——サビは日本語と英語が交互に出てくるような感じで。
Yu:そうですね、「I can’t」って否定形なんですけど、響きだけ聞くと“can”って言ってるようにも聴こえるんで、後の日本語で否定形だっていう裏付けをしているのと、配信限定の『PRINCE』のアートワークの方は歌詞を載せて「can’t」だっていうのをわかってもらえるようにしていました。
——『PRINCE』のアレンジでこだわられたポイントは?
Kenji:シングルカットするものでシリアスなものっていうのはあまりやってこなかったからちょっと真面目な部分というと大げさですけどバンドらしい部分を出したいと思って。、僕の中のイメージだと『TOKYO』って2枚目のアルバムに入ってる『FEELING』って曲みたいなミディアムバラードなんだけど、ちょっと切なくてちょっと疾走感もあるみたいな良いとこ取りができたら良いなと思ってアレンジしました。
Yu:結構、車で移動するときに聴ける歌を意識して作りましたね!あとはこういうミディアムな曲にトロピカルなサウンドを使ったらどうなるんだろうっていう実験もしてみたりして。
Choji:ギターのことなんですけど、シングルっていうことでサビにリズムを細かく出すフレーズを入れてて。それがなかったらアルバム曲っぽくなっちゃうのかなって。
本来なら入ってなくてもいいようなことを入れるのが、曲をもう一段深くさせることなのかなっていうことを考えながらレコーディングもしました。
Yu:あとは隠し音もあるんだよね!実はヒーリングミュージックみたいなのも入ってて。
Kenji:Bメロにマリンバの音とタブラっていうインドの楽器がうっすら重なってて。これを単体で聴くとバリのホテルみたいなんですよ(笑)。
Yu:そう、マッサージ屋のフォンフォン鳴ってる音楽みたいな(笑)!だから癒し効果があるのかも。マジでバリ!
——面白いですね! なんでバリ入れようと思ったんですか??
Shuki:さっきChojiが言ったことにもつながるんですけど、この曲はシンプル且つ真面目でシリアスな雰囲気を出したいって思ってやってたんで、音数が多いっていうよりは伸ばす音を全体的に敷き詰めてて。でもそうなると逆に疾走感が出なかったりしたんでリズム感をあえて出すっていう絶妙なバランスを作るために打楽器的な要素として入れました。
Yu:確かに普通のバンドはやらないかもしれないね(笑)!あとは最初のギターも!
Choji:そう、イントロ始まって1秒以内にほんの少しだけギター入ってるんですけど、それもブルージーな感じを出せたのかなって思います!
——意識して聴いていなくても、知らないうちにこれらの効果にやられてるんですね!
全員:そうそうそう。
KSUKEリミックスの『TONIGHT』
——このコラボが生まれたきっかけは?
Yu: そもそも僕らはDJさんにリミックスしてもらってクラブで流してもらえるようなバンドを目指していきたいなっていうのもあって。海外だとバンドのリミックスが流れるっていうことは結構あるんですけど日本では本当に聞かなくて。日本ってジャンルを分ける癖があるんですよね。
クリエイターが固定概念を持って何かを作るって絶対つまんないものになるっていう方程式が僕の中にあって、I Don’t Like Mondays.ではジャンルを超えていきたいから今までもトライはしてきたんですよ。でも僕らの我が強すぎて結局“こうしたい”っていうことを言っちゃって僕らの曲になっちゃうんですよ。
でも、今後長い間音楽活動していくのであれば1曲に対して良い意味で肩の力を抜いて曲づくりを楽しむっていうことをしなきゃと思って、もう一回リミックスを頼んでみようってなりました。
——リミックスが戻ってきた時の感想は?
Yu:僕らの想像を裏切るような音を返してくれたんで、面白いなって思いました。
Kenji:外人っぽい感覚ならではのコード進行でしたね。わびさびとか起承転結がなくて、上がるか下がるか分かりやすいアレンジというか。『TONIGHT』の切なさを良い意味で抜いていたんで、そういう意味で裏切られたかなっていう気がしました。
——KSUKEさんのアレンジによって今までと違った方向からのファンも増えそうですね!
全員:そうですね!
Choji:『Shape of love』なんかもどんどんリミックスしてもらいたいですね!
Yu:やってもらいたいですね!
最後に…
——今回の収録曲の中から、好きなフレーズをご紹介いただけますか?Kenji:僕は、『Shape of love』の「Play hot 90s hip hop」っていうワードがやっぱり良い意味でこの曲の象徴になっているっていうか、普通だったらブッ込まないワードなんで。
Yu:HIP HOPじゃないもんね、この曲。
Kenji:良い意味で耳に引っかかるし、シチュエーションもイメージできるワードだと思うんで良いなって。
Choji:僕は『PRINCE』の「心の深い場所まで愛してみたいのさ」っていうところですね。この間ファンの皆さんと試聴会をやった時に、スクリーンに歌詞が流れたんですけど文字で見た時に改めて良い1行だなって思いました。
Yu:ありがとうございます(照)!
Choji:褒め合いみたいになっちゃった。
Shuki:僕も『PRINCE』で、「Maybe I can’t be your pronce」ですかね。この曲が今年1発目にできたものだったのでバンドにとってのターニングポイントで。僕らがこれからどういうバンドであるかっていうことを表す言葉でもあるし、Yuを表す言葉でもあるし。
プリンスじゃないって言ってるけど、プリンスっていう存在を意識してるっていうところがいいなって思ってます。
——なるほど!こんなこと言われたくないとか言ってすいません(笑)!
Yu:すいませんって(笑)!
Shuki:反応はもちろん色々あるんですよ(笑)!僕らの中ではとりあえず!
——Yuさんご自身ではいかがでしょうか?お気に入りのフレーズ。
Yu:僕は『On my way』の「明日の物語を今迎えに行くのさ」っていうところですね。僕らがバンドとして目指しているところとか、僕自身の成し遂げたいことのまだ途中ですけど、上手くいかないことももちろんある中で生きるってことは“明日を迎えに行く”ことなんだな。って書いていて自分で励まされた1行でした。
——ありがとうございました。では最後に、インタビューを見てくださった方に一言お願いします。
Yu:この一枚は新曲以外に過去の曲も入っているんで、今までの僕らの歴史もたどれるし、今回知ってもらった人には自己紹介できるような曲になっています。この夏みんながいろんなことを感じる中で状況に合わせて『SUMMER』からお気に入りの曲を見つけてもらえたらいいなって思います!
Shuki:このアルバム単体でももちろん聴いて欲しいんですけど、これを聴いた後に今までの映像であったり音も含めて聴くと、いい意味で僕らに対するギャップを感じられるかなって思うんで、今回の1枚だけで終わらずに、これをきっかけに今までのものを遡ってもらえるとより楽しめるかなって思います。
Kenji:今年になってバンドやライブをすごく意識して、この『SUMMER』もそうやって作りあげました。これを聴いて楽しんでもらうのももちろん嬉しいんですけど、ライブで一緒に盛り上がれたらいいなって思いますし、これからお客さんと一緒に曲たちを成長させていけたらいいなって思います。
Choji:『SUMMER』っていうタイトルにふさわしい曲ばかり入っているので、どこかに出かけるときでもいいですし、一人で旅に出るときとかいろんなシーンで使ってもらえたらいいなって思います。お気に入りの曲を見つけたら、生でライブに来て楽しんでもらえたらなって思います!
Photo:片山拓
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