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「どれか1つはあなたに刺さる曲がある」當山みれいが一生懸命書いた『願い E.P.』の歌詞を読んで!【インタビュー】 (2/2)


中学1年生でニューヨークへ留学した當山



──冒頭に「東京に持った大きな期待」っていうフレーズ、実家を離れて始まった新生活に当時の彼も彼女も胸を膨らませていたのがわかる部分ですね。當山さんご自身もニューヨークでの生活を経験されていますし気持ちが重なる部分も多いんじゃ?

みれい:留学した時はホームステイだったっていうのもあってすごく恵まれた環境だったんで、ただそこにいて楽しく音楽をやっているっていう感じだったんですけど、中3の時に上京してきてからの方が厳しくて。リリースできない期間があったり、思い通りにいかへんことが多かったりする中で同じように感じていた人がいっぱいいるんだってことにこの曲で気付けたので、同じように思っている人もいるやろなと思って入れました。


──中学1年生で留学って行動力がすごいですよね!

みれい:若いからです(笑)!若いっていうかちっちゃい!


──踏み切れたきっかけってなんだったんでしょう?

みれい:単純に音楽への好奇心がすごくて、広い世界にずっと出たかったんです。ニューヨークにいた時も小中学校で人間関係があまり上手くいっていなくてすごい狭いコミュニティーでやっていかなあかんくて、その現実逃避じゃないですけど、唯一息抜きができる時間が歌ったり踊ったり音楽を聴いている時間やったんで、それをすごいいろんな人たちがいるニューヨークっていう広い世界でできるってなったら怖いっていうような気持ちはなかったんですよね。


──ニューヨークに行こうっていう選択肢が出てくるのもすごいことですよね。

みれい:憧れてたんです、めっちゃカッコイイじゃないですか(笑)。チャンスやったんで、ちゃんと掴めてよかったなって思いますね。


──なるほど。学生の頃って本当に狭い世界で生きているからそれで悩んでる人もきっといつの時代も多いですよね。

みれい:私が音楽をやっててそういう人の息抜きになればいいなって思います。



アルバムのテーマ



──『願い〜あの頃のキミへ〜』に限らず、5曲通して別れてしまった人への想いが描かれていると思うんですけど、このようなテーマでE.P.を作ろうと思ったきっかけは?

みれい:前回の『君のとなり』っていうシングルが涙活っていう活動で一緒にやったプロデューサーさんとの経験があって、今回のE.P.全体が泣けるE.P.になればいいなと思って。泣いてしまうくらい心が動かされるE.P.になればいいなっていうことを意識して作ったら悲しげな曲がいっぱいできました(笑)!


──全体を通して製作期間はどのくらいだったんですか?

みれい:『Missing You』は何ヶ月も時間かかりましたが、『My First Heartbreak』と『Goodbye My Love』は、どちらもフィンランドで作ったんですが、1日1曲というペースで作りました!


──フィンランドへは作曲の合宿に?

みれい:そうです!初めて行きました。フィンランドの作曲家さんとアジアのアーティストを繋ぐ合宿で、ヘルシンキっていうところに行ってきました。ムーミンのところです!


──なるほど!壮大でまったりした感じだったんですね?

みれい:まったりしていました!あと、ほぼ白夜なんですよ!夜の22時くらいまで明るくて時間の感覚がおかしくなりました(笑)。


──フィンランドでこんな悲しい曲たちが生まれたって…何かあったんですか?

みれい:(笑)!もちろん自分の経験もあるんですけど、グループで曲を作っていくんで、「私は泣ける曲が作りたいから、みんなの失恋経験を教えてください!」って言ってみんなと経験を話してから作っていきました。



『First Heartbreak』



──この曲では特に情景描写が具体的にされていますね。

みれい:そうですね。今、動画を作るのって流行っているじゃないですか、1年を振り返るような動画に使ってもらえたらいいなっていう狙いがあって入れました!もう何件か作った動画を見せてくれる人もいて、すごく嬉しいです。


──この曲は切ない歌詞とメロディーのコントラストがあって前向きになれるように感じました。メロディーに関して意識したことを聞かせてください。

みれい:泣ける歌って書いてるとバラード調になりやすいんで、もうちょっとリズミカルというかスピード感もありつつ切ない感じっていうのを作曲家さんにもお願いしました。結構ライブで歌いやすい曲にしたいなっていうのもあったんで。


──いいとこ取りができている気がします。

みれい:デビュー当時の私って“強い當山みれい!!”って感じで、『My Way』とか『君のとなり』の頃は“弱い當山みれい〜”って感じだったんですよ(笑)。でもどっちの自分もいるじゃないですか、このE.P.の中にはどっちの自分も入れたいし、どっちの状況の人が聴いても共感できるようにっていうことを意識した時にこの曲では、いつもは強いけどそれが弱まってしまった女の子の気持ちを描きたくてツンデレに近いような感じになりました。


──當山さんが恋愛した時もやっぱり強い自分弱い自分両方出てきますか?

みれい:昼と夜によって違うんですね(笑)!昼強いんですけど夜弱いです(笑)。夜更かしした日の寝る前とかえげつない。朝起きてみたらなんやったんやろ、幻…ってなる(笑)



深い悲しみの中に前進する力を見た『Missing You』



──『Mising You』はMVがとにかく…泣くに決まってます(笑)。難しいテーマでしたね。

みれい:あのショートムービーを見せてもらって、映像に乗るような曲をって言われたんですけど、自分が親との関係が良かったんで親子愛とか大事にしてきたし、命がなくなるっていうところも描かれているから、言葉をどう選んだらいいんやろってすごい悩みました。生半可な気持ちで向き合えなかったというか。
…同時期に親戚の方が亡くなって、その人のこととかを思いながら書きました。人間関係って、疎遠になることがあってもまた会えると思って過ごしてるけど、本当に会えなくなるし、でもいつかは絶対人間って死ぬっていうところを避けずに書いて、尚且つあのムービーみたいに前に進める曲って思ったら、すごく歌詞を書くのに緊張しました。その代わりいい曲ができたなって今すごく思います。


──冒頭の「眩しい朝 ベットの上 鳴り響く時計を止めて起きる」っていう情景描写が生活の中にいた人がいなくなってしまったことを物語っていて世界観に入り込んでしまいます。

みれい:自分が上京してお母さんがいなくなって思ったことを重ね合わせました。ショートムービーに出てくるお母さんはすごい愛のある嘘をついていたし、自分が留学と上京をする前の親と重なる部分もあって、自分が一番泣きながら書きました。ボロボロ(笑)!


──この歌詞は娘の立場から書かれていますが、あのショートムービーを見ているとお母さんの目線でも考えてしまいます。

みれい:そうですね、自分がもし親の立場だったとしてもきっと同じことをするやろなって思います。でも自分は娘の成長を見ていられないじゃないですか…もう…泣きそうです(笑)!
その愛を感じながら書きましたね。あの女優さんとお子さんは本当の親子らしいんですよ。それを聞いてからムービー見たらまたホンマのお母さんの目をやっぱりしていて暖かいなって思って余計泣けました。


──『冷たい毎日を耐えるほど 優しさを忘れそうで怖くなるよ』というフレーズがとても印象的でした。これは當山さんご自身が体感したことでもあったんでしょうか?

みれい:そうですね、やっぱり元気もらえるのはわかってるんですけど迷惑も心配もかけたくないし電話もせんくなって、自分が感じている嫌なこととかあんまり言わんようにするんですよ。そしたらどんどん自分も人に対して冷たくなって余裕も出来ひんしそんな自分が怖くなる瞬間があったのを思い出しました。ここは本当に自分が体験した嫌な思い出ですね。


──そういう時、自分のマインドをどういう風に持って行って乗り越えたんですか?

みれい:そんだけ苦しむことって自分のこだわっていることとか好きなことに対してしかないから、そういうことがあるっていうことがすごいことやと思うし、悩むのはそれだけ自分の理想とか目指すことが高いからだから、そこに気がつけたら前進する力になると思ってます。だから私は今は悩めるだけ悩もうって思えるようになりました。



最後に…

──このインタビューを見てくれた皆さんに、一言お願いします。


みれい:この『願い E.P.』っていう1枚は、みんなが涙が出てしまうくらい心を動かされるような曲を作ろうと思って一生懸命書いた5曲が入っていて、どれも違うストーリーになっているんで、どれか1つはあなたに刺さる曲があるんじゃないかと思います、是非聴いてみてください!


Photo:片山拓


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1998年7月27日生まれ。21歳。 大阪府出身~NY経由 Z世代のリアルを叫ぶ次世代型ソングライター。 YouTubeでのMV総再生回数は4,000万回、サブスクでの楽曲総再生回数は3,500万回を超える。 LINE MUSICウィークリーチャート1位の他、AWA等の音楽配信サービスでも多数1位を獲得している“サブ···

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