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青春の1ページを鮮やかに切り取ったBOØWYのB・BLUEが、「BOYS & GIRLS」へ今語るもの

JR高崎駅に謎のBOØWYポスター現る、というニュースに胸が高鳴った方もたくさんいらっしゃったと思う。もちろん私もその一人だ。 BOØWYは1981年に結成し、1987年解散という短い活動期間ながらも、再結成してほしいバンド1位に入るなど、解散して30年近く経った今もその人気は衰えず、日本のロック史に残る伝説のバンドだ。
またGLAYなど、後に日本を代表することになるロックバンドやアーティスト達に多大なる影響を与えたと私は考える。

そしてこの度バンド結成35周年を記念して、8/7に「“GIGS” CASE OF BOØWY」コンプリートCDボックスが発売される。今回はその収録曲の中から、先日群馬で開催されたBOØWYファンによる1000人ROCK FESでも演奏された「B・BLUE」を取り上げたい。


BOØWY 「B・BLUE」

「B・BLUE」は1986年に発売された4枚目のシングルで、BOØWYとしては初のビッグ・ヒットを記録した楽曲でもある。

私の解釈だが、爽やかで疾走感に溢れた楽曲だが、歌詞には別れた恋人への想いが綴られている。



――――
乾いた風にかき消されて 最後の声も聞こえない
歪んでく街並みも 色あせて
振り向かないで今はまだ 思い出をLONELY ANGEL
今度こそは 幸せになる事祈ってる
OH BABY TRUE 素直になれずに
OH BABY TRUE 優しさには照れてばかりで

ポケットにつめ込んだ 夢だけで過ごせたネ
このままでいつまでも続くなんて
夜の吐息に飲み込まれて 震えていたLONELY ANGEL
さみしい笑顔がある事も 気づかずにいた俺
――――

俺は彼女の元からバイクで颯爽と走り去った。過ぎ行く風に彼女の最後の声もかき消され、聞こえない。涙で歪んでく街並みも色あせて見える。
どうか振り向かないでくれと、バイクのサイドミラー越しに映る彼女の後ろ姿に呟く。

今はまだ思い出に浸っていたいんだ。今度こそお前が幸せになってくれることを祈って。素直になれなくて、お前の優しさにも照れてばかりで。夢だけで過ごせる日々がいつまでも続くと思ってた俺は、真夜中、お前が笑顔の裏でさみしさに震えていたことにも気付いてやれなかった。


不甲斐ない自分を責めて、後悔して。別れることになったけど、それでも彼女の幸せを誰よりも祈ってる。
歌詞の中に“バイク”というワードは一切出てこないのだが、歌詞の内容と、メロディーの疾走感から、彼は別れる際にバイクで彼女の元から去っていったのではないかと感じたのではないだろうか。

バイクで風を切って走り去った為に“かき消された彼女の最後の声”、街中をバイクで走り抜けているような臨場感を感じる“歪んでく街並み”、そして別れた直後の彼女の様子をサイドミラーから見ているかのような“振り向かないで今はまだ”の言葉。
この歌詞の背景に“バイク”を存在させることで、スムーズに歌詞の内容が理解でき、加えて爽やかで疾走感のあるメロディーの理由にも納得がいく。

――――
OH BABY TRUE 不器用な愛で
OH BABY TRUE いつも傷つけあってたネ
OH BABY BLUE 抱き合っていたけど
OH BABY BLUE 違う明日を見つめてた
ON THE WING WITH BROKEN HEART やぶれた翼で
ON THE WING WITH BROKEN HEART もう一度翔ぶのさ
ON THE WING WITH BROKEN HEART こわれた心で
ON THE WING WITH BROKEN HEART もう一度笑ってよ
TO THE BOYS & GIRLS
――――

お互い素直になれずにいつも傷つけあってたけど、それでも一緒にいたかった。だけどそれぞれが違う未来を見つめてたから、俺たちは別れを選んだ。

俺はやぶれた翼でもう一度夢に向かって羽ばたいてみせるから、お前はもう一度笑って見せてよ。

この歌はただ単に、別れた恋人への後悔や未練を歌った歌ではなく、別れた恋人同士がそれぞれ幸せな未来へ向かう為の新たなスタートを切るという、門出の歌と推測される。これからは別々の道を歩むけど、俺は夢に向かって頑張るから、お前は幸せになって、また笑ってよ、と。


BOØWY を聴くファンの人達へ

そしてBOØWYを聴いてくれているファン(TO THE BOYS & GIRLS)へ、
青春時代って苦くて酸っぱくて、たまーに甘くて、間違いばかりで後悔ばかりだけど、でも負けんなよ!ぼろぼろの翼でもいいから夢に向かって諦めずに挑戦しろ!何度傷付いても恐れずに恋しろよ!
そんな熱いメッセージを込めた歌なのではないか。
聴いてくれているファンにこの熱いメッセージが届くよう、想いを込めて氷室は毎回ライブで、このB・BLUEを歌っていたに違いない。

新たな門出、それぞれの幸せな未来を願う気持ち、そして青春の1ページを鮮やかに切り取っていくように颯爽と走り去るバイク。
ブルーな気持ちとは裏腹に、旅立ちの日の空は雲ひとつない美しく澄んだ青空だったのだろう。

BOØWYの楽曲は世代を越えて、これからも私達に“失われることのない青春の輝き”を与え続けてくれる。


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