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これも日本のアニメ主題歌の1つ。『RED GARDEN』を彩ったJiLL-Decoy association『Jolly Jolly』

JiLL-Decoy associatio、通称ジルデコはオシャレなジャズサウンドを得意とするグループ。


JiLL-Decoy associatio、通称ジルデコはオシャレなジャズサウンドを得意とするグループ。ジャズとポップスを融合した楽曲を数多く発表しています。このJiLL-Decoy associationが2007年に発表した『Jolly Jolly』は、アニメ『RED GARDEN』のOPで使われました。このアニメは、2006年から2007年にかけて放送されていた知る人ぞ知る意欲作。プレスコという、先に声優の声の演技を録音してから作画するという手法で作られています。おしゃれな雰囲気の画で描かれるサスペンス・アクション。

舞台はニューヨークで、4人の少女が不思議な力を得ることから物語は始まります。アニメのトーンは基本的に暗め。しかし、このOP曲は爽やかで、それがまた妙に作品の雰囲気と合っていました。



“基本はノリの悪い私が 参加する
久々のドライブで皆ハイテンション 彼も来るの!
脈が今は無くとも 絶対行きますとも!”


「基本はノリの悪い」という歌詞をノリよく歌って曲はスタートします。ノリの悪いはずの「私」がドライブに参加するという内容。歌詞の主人公「私」「彼」にあこがれていることが分かります。「彼も来るの!」「行きますとも!」「!」でテンションの高さを表現しています。ボーカルの歌声が良く、歌詞も聴き取りやすいですね。

「海は日焼けするから 山にしよう」って
コートの季節なのに勘違いしてる”


曲調が変わり「海は日焼けするから 山にしよう」という提案の歌詞が登場。このフレーズは、この直後の「コートの季節なのに勘違いしてる」という歌詞で否定されます。ここも浮かれている、浮ついている様子が伝わってくる歌詞。コートの季節に、海で日焼けするようなことはまずありえない。けれども、思わずそんなことを言ってしまうほどテンションが上がっている。コーラスがいいタイミングで入ってきて、歌詞の登場人物のテンションを際立てています。

“どうしてなの? こんな嬉しくて ちぎれそうな程 笑っているのに
彼の背中 見ては胸つまる 絶えない笑顔の 渦の中で”


サビです。「どうしてなの?」という自分への問いかけと「笑っているのに」「胸つまる」切なさ。顔では笑っているのに、胸がつまりそうな思いをしている。「絶えない笑顔の 渦の中で」という歌詞も良いですね。「渦」という歌詞で、気持ちが「渦巻いて」いること、「渦中にいる」ことを表現しているんですね。背後に流れるストリングスのメロディが、明るい笑顔に隠れる切ない感情を際立てます。

この曲は、不思議と『RED GARDEN』OPにリンクしていました。それは、明るい曲調の中に切なさがあるから。根底に伝えられない想いがあるからです。『RED GARDEN』に登場するキャラクターは、見た目は普通の人間だけれど普通ではない力を手に入れた人々。形は違えど、この歌詞と同様に心の中に伝えられない想いを抱えていたんですね。

多くの日本のアニメ主題歌は、良くも悪くもある種の似たような傾向があります。この曲は、アニメ主題歌としては非常に珍しいタイプの楽曲。かなり挑戦していることが分かりますね。

『RED GARDEN』は、結構なアニメ好きでなければ知らないタイトル。ジルデコも、かなり音楽好きな人でなければ存在を知らないと思います。だからこそ、このアニメも、このグループも、もっと色々な人に知ってもらいたいですね。日本のアニメ文化・音楽文化の挑戦の歴史を作っているからです。



TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)

JiLL-Decoy association(ジルデコイ・アソシエーション、通称:ジルデコ) 2002年結成。メンバーはchihiRo(vocal)、towada(drums,リーダー)。2006年メジャーデビュー。ジャズ/ポップス/ロックをベースにしたオリジナリティあふれる楽曲、その楽曲を彩る愛に満ちあふれた歌が多くのファンを魅了して···

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