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Wiennersの『蒼天ディライト』で音楽の守護霊を感じたい

Wiennersは男女混成の4人組バンド。ギターボーカルの玉屋2060%は、でんぱ組.incへ『でんでんぱっしょん』『サクラあっぱれーしょん』、ベイビーレイズJAPANへ『栄光サンライズ』などの楽曲提供をおこなっていることでも知られています。
『蒼天ディライト』はこのバンドの代表曲の一つ。疾走感あふれるリズムに玉屋の不思議な歌詞がのります。「ディライト」は喜ばせる意味。この曲は喜びを歌っています。

Wienners 『蒼天ディライト』



“Start ソングオブ青春のビート
ボアダムを切ってぶっ飛んだアイディアを
Pack 弁当に詰めましょう 悔い、甘美がなす半生を
揺れる電気ノイズの音が月明かり 闇の奥にはユートピア
君への合言葉"Oh Yes!"
蒼い時代は未来 さあフライ”



タイトルの「蒼天」「青春」「蒼い時代」「青空」と単語を変えて登場。この曲は、青春の喜びを歌っているんですね。

「ボアダム」は退屈の意味。退屈を振り切って、ぶっ飛んだアイディアを弁当に詰めましょうと歌います。「弁当」は、生きる糧である食料を簡単に取り出せる箱から転じて、いつでも思い出せる自分の気持ち・心の象徴になっています。心の弁当箱には、「悔い」「甘美」が入っているんですね。

「闇」があるからこそ、「ユートピア」が際立つ

後半の伏線でもある「揺れる電気ノイズ」のフレーズが、女性声で登場。声の変化をつけて、フレーズを際立たせます。曲で使われている楽器の音を聴けば分かるように、「揺れる電気ノイズ」はギターやシンセの音を表します。人生に「闇」があっても、音楽が「月明り」となり「ユートピア」=理想郷へ導いてくれると歌っているんですね。


玉屋は、例えばアイマリンに提供した楽曲『Dive to Blue』でも「ユートピア」の歌詞を「ディストピア」と共に使っています。「闇」があるからこそ、「ユートピア」が際立つ構造。


“oh Delighted バイバイじゃあねマイユース 君を狂わす青空
そっとあの日の頬に kiss kiss kiss 手放せない 決して色褪せない
ファンファン Love with music 今夜百年越しの想いを
実らせればいつか立てるかな? 永遠に眺める My dear stage”



勢いを保ったままサビに入ります。「バイバイじゃあねマイユース」自身の若さ・青春にさよならしている歌詞。しかし青春は「決して色褪せない」。その絶妙な感覚を言葉にしています。若さは必ず失われます。

人は年をとるにつれて、あの頃は若かった・青春していたと過去を懐かしむようになります。この曲が素晴らしいのは、過去を懐かしむ気持ちはあるものの、青春は「決して色褪せない」と歌っているところです。若い頃に抱いた想いを、人は簡単に「手放せない」と言っているんですね。

この曲はさらに「百年越しの想い」とスケールの大きさまで表現します。この青春の想いは百年続くと言っているのです。


“誰かの罵声と嫌味が耳障り 邪魔なエネミーと野次を
蹴飛ばせばパラダイス”


「蒼天」に向かう気持ち

生きていれば誰かの罵声や嫌味がどうしても聞こえてきます。しかしそんな嫌な敵や野次を蹴飛ばせば「パラダイス」楽園へ行ける。この曲は、繰り返し「闇」から明るい場所、すなわち「蒼天」に向かう気持ちを歌っています。


“揺れる電気ノイズ 闇の奥に守護霊
揺れる電気ノイズ 闇の奥に守護霊
揺れる電気ノイズ 闇の奥に守護霊
揺れる電気ノイズ uh 私を守る守護霊
揺れる電気ノイズ 闇の奥に守護霊
揺れる電気ノイズ あなたを守る守護霊”



後半の曲調が変わる箇所がポイント。「揺れる電気ノイズ 闇の奥に守護霊」のフレーズを繰り返します。ギターやシンセの電気ノイズの奥に守護霊を感じる。音楽がもつ霊的な力を強く信じているんですね。その霊的な力は「私」を、さらには音楽を聴く「あなた」も守ってくれる。その霊的な力は、たとえ若さを失ってもなお、百年残るものだ。歌い手がそう信じているんですね。


Wiennersは、この曲を発表した当時からメンバーが変更になっています。楽曲の魅力がありながらも、必ずしも順調に進んでこれたわけではありません。しかし、2013年に発売されたこの曲はずっと「色褪せていない」


困難があっても新たなユートピアに向かって、バンドが、音楽が進んでいるのです。この曲がいつまでも色褪せず、百年残りますように



◆Wienners(ウィーナーズ) 2008年、玉屋2060%(Vo/Gt)を中心に吉祥寺弁天通りにて結成。 メンバーは玉屋2060%(Vo/Gt)、アサミサエ(Vo/Key/Sampler)、 ∴560∵(Ba/Cho)、KOZO(Dr)。 予測不可能な展開、奇想天外かつキャッチーなメロディーに人懐っこい男女ツインボーカル絡み合う···

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