矛盾っていうシニカルなタイトルをつけました。


——形而上パラドクスって誰もが抱えているものなのかもしれませんね。

ヨシダ:この中に描かれているような悪意って誰にでもあると思うんですけど誰かのためを思ってそれを表現しない優しさがありますよね。それを表現してしまう境遇の人もいるわけだけど、その人たちも自分の境遇がもう少し改善されれば表現するのがバカらしくなると思いますね。悪意とか屈折した嫉妬って俺ら自身も無いわけじゃないけど、別のものに変えられるかどうかです。


——「そんなふざけたアイの歌が僕らを汚すの」って、いったいどんなことを言っているんですか?

ヨシダ:これは(笑)、女の子に多い「私あの子のこと好きじゃない」のに仲良くしてるやつ。。。「私たちのキズナ」とか言っちゃうけど、その言葉って軽薄だなって思って。軽薄な言葉って残酷なのに今ってTwitterとかでそういうものが見えやすくなちゃってるじゃないですか。僕ら世代になくてよかったなって思います(笑)。


pasのライブは..

——新しいドラムを迎えて、ライブに何か変化はありましたか?

ヨシダ:今のドラムがジャズ上がりの人なんで、ライブ中にアドリブをすごく入れてくれるんですよ。それに合わせて僕らも動かなきゃいけないから、ライブ感が今までと変わってきていますね。


——なるほど、アドリブが入ってくると本当にライブを楽しむ、音楽を楽しむっていうことができますよね。

ヨシダ:リハとかライブの度に違うことやるからお客さんは楽しいですよね。僕らも必死にやってます(笑)。


最後に

——恒例の、ピックアップフレーズをお願いします。

ヨシダ:やっぱり今回のお気に入りはリード曲ですね。『過去現在未来進行形』の最後、「僕ハ夢ト イキタイ」ですね。
曲の中で大絶叫しようって決めていたんですけど、こういうエモーショナルな部分っていろんな意味で大変だけど気持ちがいい部分でもあるんですよね。
カタカナにしたのは、その方が切なる願いに見えるなって思ったんで。日常の中の気持ちではなくて本当の叫びという。


——キーも随分と高いですよね。

ヨシダ:高いです。年々キーを上げてライブでの自分を試してますね。
低い音は正直寝起きでもいいけど、しっかり身体を作ってライブに臨むっていうように追い込むというか。Mなんでしょうね(笑)。


——そうだったんですね(笑)。では最後にインタビューを見てくれた皆さんに一言お願いします。

ヨシダ: “夢”をテーマに、UtaTenさんでは前回も話しましたけど“一緒に行こう”っていうのが好きで、、僕自身も頑張るから、みんなも一緒に進んでいこうぜっていう曲をこれからも書いていきます。


——あ、次のライブの告知を!

ヨシダ:2月22日にルート3ツアーが渋谷のO-Westでありまして、バンドならではのライブ感が三者三様楽しめるので来てほしいですね!お時間あれば是非!


Interview:愛香

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リリース情報

2017/1/25リリース
「過去現在未来進行形」


ディスク枚数: 1
レーベル: BUDDY RECORDS

1. 形而上パラドクス
2. 過去現在未来進行形
3. RHYTHM's TRACK
4. MR.CRAZY
5. ナミダ
6. DAY BYE DAY

■Amazonで購入

ライブ情報

2/10(金) 大ナナイトvol.106 ircle「Copper Ravens」Release Tour ~Raven claw tour~ & ~TAKASAKI club FLEEZ 13th ANNIVERSARY~
03/10(金) 心斎橋Music Club JANUS ircle「Copper Ravens」Release Tour ~Raven claw tour~
03/12(日) 名古屋 APOLLO BASE ircle「Copper Ravens」Release Tour ~Raven claw tour~
03/24(金) 札幌KRAPS HALL - Goodbye holidayツアー

関連リンク

・Official HP http://phatmansafterschool.com/

2010年結成、札幌出身の3人組バンド。 作詞作曲を行うヨシダタクミが作り出す卓越したメロディーやグルーヴ、若者が抱える葛藤や大人への憂いを表明した歌詞は、新世代の世界観を代弁している。ギターロックをベースに、自由なバンドサウンドで全国の会場を沸かしている。2016年のワンマンツアー···

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