ハスキーボイスが魅力のユニット
GLIM SPANKYは、ギターボーカル松尾レミとギター亀本寛貴の2人組ユニット。閃光ライオットで2009年でファイナリストに選ばれ、注目されました。その後数年間ライブ活動を地道に続けて、2014年にいよいよメジャーシーンにあらわれます。
GLIM SPANKYの特徴は一度聴いたら忘れられない松尾レミの歌声。日本人は高い声で歌う人が多いですが、松尾レミは独特なハスキーボイス。若くしてこのハスキーボイスは、それだけでとても魅力的ですね。
水原希子が出演しているSUZUKIワゴンRスティングレーのCMでその声を聴いたことがある人もいるでしょう。松尾レミがジャニス・ジョプリンの『MOVE OVER』をカバーしています。声だけだと外国人かと思いますが、まさかの日本人アーティストのカバーだったんですね。
褒めろよは、自分への言葉ではない?
そんなGLIM SPANKYの『褒めろよ』はテレビドラマ「太鼓持ちの達人」主題歌。
『褒めろよ』はタイトルのイメージからすると「自分を褒めてくれ」ということかな?という印象を与えます。
しかし、実際に歌詞をきちんと確かめてみると「自分を褒めてくれ」ではないんですね。気にくわないものでも褒めて「味方にしてしまえ」という歌詞なのです。褒めるという行為に対しての皮肉のようでもあり本質をついているとも言えます。
褒めるというのは基本的には、味方を増やす目的の行為。本当は褒めたくない相手でも、ヨイショしなければならない時があります。
褒めろよ
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褒めろよ いつか世界が掌返すの見たいなら
褒めろよ でかい野望で敵を味方に変えてしまえよ
褒めろよ いつか時代の波が奴ら流し去るから
褒めろよ 神輿担いで祭り上げりゃご満悦だから
≪褒めろよ 歌詞より抜粋≫
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「いつか世界が掌返すの見たいなら」という歌詞のとおり。いつか見返したいなら、そんな野望があるなら褒めろよという歌詞。この曲は野望の歌なのです。
「批判すんのは簡単だろう」という歌詞も良いですね。野望がある人は人を批判してしまいがちです。しかし野望があるからこそ、人を褒めて「味方にしてしまえ」というしたたかさを推奨するのです。それは単なる「反抗」以上の熱さがありますね。
「太鼓持ちの達人」の主題歌だけあり、MVに太鼓がたくさん出てくるのも良いです。
作詞した松尾レミいわく「強烈な応援ソング」であるというこの曲。応援ソングだけど「がんばって」「応援してる」ではなく「褒めろよ」とくるところがしびれますね!
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)
●GLIM SPANKY(グリム・スパンキー) 新しい時代を感じさせるサウンドを鳴らす、松尾レミ(Vo/Gt)&亀本寛貴(Gt)からなる男女ニ人組ロックユニット。 アートや文学やファッション等、カルチャーと共にロックはあることを提示している。 2014年に1stミニアルバム『焦燥』でメジャーデビュ···