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加藤ミリヤの「WHY」に出て来る女の子は、実はあの歌の女の子と一緒?

彼女はいきなりブラウン管に現れた。それなのに昔から知っているような。高校1年生でデビューした当時、同じく女子学生達のカリスマであった。
子供扱いされたくない、でも大人になるのも怖い時期であるティーンエイジャーの気持ちを代弁してくれるかのような歌詞は、女性達の心を鷲掴みにしたのだった。特に満たされない気持ちを表現した恋愛ソングであったから尚更だ。


――――
ねぇ
「あんたなんか要らない」
そう言ってやりたい
ねぇ でもひとりにしないで
――――

2009年にリリースされた「WHY」。1番最初のフレーズからどうだろうか。綺麗事などいらない。口には出せないけれど誰しも一度は思った事があるであろう言葉をぶつけられ、心の中を見透かされた気がして恥ずかしくなる。

――――
散らかった部屋
煙草の匂い 革のソファー
何度もここに来てるのに
私の存在はない
いつも通りあなたは優しい
知らない女子からまた着信
あんたは何の悪気もなく
私を簡単に傷付ける
耐えきれずに部屋飛び出しても
追いかけて来ないのわかってる
私が投げ出せばすべて終わり
――――

優しさの定義について考えさせられる。彼女が遊びに来るであろうのに部屋は散らかり、煙草臭いその部屋のソファの横で知らない違う女の子と連絡を取り、その姿に嫌気がさし(いや、誰だって嫌だし)飛び出しても迎えにこない男なのに「いつも通り優しい」といってしまうのだ。どうか目を覚まして欲しい。でも自信がない時って、こんな私でも側にいてくれる。

彼を怒らす私が悪いみたいに気持ちがなってくるんだよなぁ。他人の恋愛だったら実に冷静な判断を下せるか加藤ミリヤの歌詞を見ながら思い知らされる。

――――
「どうして 私じゃだめなの?」
「どうして こんなに好きなのに」
「どうして 私に嘘つくの?」
「どうして?どうして?どうして?どうして?
どうして!」

――――

この歌がリリースされた少し前に「Aitai」という有名な曲がある。その曲も実に満たされない気持ちの歌で、推測するにはもうすでに恋人がいるであろう男性との内容であったが、なぜ加藤ミリヤはこんなにも恋愛にもがき苦しむ女性の気持ちが分かるのか。彼女の歌は1つのストーリーのようになっていて、ただ好きや嫌いじゃ表せなく、お気に入りのドラマの続編を期待してしまうような、そんな感じなのだ。ゆえに「Aitai」の中の女の子はその後どうなっただろうか、と思う時がある。まさか「WHY」の女の子と同一人物ではなかろうかと。

そうであったらいかに救いようがないことか。そりゃこんなにも「どうして」と言いたくもなる。だから加藤ミリヤの新曲が出る度に私は気になる。今度こそは自分だけを愛してくれる人に出会えたかどうかと。


TEXT:石川艶香

1988年生まれのシンガーソングライター。 2004年に「Never let go / 夜空」でデビューするとリアルで等身大な歌詞とメロディセンス、生きざまが支持され瞬く間に同世代女性のカリスマとして注目を集めた。 デビュー19周年を迎えた現在は自身のルーツでもある“ストリート”に 立ち戻り、サウン···

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