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ほのかりんが目指す『東京』の正体って?

ほのかりんとは、もともとモデル・女優として活動しているミュージシャンだ。2013年にはガールズバンド「コムシコムサ」にギタリストとして参加している。その後、ソロ活動へと意識が傾き、バンドを脱退。ソロデビューへの準備の傍ら、今年2017年7月、講談社ミスiDオーディションにエントリー。 10月4日に誕生日を迎えたばかりの、これからが楽しみなアーティストの1人だ。
今回とりあげる『東京』は、彼女の2ndデジタルシングルだ。リリースは10月18日。
一体どのような曲なのか。簡単ではあるが紹介してみたい。

ほのかりん デジタルシングル『東京』



『東京』は、息遣いの伝わる、繊細な声質で切なく歌われている。東京という街の持つ、忙しなく人が行きかっているのに感じられる孤独感や、呼吸の乱れなどが歌い方からも伝わってくる。人がたくさんいるのに寂しい、都会の少し薄暗い部分にスポットが当たっている。
後半にはたたみかけるように詩を朗読する場面がはさまれている。感情的に読むというよりは、寂しさを保って確かめるようだ。耳さわりが良く、違和感もない。

歌詞を少しずつ見ていこう。

ねぇ、傷だらけになっても愛しててあげるから
最後に戻ってくるのは私の所にして
ゴミ箱の中の嘘見つけてごめんね
でも泣いたりしないで抱き締めてみせるわ、駄目かな、駄目よね。



全体的にネガティヴな歌詞が続く。「最後に戻ってくるのは私の所にして」ということは、この歌詞の主人公の恋人は、浮気がちなのかもしれない。「ゴミ箱の中の嘘」というからには何か証拠があって、歌詞の主人公だけが気が付いている”何か”があるのだろう。

それなのに「泣いたりしない」と強がりを言っている。しかし強がっているくせに、「駄目かな、駄目よね。」なんて言って、全く自信がないのだ。なんだかあどけない恋愛模様だと感じられる。「愛しててあげる」という表現からは、あどけなさの中に、少し背伸びしているような、大人びた感情も見え隠れする。
相手の恋人はもしかしたらどうしようもなく浮気性なのかもしれないが、主人公もなんだか一筋縄ではいかないような、あまり単純な女の子でもないようだ。


「帰ってきたら教えてね、東京で待ってるから。」
そんな安っぽい言葉じゃもう駄目かな
「そんな風に下を向いて、悲しそうに笑うなよ。」
行かないで「知らない匂いは 嫌だよ、嫌だよ。」
言葉に出来たら、変われたの?


離れて行く恋人への寂しさ、切なさがにじみ出ている歌詞だ。先ほど「浮気性なのでは」と書いたが、ここではただ主人公だけが一方的に不安がっているようにも見える。カギカッコで閉じられた部分は、実際に交わしている会話だろうか?「言葉に出来たら」と歌っているからには、「行かないで」だけが言えなかったのだろう。

「駄目かな」という言葉が何度も出てきて、自信のない寂しい女の子、という印象だ。この孤独感が東京という街そのものとオーバーラップする。
自信のないことは悪いことだろうか。決してそうではないだろう。恋愛をすれば、人一倍不安になるし、周りの女の子の方が自分より魅力的に見えることだってある。「好き」という感情への、ほのかりんなりのとても素直な回答だ。この自信のなさは、「好き」という気持ちを表現した、飾らない感情なのだ。


『東京』は静かでシンプルな音づくりながら、ギターの柔らかく優しい音色と、強張らない程度に感情のこもった独特の熱を持った歌い方が、微妙なバランスでうまくマッチしている。

「帰ってきたら教えてね」というフレーズがなんとなく耳に残る。ネガティブなのに素直で優しい歌詞が、「東京」という大都会の片隅で、あちこちで繰り広げられる人間模様とそこに潜む孤独へと彩りを添えている。

あどけなくも大人っぽさを秘めた、この不思議な情感は、ほのかりんならではの表現方法なのだろう。


・ほのかりんオフィシャルサイト http://lynnhonoka.com ・Twitter https://twitter.com/lynnhonoka ・Instagram https://www.instagram.com/lynnhonoka

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