里田まいはスーパーバイザーという肩書で関わり、元Berryz工房のももちこと嗣永桃子がプレイングマネージャーという肩書で所属しています。2014年後半から2015年前半のハロプロはモー娘。にも新メンバーを投入し、スマイレージをアンジュルムに改名し新メンバーを入れ、さらにこぶしファクトリー、つばきファクトリーを新たに結成して大幅な改革を行ないます。その流れの中で一番話題をさらっていたのが、実はこのカントリーガールズでした。
島村嬉唄（しまむらうた）という人気メンバーが所属していたのが大きな理由です。アイドルらしい可愛らしさと愛嬌を兼ね備えていた島村は、数々の新メンバーの中でも一躍注目の的になります。この島村をセンターにしたデビュー曲「愛おしくってごめんね」は新たに始動したカントリーガールズの可愛らしいイメージを決定付ける曲となりました。
しかしこの人気メンバー島村は2015年6月に突然グループを脱退します。原因は「ご家族と弊社との間に埋めることができない隔たり」があったことだと公式発表されていますが、真相は分かってしません。
島村の台詞で始まるこの曲は、まさかの現実とリンクしてしまいました。
「「今なにをしているの？」 メールは返さないよ 返事よりも会えない日を数えてほしい」
この歌詞がまさに島村が「今何をしているかも分からない」「返事も来ない」現実を表しています。
「昨日借りて観た映画 好きな食べものとか好きな音楽？ 全部教えてはあげない」
全部教えてもらえないうちに脱退してしまいました。
「女の子の秘密を 明かさないのが女の子 嘘はついていないの それが、運命よ」
脱退の秘密を明かしてもらえないこと、これは運命だったのでしょうか。「、」と「運命」という言葉が業を感じさせます。
「ごめんね 私のこと もっと悩んで 素直じゃないね 知りたくなるように カワいくないやり方だけど」
このサビもまさに「もっと悩んで」しまうファンの心理を投影しています。しかも本当に「カワいくないやり方」で。
「ごめんね 不器用なとこ 中途半端も 魅力のうちって」
本当に不器用で中途半端なところで終わりました。
「愛おしくて忘れられないでしょ ゆるしてよ 愛ゆえに ごめんなさいね」
もうこの途中脱退という事実を予想していたかのように「忘れられない」ファンに対しての謝罪の歌（嬉唄）になっているのです。明るい曲調で、かつ謝罪の歌なので、怒りをぶつけることも悲しみにくれることもできないファンは、茫然と笑顔を作りながら心で涙するしかないのです。
このデビュー曲は現実と絶妙にリンクして、まさに悲しみにくれるファンの心情を察したかのような曲となってしまいました。しかしだからこそ一味違う名曲になったとも言えます。
カントリーガールズはまた新たに1人減った体制で再スタートしています。この曲もいつか思い出になる日が来るでしょう。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)
【愛おしくってごめんね】の歌詞ページ
