「バイバイ」一つを取っても、いろんな想いを含んでいます。
――『チクタク』を作るうえでのイメージがあったら、ぜひ教えてください。edda:最初に監督さんから言われたのが、「エンディングではちょっとひと息つくような、ほっとするような歌が嬉しい」と言うことでした。そこからああいう(ポップで軽やかな)感じにしたんですけど。
「チクタク」というタイトルや言葉は、「いろんな時の流れや平行世界など」をギュッと凝縮した想いとして現しています。「時が流れる」のは「前へ進むこと」でもあるように、とても前向きなこと。だけどその中へは、つねに不安ややりきれなさを孕んでいる。「それでも前へ進んでいくんだ」という希望を現せたらなと思い、作りました。
――eddaさんの作り上げる歌には、つねに相反する感情が背中合わせで共存していません?
edda:私、一面しか見えないものにあまり魅力を感じないところがあって。だからeddaとして表現するものにも、捉え方によっては別の側面もあるという風に表現してゆくことを心がけています。それに、一つ一つの物語の中へ出てくる主人公自身にいろんな感情があるのは当たり前のこと。その感情を描くうえでの言葉選びや、どういう目線を持って描くかが一つ一つの歌になってゆく。ただ、eddaの性格上、たとえ明るい表情の中にもちょっとダークな部分や沈んだ言葉を潜ませ描くところがある。むしろ、そこがeddaの中へ一貫してある表現スタイルなのかも知れません。
――『チクタク』の中でeddaさんなりに気に入ってる歌詞の一節があれば、ぜひ教えてください。
edda:サビ終わりに「バイバイ」と言葉を記したんですけど。そのひと言を取り上げても、中にはいろんな気持ちや感情が複雑に、たくさんの本音となって詰め込まれています。
それは前へ進んでゆくうえで弱い自分と決別するためのバイバイであったり、これまで寄り添ってきた人たちとのバイバイだったり。「バイバイ」一つを取っても、そこには「明るく前向きなバイバイ」も「悲しいバイバイ」もといろんな想いを含んでいます。だから歌うときも、いろんな想いの方向で耳や心に響くバイバイに聞こえるようにと歌いました。
――「もう怖くなんてないよ バイバイ」と一節を取っても、その中にはポジティブ/ネガティブいろんな感情が詰め込まれているわけだ。
edda:いろんな風に解釈していけるし、そこを楽しんで欲しいなと思います。
――この歌、アニメを観ていく中でもどんどん受け止め方が変わりそうですね。
edda:そこは意識しています。私自身がアニメの第一話と最終話のお話を知ったときに異なる心象を覚えたように、どちらの印象にも受け取れる言葉を意識しながら書いています。物語の展開に合わせ『チクタク』の印象も変わっていったら嬉しいですね。
キラキラしたワードをどう使うか
――『ディストランス』と『魔法』は、映画「アヤメくんののんびり肉食日誌」の主題歌と挿入歌へ起用中。こららも、作品の世界観を意識して制作した形なのでしょうか?
edda:はい。『ディストランス』は「明るい曲を」と言われたことや、「アヤメくんののんびり肉食日誌」自体がポップで可愛い映画だったことから、はちゃめちゃなサウンド感も意識しつつ、ただ明るいだけではなくeddaとしての世界観も投影したかったこともあって、銀竜草(ぎんりょうそう)という花を題材に歌詞を書きました。
――銀竜草??
edda:銀竜草は腐った肉の上に咲く腐生植物。映画に出てくるアヤメくんと椿ちゃんのちょっと狂った恋の形を、『ディストランス』の中では、腐った肉側の目線で…その腐った肉が銀竜草をすごく愛していて…という目線で書きました。
『魔法』は、「バラード」「この部分に流します」と、まだ音の入ってない映像を先に見せていただきました。それを見たうえで、そのシーンに合う心の動きや音を意識して作りました。
――それぞれの歌詞でお気に入りのところも、ぜひ教えてください。
edda:『ディストランス』では「巡り合い」という言葉を大切にしています。先に楽曲制作の依頼を受けたときにも、「この作品は"巡り合い"というワードを大切にしているから、もし、その言葉を使えるのなら使って欲しい」と言われました。そこから私は、「めぐりあいってやつのせいだ」と書きました。
私が、あえて「めぐりあいってやつのせいだ」と書いたのも、「巡り合い」というキラキラとしたワードをどう使おうかと考えたときに思いついたのが、「ちょっと皮肉っぽく使おう」ということからなんです。
――皮肉っぽくですか?
edda:はい。巡り合いのせいでこんな風になっているけど、その巡り合いのおかげで(仲が深まって)とも受け止められるように。どちらにも取れる皮肉めいた表現がこの映画らしくて可愛いなと思い、「めぐりあいってやつのせいだ」と書きました。この言葉はけっこう気に入ってます。
『魔法』は、遠くにいる人間を想っている生き物の気持ちで書いた歌。とくにサビには、遠くにいる大切な人の幸せを願いながら歌うイメージを持って書いたように、サビの歌詞は全部大切に思っています。
今は同じ部屋に冷蔵庫があって、すぐに飲み物に手が届く(笑)
――完成したシングル『チクタク』、今のeddaさんにとってどんな1枚になりましたか?
edda:アニメや映画のテーマ曲に選んでいただいたこともあって、より多くの人たちの耳に入る作品になるんだろうなぁと思っています。3曲とも、これまでのeddaが持っていたダークな部分も感じていただける歌詞やメロディや展開も組み込まれているように、このシングルを通してeddaに興味を持っていただいた方が、他の作品にも触れ、「eddaってこういう人なんだ」とより深く知っていただける、そのきっかけとなる作品にもなったと思います。
――今回のジャケットも、みずから描きました。
edda:これまでもみずから描いてきたように、これからもジャケットは自分の手で描いていけたらなと思っています。その理由の一つとしてあるのが、歌の中で明確な答えを示していないぶん、それをジャケットの絵やMVを通した映像など、いろんな表現手段を通して提示したいからなんです。そうやって想いを共有していけたら嬉しいです。
――ぜんぜん余談ですが、上京して以降いろんな面での変化も出てきました?
edda:正直、あまり変わってないです。仕事柄、以前にも増して外へ出る機会は増えましたけど、基本的に事務所かレコード会社へ行く程度くらい。たまに他の場所へ行くことになると、事前に行き方を調べたりドキドキはしちゃいますけど。それ意外は、実家の頃と変わらず部屋でずっと過ごしています。部屋の内装も実家と変わらずの形にしているよう、外に出ることが増えた以外の環境の変化はとくにないです。あっ、以前は冷蔵庫の飲み物を取るのに2階から1階へ降りてたけど、今は同じ部屋に冷蔵庫があって、すぐに飲み物に手が届くという便利な部分は変わりました(笑)。
――eddaさん自身、自分の世界観をしっかり持っている方ですよね。
edda:小さい頃から変わらぬ好きな世界観があるように、そこを軸にしながら、少しずつ枝葉を広げてゆく形で、これからも表現し続けていきたいなと思っています。
――最後に、なぜeddaと名付けたのか。その理由も教えてください。
edda:昔からある物語や現実に起こった出来事を伝える伝記のことをedda(エッダ)と言うらしく私が作り出す世界を表現するうえでその言葉がピッタリだったことからeddaにしました。これからもいろんな物語を、音楽はもちろん、絵や映像などさまざまな表現手段を用い伝えていきたいなと思っています。ぜひ、eddaの世界へ触れてください。
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