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宮崎駿より早かった?Plastic Tree『サナトリウム』に込められた引用のマジックとは

今回はPlastic Treeの『サナトリウム』について書いてみたい。 『サナトリウム』は彼らの28枚目のシングルで、2009年にリリースされている。現ドラマー・佐藤ケンケンが初めて本格的に参加したCDでもある。

2017年9月19日

Column

辻瞼


この記事の目次
  1. ・Plastic Tree 最新情報
  2. ・最新リリース情報
  3. ・配信情報
  4. ・ライブ情報
  5. ・ゲーム情報
  6. ・Plastic Tree Profile
『アローンアゲイン、ワンダフルワールド』『リプレイ』『梟』と、それぞれテイストは違うが4回連続の失恋ソング続きで、ファンとしては「そろそろいい加減にしてくれー」と根を上げそうになる1枚でもあった。だがいずれも、曲としてとてもいいことに変わりはない。

リリースから6年経った今、改めて冷静に『サナトリウム』を紐解くと、あるからくりが見えてきた。例えば1番の歌詞。


こゝろ閉じて、いろんな僕、胸の中に溶かしました。
禁じられた遊びで燃やせば 孤独ってきれいな色。


「禁じられた遊び」とは、アカデミー賞を受賞した古いフランス映画だ。戦争のさなかで孤児の少女と家庭のある少年が出会い、犬の死をきっかけに十字架を盗んでいく。十字架は終盤、川に捨てられ、燃やされるわけではないので、歌詞においては、タイトルから雰囲気を捉えれば充分かもしれない。
2番の歌詞を見てみよう。

風立ちぬ、甘い屑が数えきれず散らかりそう。
かき集めてパズルを作れば、恋も素敵なこと。


「風立ちぬ」は宮崎駿の映画の原作にもなった、堀辰雄の文学作品のタイトルだ。舞台は戦時中の日本で、主人公は飛行機造りに没頭する青年。そして主人公の恋人は、サナトリウムに入院している。

1番の歌詞での引用と共通するのは「戦争」だが、おそらく「禁じられた遊び」は「風立ちぬ」に対する引き立て役のようなものだろう。実際に堀辰雄の『風立ちぬ』を読むと、プラスティックトゥリーの『サナトリウム』との共通点があまりに多い。『サナトリウム』に隠されたからくりとは、あくまで下地のある、完全にフィクションの世界を描いている、というものだ。

もう少し深読みしてみよう。「甘い屑」とはなんだろう?
この『サナトリウム』『風立ちぬ』を下地にしていることがわかれば簡単な謎解きだ。「数えきれ」なくて「散らか」る「屑」といえば、手紙だろう。形容詞に「甘い」とあるのでここでは、おそらくラブレターのことを指している。
「ラブレター」「恋文」「手紙」という言葉を選ばず、「甘い屑」と表現してしまうところに、プラスティックトゥリーらしさが垣間見える。このバンドを説明する際、しばしば「歌詞が文学的だ」と表現されるが、「甘い屑」という歌詞はまさに文学的な言い方だ。

宮崎駿が『風立ちぬ』の戦争面にフォーカスしたとすれば、プラスティックトゥリーは恋愛面にフォーカスしている。
曲を聴いてもらう、人に音楽で何かを伝える、という場面では、恋愛をテーマにした方がわかりやすいのかもしれない。

もちろん、『風立ちぬ』はあくまで下地だ。もっと読み解いていくと、プラスティックトゥリーが独自に世界観を作り上げていることもわかってくる。

花束の花がひとつずつ、
枯れてくのを眺めているような。
触れないことにただ気づいて、
待ちこがれた涙が出た。


『サナトリウム』の歌詞の世界はあくまで失恋ソングだ。『サナトリウム』は和訳すれば療養所の意味で、病院とはちょっと違い、重症患者が心身を休めるための施設で、山奥にあったりする。そしてこの前には、「恋は虫の息です」という歌詞がある。つまり、恋人は「虫の息」から死へ向かい、「枯れていく」のだ。
死というテーマが見えてくると、「禁じられた遊び」の引用もむやみなものではないことがわかる。歌詞の主人公は「待ちこがれた涙」を流して、恋人の死を悼んでいる。


神様に嘘をついて、引き換えにさ、何もらったの?
指の隙間滑り落ちたのは、いつの日のことでしょう。



個人的には、この『サナトリウム』という曲は、プラスティックトゥリーの歌詞世界全体における真骨頂ではないかと考えている。上の引用は抽象的だが、ここまで読み解いてみればなんとなく伝わってくるものがあるはずだ。ハッキリとは歌わず、遠回しな表現を多用することで、絵画のような美しさがある。淡い水彩で、静かに優しく、画用紙に絵を描いているようだ。

『サナトリウム』はあくまで失恋ソングだが、単なる失恋ソングとして流し見できない魅力を秘めている。

Plastic Tree 最新情報

最新リリース情報

Plastic Tree
New Single「インサイドアウト」
2018年7月25日発売

■「インサイドアウト」:PlayStation(R)Vitaゲーム「Collar×Malice -Unlimited-」主題歌
■「灯火」:PlayStation(R)Vitaゲーム「Collar×Malice -Unlimited-」エンディングテーマ

【初回限定盤A】 (CD+DVD) / \1,800(+税) / VIZL-1409
[CD]通常盤と同内容
[DVD]
「インサイドアウト」Music Video

【初回限定盤B】 (CD+ブックレット) / \1,800(+税) / VIZL-1410
[CD]通常盤と同内容
※豪華フォトブックレット付属

【Collar×Malice盤】 (CD) / \1,200(+税) / VICL-37412
[CD]通常盤と同内容
※ゲームジャケット仕様

【通常盤】 (CD) / \1,200(+税) / VICL-37413
[CD]
1.インサイドアウト
2.灯火
3.インサイドアウト(Instrumental)
4.灯火(Instrumental)

【New Single「インサイドアウト」4形態同時・早期予約キャンペーン】
対象店にて、New Single「インサイドアウト」(全4形態)を対象期間中に4形態同時予約頂いた方に、「インサイドアウト」オリジナルめんこセット(4種入り)をプレゼント致します。

【対象商品】
Plastic Tree 7月25日(水)発売New Single「インサイドアウト」
・初回限定盤A[VIZL-1409]
・初回限定盤B[VIZL-1410]
・Collar×Malice盤[VICL-37412]
・通常盤[VICL-37413]

【対象店舗】
タワーレコード全国各店/タワーレコードオンライン
ローソンHMV全国各店/HMV&BOOKS online
Amazon.co.jp
※Amazon.co.jpでは、特典付商品カートがアップされます。ご要望のお客様は特典付商品カートにてお買い求め下さい。

【対象期間】
6月1日(金)0:00~7月8日(日)23:59 まで

※一部店舗では特典が付かない場合がございます。事前にご予約・ご購入される店舗にてご確認下さい。

配信情報

iTunes Store、レコチョク、moraなど主要サイトにて、7月25日より配信。

Plastic Treeの旧作品はiTunes Store、レコチョク、mora主要サイト他、LINE MUSIC、Apple Music、AWAなど定額制音楽ストリーミングサービスでも一部楽曲配信中

iTunes Store:  
https://itunes.apple.com/jp/artist/plastic-tree/id151146953
レコチョク:  
http://recochoku.jp/artist/2000006145/
mora:  
http://mora.jp/artist/132118/all
Apple Music: 
https://itunes.apple.com/jp/artist//id151146953
LINE MUSIC: 
https://music.line.me/artist/mi0000000000fa7f16/album
AWA: 
https://s.awa.fm/artist/a25d92622945603ed217/?playtype=copy_artist&t=1492197063

ライブ情報

【Plastic Treeパシフィコ横浜国立大ホール“全14アルバムリクエスト”公演2018】
■第一幕【Plastic】things/1997–2006
[公演日]2018年7月7日(土) [開場/開演] 13:30/14:00
[会場]パシフィコ横浜

■第二幕【Tree】songs/2007–2018
[公演日]2018年7月7日(土)  [開場/開演] 17:30/18:00
[会場]パシフィコ横浜

[チケット料金] ¥6,800(税込)
※3歳以上有料/3歳未満入場不可
※全席指定
[お問い合わせ] KMミュージック 045-201-9999

昨年、大盛況で幕を閉じた全アルバムリクエスト公演が今年もパシフィコ横浜にて開催決定!
今回も昼、夜の2部構成のライブとなります!
内容はメジャーデビューからの前期1997年~2006年までのアルバム、後期2007年~2018年までのアルバムから皆さまのリクエストを頂き、それぞれトップ1枚のアルバムを完全再現。
他、次点のアルバムから楽曲をメンバーがセレクトし、バンド自身のこれまでの歴史を実演致します。Plastic Treeと皆様で演る”完全再現”ライブ。リクエストに是非ご参加ください。

[対象作品]
第一幕【Plastic】things/1997–2006
Hide and Seek (1997/07/10)
Puppet Show (1998/08/26)
Parade (2000/08/23)
トロイメライ (2002/09/21)
シロクロニクル (2003/10/22)
cell. (2004/08/25)
シャンデリア (2006/06/28)

第二幕【Tree】songs/2007–2018
ネガとポジ (2007/06/27)
ウツセミ (2008/09/24)
ドナドナ (2009/12/23)
アンモナイト (2011/04/06)
インク (2012/12/12)
剥製 (2015/12/23)
doorAdore (2018/03/07)

【Plastic Tree Autumn Tour 2018「in the other side」】
■2018/9/16(日) 仙台/Rensa [OPEN 17:00/START 18:00]
[問]クールマイン TEL;022-292-1789

■2018/9/22(土) 熊本/B.9 V1[OPEN 17:30/START 18:00]
[問]BEA TEL;092-712-4221

■2018/9/23(日) 福岡/DRUM LOGOS[OPEN 16:00/START 17:00]
[問]BEA TEL;092-712-4221

■2018/9/28(金) 名古屋/ボトムライン[OPEN 18:00/START 19:00]
[問]キョードー東海 TEL;052-972-7466

■2018/9/29(土) 大阪/なんばHatch[OPEN 17:00/START 18:00]
[問]キョードーインフォメーション TEL; 0570-200-888

■2018/10/6(土) 神奈川/神奈川県民ホール[OPEN 17:00/START 18:00]
[問] KMミュージック TEL; 045-201-9999

【チケット料金】¥5,800(税込)
◎3歳以上有料/3歳未満入場不可
◎オールスタンディング *10/6神奈川県民ホール公演のみ全席指定
◎当日1drink order *10/6神奈川県民ホール公演を除く

ゲーム情報

「Collar×Malice -Unlimited-」について
【製品概要】
---------------------------------------------
タイトル:Collar×Malice -Unlimited-
(読み:カラーマリス アンリミテッド)
対応機種:PlayStation(R)Vita
ジャンル:ラブ×サスペンスAVG
CERO:審査予定
発売予定:2018年7月26日

通常版 6,804円(税込)
限定版 8,964円(税込)
DL版 6,264円(税込)
ツインパック 11,448円(税込)

【スタッフ】
プロデューサー:島れいこ

ディレクター:吉田博明、尾河依

原画・キャラデザ:花邑まい
ちびキャラ原画:夏目ウタ

シナリオ:有野幸、小縞なお、砂原有季

音楽:MANYO

Plastic Tree Profile

Official Site
http://www.plastic-tree.com/

Label Site
http://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A023907.html

Plastic Tree・プロフィール
1993年12月、有村 竜太朗と長谷川 正がPlastic Treeを結成。

精力的なLIVE活動で着実にファンを獲得し、1997年6月「割れた窓」でメジャーデビュー。作品は攻撃的なギターロックからポップなものまで多岐にわたり、ボーカル有村の特徴的な歌声とバンドの持つ独特な世界観で、唯一無二の存在として 確固たる地位を確立。その世界観は海を越え海外でも人気を集め、ワールドツアーを敢行するなど世界的にも評価の高いバンドである。

2012年にメジャーデビュー15 周年を迎え、レーベル移籍。その後もコンスタントにリリースを重ね、2015年には初の男子限定公演や主催イベントを開催。同年12月におよそ3年振りとなるニューアルバム「剥製」をリリースし、2016年3 月〜5月で春ツアー「剥製」を開催。8月には3年連続で「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」出演するなど精力的にライブ活動を続ける中、8月17日にPlayStation Vita用ゲーム「Collar×Malice」オープニング主題歌「サイレントノイズ」をリリース。9月から全国ツアー「Black Silent/White Noise」を開催し、10月10日に東京国際フォーラムホールAでツアーファイナルを迎えた。2017年にメジャーデビュー20周年を迎え、1月25日にシングル「念力」を、6月21日にはシングル「雨中遊泳」をリリース。7月29日には周年“樹念”で初のパシフィコ横浜公演を開催。

9月6日にはトリビュートアルバム「Plastic Tree Tribute〜Transparent Branches〜」を発売。2018年3月7日には自身14枚目となるオリジナルフルアルバム「doorAdore」をリリース

表現したい音楽を突き詰め、自分の意思を…

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